一見簡単そうに見えても、実は読み方が難しい。そのような漢字は珍しくありません。
さらに、漢字の読みだけでなく言葉の意味も知っているかといえば「意味までは分からない」という人は意外と多いものです。
そこで今回は、“簡単そうに見えて意外と知らない漢字”をご紹介。意味と一緒に覚えておけば、一目置かれるかもしれませんよ。
1.「相好」
いわゆる「顔つき」のことを「相好」と言います。たとえば「相好を崩す(大いに笑うこと)」「油断のならない相好」といったように用いられる言葉です。
「相対的(そうたいてき)」「好印象(こういんしょう)」など、「相」を「そう」、「好」は「こう」と読むイメージが強いことから、つい「そうこう」と読んでしまいがちですが、正しくは……
「そうごう」と読みます。一見、簡単に読めそうですが、実は読み間違いの多い漢字です。「相好」をさらりと正しく読めたら、周囲に知的な印象を与えられるかもしれませんね。
2.「下戸」
「下戸」とは「下の方にある戸」……のことではなく、「お酒が飲めない人」を意味する言葉です。
会社の飲み会などで、この言葉を耳にしたことがある人もいるはず。
社会人として、職場の人や取引先の方とお酒の付き合いもあるため、ぜひ読めるようにしておきたい漢字です。
そんな「下戸」の正しい読み方は……
「げこ」です。「下戸」とは逆に、お酒が飲める人は「上戸(じょうご)」と言います。
「下戸」が「げこ」と読むために「上戸」も「じょうこ」と読んでしまいがちですが、濁り読みをする点に注意しましょう。
3.「主面」
「主面」とは「まるで主人ぶったような顔つきや態度のこと」を言います。
「主」は「主人公(しゅじんこう)」「主要(しゅよう)」など「しゅ」と読む言葉が多いですよね。そのため、つい「しゅづら」「しゅめん」などと読んでしまいがちですが、それらの読み方では誤りです。
では、何と読むのが正しいのでしょうか? 正解は……
「しゅうづら」と読みます。「主面」の「主」は「しゅう」と延ばし読みをするのがポイントです。
4.「四阿」
「四阿」という漢字を見ても、一体何のことか想像がつく人は、少ないでしょう。
「四阿」とは「四方に壁のない柱だけの建物」を意味する言葉です。庭園などで休憩スペースとして、四阿が設置されているのを見たことがある人もいるのではないでしょうか。
そんな「四阿」の正しい読み方は……
「あずまや」です。元々「あずまや」とは「東の国の粗末な家」からきているそうですよ。
いかがでしたか? 漢字は読めても、意味まではきちんと知らなかった、あるいは読みも意味も初めて知った……というものもあったかもしれません。
読み方と意味をセットで覚えることで、漢字が読めるだけでなく、意味を理解したうえで実生活でも用いることができます。
もし読めなかった漢字があれば、意味とともに覚えておくようにしましょうね。
参考文献
加納喜光『読めそうで読めない漢字Q&A―もう間違わない!実例集 』講談社
文/大内千明 画像/Shutterstock(WAYHOME studio、Monkey Business Images、Prazis Images、PATSUDA PARAMEE)
Magazine
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