総画数が多かったり、見慣れない“へん”や“つくり”の漢字だと、それだけで難しそうなイメージを抱いてしまう人もいるのでは。
しかし、漢字自体は複雑そうに見えても、実は日常的に見ているものであったり、ごく身近な言葉だったりする場合も珍しくありません。
この記事では、そうした“一見難しそうだが身近な読み方をする漢字”をご紹介。全問正解できたら、かなりすごいかも!
1.「齷齪」
「心が狭くて、小さなことにもこだわるさま」を「齷齪」と言います。漢字表記だとあまり見慣れないかもしれませんが、言葉としては使われることも多く、きっとあなたも耳にしたことがあるはずです。
たとえば「齷齪」は、「齷齪と働く」「齷齪している時にはなかなか気が付かない」「齷齪しながらも」といったように用いられます。
そんな「齷齪」の正しい読み方は……
「あくせく」です。
ちなみに「あくせく」という言葉は、元々「あくさく」だったのが、音が変化してできたと言われています。
2.「鞦韆」
「鞦韆」という漢字だけを見ても、何を表しているのか、なかなかイメージしにくいものですよね。
「鞦韆」とは「吊り下げた横木に乗り、前後に振って遊ぶ」遊具を意味する言葉です。主に公園や学校などで「鞦韆」が設置されていることが多くあります。もしかすると、あなた自身も「鞦韆」で遊んだ経験があるかもしれませんね。
そんな「鞦韆」の正しい読み方は……
「ぶらんこ」です。
たいていカタカナで表記されることが多いため、漢字を見ても一発で間違えずに読むのはなかなか難しいでしょう。また、意味は同じですが「鞦韆」と書いて「ぶらここ」「しゅうせん」などとも読みます。
3.「躑躅」
読むのも書くのも難しそうな「躑躅」ですが、実はとある植物の名前を指す漢字なのです。「躑」にも「躅」にも「くさかんむり」がついていないため、ぱっと見ただけで植物の名前だとはなかなか想像しにくいですよね。
そんな「躑躅」は主にアジア各国に広く分布していて、日本でも古くから栽培されている植物です。春から夏にかけて、白や赤・ピンク・紫といった色の花を咲かせます。
また「躑躅」は“育てやすい花”とも言われ、一般家庭でも多く育てられているそうですよ。そんな「躑躅」の正しい読み方は……
「つつじ」です。
「躑躅」という漢字から「つつじ」を連想するのは難しいため、あらかじめ漢字と読み方をセットでしっかり覚えておくのが良いでしょう。
いかがでしたか? 画数が多かったり、複雑な漢字は、それだけで苦手意識を感じてしまうものですよね。しかし実際には、難しそうでもよく見知った言葉である場合も少なくありません。
また、難しそうな漢字は、読み方を知っているだけで周囲に知的な印象を与えられます。今回ご紹介した中で読めなかった漢字があれば、ぜひ正しい読み方を覚えておきましょうね。
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参考文献/ことばの森編集室〔編〕「読めない漢字が読める本 分野別読み方便利帖」
文/大内千明 画像/Shutterstock(Rido、MorganStudio、Lanlana839)