「啜る」=つづる?よく見て!うっかり誤読しがちな漢字4選

「箸」と「著」、「緑」と「縁」など“形がよく似ていて、互いに読み間違えやすい漢字”。こうした漢字に惑わされた経験はありませんか?

今回は、そんな“うっかり誤読してしまいがちな漢字”をピックアップ。正しく読めるか、ぜひチェックしてみましょう。

1.「洒脱」

思わず「酒税(しゅぜい)」と見
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思わず「酒税(しゅぜい)」と見間違えてしまいそうな「洒脱」。特に「洒」という漢字にはご注意を。実は「酒」ではないのです。

そのため「洒脱」を「しゅだつ」と読んでしまうのは誤りですよ。

そんな「洒脱」の正しい読み方は……

 

しゃだつ」です。「洒脱」とは「あかぬけていること」「さっぱりした様子」を意味する言葉で、「洒脱な人柄」などといったように用いられます。

2.「冶金」

鉱石から金属を取り出して、精錬
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鉱石から金属を取り出して、精錬したり、合金をつくったりすることを「冶金」と言います。

漢字をよく見てみると分かるのですが「冶金」の「冶」は、「政治」の「治」ではありません。

この見間違いによって「じきん」「ちきん」などと誤読してしまいがちですが、正しくは……

 

やきん」と読みます。読むのはもちろん、書く時にも間違えないよう注意したい漢字です。

3.「傾げる」

ぱっと見て、思わず「かたむける
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ぱっと見て、思わず「かたむける」と読んでしまう人も多いのではないでしょうか。

しかし、こちらは「傾ける(かたむける)」ではなく「傾げる」。「傾ける」と比べて読み方も、言葉のニュアンスも微妙に違ってきます。

そんな「傾げる」の正しい読み方は……

 

かしげる」です。

ちなみに「傾げる」とは「横に曲げること」、また「彼の意見に首を傾げる」といったように「納得できないことが多い」という意味があります。

4.「啜る」

「口」に「双」が上下に二つ並ん
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「口」に「双」が上下に二つ並んだ「啜」という漢字。よく「綴」と間違えてしまいがちですが、部首が異なります。

「綴る(つづる/つづくる)」は「破れたり欠けたりした箇所を閉じ合わせる・つなぎ合わせる」こと。一方の「啜る」は「少しずつ口に吸いこむこと」を意味します。

そんな「啜る」の正しい読み方は……

 

すする」です。「鼻を啜る」などのように普段からよく耳にしたり言ったりする言葉ですが、漢字になると読めない人が多くいます。ぜひこの機会に覚えておきましょう。

 

“うっかり誤読してしまいがちな漢字”、あなたはいくつ読めましたか? 同じに見えるけれど実は一本線が少ない、部首が異なっているなど、ささいな違いで読み方も違ってきます。

もし今回読めなかった漢字があれば、次こそは正しく読めるよう、この機会にしっかり覚えておきましょう。

 

参考文献
日本語倶楽部〔編〕『読めないと恥ずかしい漢字 完全制覇本』(河出書房新社)

文/大内千明 画像/Shutterstock(Kues、G-Stock Studio、Kristjan Ari Einarsson、GaudiLab、Antonio Guillem)

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