令和になって数年が経過。女性のさらなる活躍が必須である今後、CLASSY.世代の読者がキャリアを積んで生きていくなら、パートナーはこんな彼らが最高!その必要性を様々な視点から考察してみます。
あなたのまわりにもいる?“オモニ彼氏"ってこんな人
〝オモニ彼氏〟が気になってきたら、身の周りの男子をチェック!数々の取材を通して明らかになってきたオモニ彼氏&予備軍の特徴とは…?
有識者に聞く「なぜオモニ彼氏がおすすめ」なのか
メンタル面だけでなく、なぜ働く現代女子とオモニ彼氏の相性がいいのか?社会学的観点などからも専門家の方たちに意見を伺いました!
優しさが欲しい状況下。オモニ彼氏が支えになってくれるといいですね
今は不安で疲れている人が多いから、癒し系の男性を求めているのかなと思います。また、草食男子やおじカワブームなどもあり、男性も全体的に優しくなっている傾向が。いつ体調を崩してもおかしくない、そんな時代に、相手の世話によって自分の心身が充電され仕事のエネルギーが養われる、お互いをケアし合えるという関係が求められている気がしますし、実の親にも会いにくい状況なので、身近な彼氏が両親のような存在でもあり、いろんな役割を果たせたらすごくいいなと思います。優しさが欲しい状況ですよね。それに自分が愛される結婚の方が幸せと聞くし、そういう男性って浮気しなさそうで女性側の精神も保たれますよね。しかし一方で、下心のある危険なオモニ男子もいます。一方的に世話を焼いてきたりする粘着質の世話焼きタイプには注意。よく観察して見極めた方がいいかも。個人的にはカップルらしい雰囲気で、自然に世話を焼いてくれる人がいい(笑)。「女性にはこういう風に接しなさい」とジェントルマン精神を教えられてきているような、段差で自然に手を貸してくれる、そんな気遣いができる人。その代わり、女性も男性側の収入が低くても割り切れるといいですね。女性と対等でいる人って、デートでもほぼ割り勘かちょっと多いくらいだと思うんです。女性側も全てを相手に求めるのは難しいですよね。
漫画家、コラムニスト・辛酸なめ子さん
イケメンや海外セレブから政治ネタ、スピリチュアル系まで、幅広いジャンルについてのユニークな批評とイラストが支持を集め、著書も多数。近著は『スピリチュアル系のトリセツ』(平凡社)、『辛酸なめ子の世界恋愛文学全集』(祥伝社文庫)など。
オモニ彼氏は草食系男子の発展形。一生働く女性たちにとっては きっと最良の相手!
〝年の差婚〟の本を出した2012年頃から、〝バリキャリ女子〟と呼ばれる女子たちが「帰ったらお風呂が沸いていて話を聞いてくれるような男子がいい」と言い始めていました。その頃のアラフォー女性の願望が、今ではアラサーにまで降りてきています。また、2016年に女性活躍推進法が施行され女性もフルタイムに近い状態で働くことが推奨され、産んでもまた働くというのがデフォルトになってきて、いまや就活時からそれを見据えた女性が多い年代に。今の読者層の女性はきちんとキャリア教育を受けているので、一生何らかの形で働くという人生設計ができており、自分が一生働く以上、オモニ彼氏のような相手じゃないとうまくいかないと若い頃からわかっています。さらにSNS上で男女平等の運動もおき、イクメンも「仕事をバリバリやってカッコよく育児」というイメージから、「手伝うではなくシェアする」という考え方にシフト。イクメンの定義も少しずつ変わってきました。いわゆるZ世代の社会人、20代半ばより下の男性なら、シェアの概念も定着してきているので、年下男子は狙い目。35歳くらいになると、男性は仕事で一人前と見られたい意識が固まるし、不景気だった場合、リストラへの不安から仕事に比重が行きがち。働くことに理解を示してくれるか、1ヵ月だけでも同棲してみた方が、相手の感覚がわかると思います。
世代トレンド評論家・牛窪 恵さん
立教大学大学院(MBA)終了。同大学院客員教授。トレンド、マーケティング関連の著書多数。「おひとりさま(マーケット)」(05年)、「草食系(男子)」(09年)は、新語・流行語大賞に最終ノミネート。テレビ出演も多数。近著『若者たちのニューノーマル』。
女性に労働力が求められる分、男性がケアの部分を代わりに担っていく時代に
日本もいよいよ少子高齢化で、男性だけでなく女性も労働力を求められる時代。今までは性別による分業社会で男性が外で働き、母親が子供を産み育て、外で働く人を精神的にも行動でも支えてあげ、それを無償でやってきました。日本では他人のケアをする仕事は重要で、それなしに社会が成立しないにもかかわらず、「誰でもできる」と言われ軽んじられてきた。女性が経済的に自立できない、キャリア形成が難しいなどの問題もずっと言われ続けています。無償でやってきたケアの部分を、保育園やベビーシッター、家事代行などで対処しようとする流れもありますが、解決は難しい。つまり、女性が今まで無償でやってきた精神的・行動ケアの部分を、これからの社会では男性も担っていかないと成り立たないってことだと思います。ですので、〝オモニ彼氏〟のような男性は、今後の社会に必要とも言え、リーマンショックや震災、そしてコロナ禍…という背景を考えると、これからもじわじわと増えてこざるをえないでしょう。そう、男性だって子供の世話をするのが当たり前の時代になります。それに母性というものは、性差ではなく、本来個人差が大きいはず。〝オモニ彼氏〟って、単に優しいとか、個人の資質で成り立つのではなく、これからの社会が男性に求めていることを表しているんです。
大正大学心理社会学部准教授・田中俊之さん
1975年生まれ。専門は男性学・キャリア教育論。2008年、博士号(社会学)を取得。武蔵大学・学習院大学・東京女子大学等非常勤講師、武蔵大学社会学部助教を経て、2017年より現職に。男性学の第一人者として、各メディアでも活躍。
イラスト/高橋将貴 取材/田村宜子 再構成/Bravoworks.Inc
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