いつも何かに追われて自分の時間がない。やらなきゃいけないことで頭がいっぱいで気持ちが休まらない…。もっと要領よく物事を進められたらいいのに!という人は頭の中の「とっちらかり」が原因かもしれません。仕事もプライベートももっと余裕をもって進行できるようになる頭の中の整理術について考えました。
どうして「とっちらかる」のか?前田裕二さんが分析&解説!
経営者としてだけでなく、ビジネス書『メモの魔力』の著者としても注目される前田裕二さん。実は大学生の頃からTO DOアプリを使いこなし「タスク管理が趣味のように好き」というほど追究してきたという、タスク管理の達人。「私たちはどうして“とっちらかって”しまうのか」を相談してみました。
なぜ「思考がとっちらかる」のか、理由はこの3つ!
理由❶「ボール=タスクを持ってしまう」→どんどんたまって収拾がつかない
タスクをボールにたとえるとしたら、〝とっちらからない〟ためにはまず何よりも、「ボールを持たない」という意識が最重要です。自分の中でタスクが積み重なってしまうと抱えきれなくなってしまい、後で大変なことになります。また、自分がボールを持っている自覚がなく持ち続けたままだと、それが仕事だった場合は自分がボールを止めてしまうことでプロジェクトがストップしてしまい、周りの人に迷惑がかかることにもなります。
理由❷そもそも「何のためにやってるのか」目的を忘れる・見失う・元々わかっていない
あれもやらなきゃ、これもやらなきゃと〝とっちらかって〟しまう人は、そのタスクがそもそも何に繋がることなのか、という「大目的」が理解できていないというケースが多いです。極端な例を出すならば、「経営会議に向けた資料作り」「夕食の準備」「髪を切りたい」など、タスクを思いついた順に同じエネルギーでこなそうとするので、本当に大切なことが期限内に終わらず、〝とっちらかる〟結果に。「資料は何のために作るのか?→明日会議があるから」「髪を切るのは何のため?→同窓会があるから」と、タスクのそもそもの目的をはっきりさせることで優先順位がクリアになり、まずは何をするべきか、どれにエネルギーを注ぐべきかが見えてきます。
理由❸虫の目線になってしまって「目の前のことしか見えていない」
本当はやりたいことの中でも優先順位があるはずなのに、とりあえず〝目の前にあるやりたいこと〟に片っ端から手をつけているだけの人は、目の前の土や石しか見えていない〝虫の目線〟になっている状態と言えます。今向き合っている目の前のことは、本当に自分が一番やりたいこと、あるいは、自分が一番パワーを割くべきことでしょうか?限られた時間とエネルギーを自分が一番やりたいことに使うためには、俯瞰的な〝鳥の目線〟で自分のやりたいことの全体像を把握して、優先順位を見直す必要があります。
お話を聞いたのは
前田裕二さん・SHOWROOM㈱ 代表取締役社長
ライブ配信プラットフォーム「SHOWROOM」社長として、また’19年に最も読まれたビジネス書『メモの魔力』の著者としてもおなじみ。オンラインサロン「メモ魔塾」やテレビ出演などさまざまなメディアで情報を発信、幅広い層から支持を集めている。
イラスト/香川尚子 取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc