「何となく見たことがある気がする。でも何と読むのか分からない」
日常的に使うような、ごく身近な言葉であったとしても、漢字表記になると意外と読めないケースは少なくありません。
そこで、この記事では意外と苦戦しがちな “読めそうで読めない漢字”をご紹介します。ぜひ全問正解を目指してみてくださいね。
1.「端折る」
「端折る」は元々「着物の裾をまくって帯に挟む」という意味でしたが、今では「話を端折る」のように「省いて短くする」という意味で使われることが多くなりました。
「端を折る」という言葉のイメージから「はしおる」と読み間違えがちですが、正しくは……
「はしょる」と読みます。
また「はしょる」は、読み方だけでなく漢字で書く時にも間違えやすい言葉。「“はしょる”だから“しょ”のつく漢字が入る?」と勘違いしてしまいがちなので、漢字表記もよく覚えておきましょう。
2.「団扇」
暑い季節に欠かせない「団扇」。「団扇」とは、手であおいで風を送る道具のことを言います。あなた自身も、これまでに一度は団扇を手に持ってあおいだことがあるのではないでしょうか?
よく「せんす」と読み間違えられがちですが、「せんす」ではありませんよ。
そんな「団扇」の正しい読み方は……
「うちわ」です。
ちなみに「せんす」の場合、漢字は「扇子」と書くのが正解です。
3.「把手」
「把手」という漢字を見ても、いったいどんなものなのか、一見想像がつかないかもしれません。しかし、私たちの生活にとても身近なものです。実際に、毎日のように「把手」を目にしている人もいるでしょう。
「把手」とは「器などの手に持つ部分」のことを意味する言葉で、たとえば「鍋の把手」「引き出しの把手」のように用いられます。
そんな「把手」の正しい読み方は……
「とって」です。
また、「把手」と書いて「はしゅ」とも読みます。意味は「とって」と同じ。「とって」はもちろん、もう一つの読み方についても覚えておくと良いでしょう。
4.「薬玉」
「薬の玉」と書いて「薬玉」。つい「やくだま」や「くすりだま」と読んでしまいそうですが、これらの読み方は誤り。
「薬玉」とは「造花などで作る飾り物」のことを言い、パーティーや式典で用いられることが多くあります。あなた自身も「薬玉」が割れているのを見たことや割ったことが、きっと一度はあるはず。
そんな「薬玉」の正しい読み方は……
「くすだま」です。
「薬玉」は元々、薬草や香草を綿の袋に入れて、その周囲を造花などで巻いて球状に仕上げたのが始まりだったそう。読み方も最初は「くすりだま」でしたが、徐々に縮まって「くすだま」と言われるようになったそうですよ。
5.「転た寝」
「ちょっとだけ横になろうかな」。そう思ったつもりが、つい熟睡してしまっていた。そのような経験はありませんか?
そんなふうに「横になっているうちに、ついうとうとすること」を「転た寝」と言います。自然と睡眠状態に入るため、「転た寝は気持ち良い」と感じる人もいるでしょう。
しかし転た寝の影響で、夜になってもなかなか眠れないなんてことも。転た寝も良いですが、できることなら、普段からたっぷりと睡眠をとっておきたいところです。
ここまでで「何となく読み方が分かったかも」という人もいるかもしれませんね。「転た寝」の正しい読み方は……
「うたたね」です。
ちなみに「転寝」「仮寝」と書いても「うたたね」と読みますよ。
読めそうで読めない漢字。あなたは5問中いくつ正しく読めましたか? 普段、何気なく会話の中で使っている言葉でも、漢字表記になると印象が違って見えるものもあったかもしれません。
もし今回読み間違えてしまった漢字があれば、次こそは間違えずに読めるよう、この機会に正しく覚えておきましょう。
参考文献/一校舎漢字研究会〔編〕『きっと誰かに教えたくなる読めるようで読めない漢字2500』永岡書店
文/大内千明 画像/Shutterstock(Artur Szczybylo、Wako Megumi、Lifestyle Travel Portrait、Fit Ztudio、fizkes)