新型コロナウイルスの流行により、一気にパワーワードに躍り出た「免疫力」という言葉。でも、具体的に免疫力って一体何なのか、いまひとつわかっていない人も多いのでは?免疫力を下げないためにやるべきことを専門家のみなさんに教えてもらいました。
そもそも「免疫力」って何?
免疫力は生活習慣などさまざまな原因で低下してしまう可能性があります。まずは免疫力についての基礎的な知識を学びましょう。
免疫を担っているのは「白血球」と「粘膜」です
白血球は血液と一緒に全身を巡ってパトロールをしながら、体内の掃除をしたり、ウイルスや菌を退治して病気にならないようにしてくれています。また鼻やのどなどの粘膜も免疫を担当しています。色の濃い緑黄色野菜に含まれるβカロテンは体内でビタミンAに変わり、粘膜免疫の材料になるので日頃の食事にぜひ取り入れてみて。
1.免疫を下げてしまうこんな生活習慣に要注意!
2.話題の『腸活』は免疫を語るうえで欠かせない!
腸は7割の免疫細胞が存在する最大の免疫器官!
免疫について考えるうえで腸はとても重要で、腸には体全体の約7割の免疫細胞が集まっています。口から入る食べ物は時には劣化していたり、必ずしも安全だとは限りません。そのため、腸内の免疫細胞が体にとっていいものと悪いものを選択してくれています。免疫細胞が活動するためには腸内にある菌が出す「酸」が重要。菌の中でも短鎖脂肪酸を出してくれる菌が「善玉菌」と呼ばれており、腸内の免疫細胞を活性化させることがわかっています。
血流を改善して体を温めることで免疫を下げない体に
東洋医学の考えでは体の防衛力である免疫は「気」の流れが担っているとされています。
そして「気」の流れに関係が深いのが「血」の流れ。まずは血流の状態に問題が起こりやすい3つの原因をチェックしましょう。
❹血流に問題が起こる理由3つ
❶血虚(けっきょ)=血流の流れが足りない
気が足りなくて血液が流れないタイプ。極端な冷え性、風邪を引きやすい、顔色が白っぽい、声がか細い、体が細い人が多いのが特徴。もともと体が弱く、生理不順、経血が少ないなどのトラブルがあることも。睡眠や栄養をしっかり摂り、食事は何度かに細かく分けて食べて、食べる量を確保するようにしましょう。
ストレスも実は免疫と密接な関係にあります
ストレスは自律神経の乱れや体の冷えにもつながり、免疫力にも大きな影響を与えます。
自律神経を整え、体を温め、巡りのよい体を作ることがストレスに強くなる秘訣です。
4.ストレスを「なくす」のは不可能、上手にリリースする方法を考える
〜ストレスをリリースするための方法6選〜
❶何かに没頭する時間を作る
よく「マインドフルネスな状態」と言いますが、ストレスから一旦離れて何かに没頭できる時間を意識して作ることが大事です。瞑想、ランニング、ガーデニング、ヨガなど自分に合った方法でOK。一度ストレスから距離を置くことで、ストレスの原因を違う角度から捉え直すこともできます
❷運動をする
運動をしない女性は体力がない→疲れやすい→メンタルにもダメージを受けやすいという悪循環に陥りがち。運動を習慣にして体力がつけば疲れにくくなり、メンタルも強くなります。さらに、運動すると分泌される微量の男性ホルモンは気持ちを前向きにしてくれます。家の中でスクワットを30回でもよいので始めてみて。
❸日光を浴びる
日光を浴びるとハッピーホルモンと言われるセロトニンが分泌され、さらに免疫細胞を活性化するビタミンDが体内で作られます。日光浴の目安は15分程度。カーテンを開けたり、ベランダに出るだけでもいいので日光を体に取り込むことを意識しましょう。ビタミンDはきのこ類や、きくらげ、青魚、鮭などからも摂取できます。
❹体を温める
女性の約80%が冷え性。体温を上げると体内の酵素の働きが活発になり、免疫に関わる白血球や腸などすべての働きがよくなるので温活は大切です。冷えの根本的解決の鍵となるのが筋肉。運動で筋肉を使い、内側から熱をつくることで体が温まります。特に30歳前後のクラッシィ世代は筋肉量が落ちてくる年代なので、筋肉の維持を心がけて。そして毎日の入浴はシャワーでなくお風呂。体を温めるだけでなく、蒸気で粘膜の保湿もできます。飲み物は紅茶やルイボスティーなどの発酵したお茶に、しょうがやシナモンを加えて。免疫細胞が集まる腸や内臓を温めてくれる腹巻きもぜひ取り入れて。
❺気を動かす
漢方では健康のために「気」「血」「水」がバランスよく循環することが大切と言われます。「うつ」は気が巡っていない「気滞」の状態と言われ、「血」を巡らせれば「気」も巡るので、運動をしたり、お風呂に入り血流を促進するのがおすすめ。しょうが、しそ、シナモンなど香りのある食材も「気材」と呼ばれ、停滞した気を動かしてくれます。
イラスト/二階堂ちはる デザイン/大塚將生(marron’s inc.) 取材/加藤みれい
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