【梶裕貴さんインタビュー】長所と短所は?今後挑戦したいことについて…

日本はもちろん、世界中で大人気となっている『僕のヒーローアカデミア』の主要キャストの1人、轟 焦凍(しょうと)の声を演じる声優の梶 裕貴さん。声優として圧倒的な支持を集めている梶さんが、「ヒロアカ」劇場版第3弾公開を記念してCLASSY.ONLINEに初登場! 今回は梶さんご本人についてじっくりお話をお聞きしました。

――ご自身の性格の長所と短所を

――ご自身の性格の長所と短所を教えて下さい。

「長所と短所…表裏一体な気がしますね。僕はどんな時でも周りを見てしまうタイプで。“今この場には何が足りなくて、何が求められているか”“自分がどうすべきか”というのを考えてしまうんです。よく言えば、空気が読めるタイプ。これは長所と捉えられるかもしれません。でも同時に…自分が本当にやりたいことがあっても、どうしてもその場が円滑に進む方を選んでしまいがち(プライベートでは特に)なので“自分を主張しない”という、短所に見られがちな特徴にもなってしまう気がするんです。そういった意味で、長所も短所も表裏一体だなと。どちらにせよ、僕は物事を深く考えすぎてしまうタイプなのですが…同時に、何があっても自分の芯はブレない人間だとも自覚しています。でも、これに関しても“もっと柔軟でいられたら、自分も周りも楽なんだろうな”と思う瞬間も多々あるんですけれどね(笑)。だからといって、そう簡単に生き方を変えられるわけでもなく…まとめると、ようは“面倒くさい性格”です(笑)」

――ご自身のアパレルブランド「en365°(エンサンビャクロクジュウゴド)」も立ち上げていますが、きっかけやブランド立ち上げに際して大変だったこと、嬉しかったことを教えてください。

「子供の頃から、図工や美術などモノを作ることが大好きで。その延長線上に声優の仕事もありました。お芝居とはまた違ったクリエイティブな挑戦ができたら、間違いなく声優の仕事に活かせるだろうし、何より楽しそうだなとは思っていたんです。ちょうど、そんなタイミングでアパレルブランドの話が盛り上がり、正式にお声がけいただいたので、挑戦してみよう!と新しい世界に踏み出しました。僕はプロデューサー兼デザイナー兼製作スタッフなので、アイテムのリストアップからデザイン、生地や糸、ボタンの選別まで、すべて自分でおこなっております。もっと言うと『生地にロスが出てしまうから、今回このプリント方法はやめておこう』みたいに、リアルなコスト面まで考えています(笑)。もちろん多くのスタッフさんに支えてもらいながらですが…あらためて、0から1を生み出す大変さを身をもって感じていますね。その道のプロフェッショナルたちの偉大さを再認識しています。本当に素晴らしい。
同時に、手探りの作業ばかりで苦労した分…頭の中で考えたモノが実際に形になって目の前に存在し、それに袖を通した時には、やはり今までにない感動と興奮をおぼえました。でもそれ以上に嬉しかったのが、自分が作った服を着てくれている人を見つけた時!  “届いた”んだな、と思いましたね。声で参加させていただいた作品が放送されて、ご覧頂き感想をもらって、そこで初めて“届いた”とわかるのと同じように、着て頂いている姿を見て、ようやく“あぁ、ここまできて完成したんだな”と感動します」

――女性のファッションで好きな

――女性のファッションで好きなテイストはありますか?

「女性に限らず、好きな服を楽しんで着ることが一番! 流行りを取り入れるのも素敵だと思いますが、でも、それに縛られてしまってはつまらないですよね。誰か意図する相手がいて、その人に“こう感じてほしい”という具体的な目標があるのだったら、それに向かってコーディネートするのもアリかなと。その人が『オシャレだね』なんて言ってくれたら、きっとすごく嬉しいと思いますし。楽しみながら服選びをしている女性は、みんな輝いていると思います」

――「ワンピースにポニーテールが好き」みたいなお答えとはまた違う、前向きに服選びできそうなお話を聞けました!

「定番ですね! 僕も好きですよ(笑)。でも僕の好みを押し付けるより、自分の好きな服をのびのびと着てくれるのが一番嬉しいです。たまにコテコテの定番を着てくれたら、それはそれで間違いなく嬉しいとは思いますが(笑)」

――YouTubeチャンネルも開設して好評を博していますが、他にも挑戦してみたいことはありますか?

「まさか、自分がYouTubeチャンネルを開設するとは思ってもみませんでした。コロナ禍のステイホーム期間中に、何か自分にもできることはないかなと考えたんです。結果、自分は声優なので“声を使った朗読にこそ、やる意味があるはず”と思いスタートさせました。著作権などのハードルもあったので、朗読以外にも羊を数えてみたりだとか、元素記号をひたすら唱えてみたりだとか(笑)。まずは、どんな内容にするかのアイディア出しをし、マイクなどの録音機材を購入・設置して、収録をし、選曲をして、編集をして。最初は、すべての作業を自分で行っていましたね。ゲームのプレイ動画の編集に関しては時間の都合上、途中からプロの方にお願いするようにはなりましたが…こちらでも、アパレルでの作業と同じく、0から1を生み出す大変さを実感しました。
この経験を通して、普段、声優の仕事に集中させていただけていることのありがたみを改めて強く感じました。“僕が台本をいただくまで…そしてアフレコをして、それが放送されるまでに、どれだけ多くのプロフェッショナルが動いているのだろう!”と。YouTubeだけでなく、最近は映像のお芝居など、フィールドを越えた挑戦をさせて頂く機会が増えました。そこでいつも思うのが“どんな経験も、声優業をしていくうえでのプラスになっている”ということ。演技だけでなく仕事への取り組み方なども含め、すべてにおいてです。これからも“自分は声優である”ということに誇りと責任をもって、ご縁が繋がったものには全力で取り組んでいきたいなと思っています」

梶裕貴

1985年東京都生まれ。『進撃の巨人』エレン・イェーガー役、『七つの大罪』メリオダス役など多数の作品でメインキャストを務める、声優人気を牽引する中心的存在。梶裕貴YouTubeチャンネルの開設や、アパレルブランド「en365°(エンサンビャクロクジュウゴド)」を立ち上げるなど、多方面で活躍中。

『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』

©2021「僕のヒーローアカデミアTHE MOVIE」製作委員会©堀越耕平/集英社
©2021「僕のヒーローアカデミアTHE MOVIE」製作委員会©堀越耕平/集英社

‘14年に『週刊少年ジャンプ』で連載開始以来、コミックが世界累計5000万部を突破、TVアニメシリーズは第5シーズン放送中、劇場版も国内のみならず世界各国でヒットを収めている超人気シリーズ『僕のヒーローアカデミア』待望のアニメ劇場版最新作。世界中の“個性”保持者の殲滅をもくろむ謎の組織ヒューマライズにデク・爆豪・轟の3人が立ち向かう。声の出演:山下大輝、岡本信彦、梶裕貴ほか 原作・総監修・キャラクター原案:堀越耕平(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)●8月6日(金)公開

撮影/平井敬冶 ヘアメーク/中山芽美(e-mu) スタイリング/SUGI(FINEST) 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)

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最新号 202412月号

10月28日発売/
表紙モデル:山本美月

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