それぞれの漢字は簡単なものであっても、実は読み方が複雑で誤読しやすい漢字ってありますよね。
今回は、そうした“読めそうで読めない漢字”をピックアップしてご紹介。日常的に見聞きするような言葉であっても、意外と読めない……なんてこともあるのかも!?
1.「誰何」
「誰?」「何?」とまるで質問しているかのような「誰何」。意味もそのままで「“誰だ”と名前を問いただすこと」です。たとえば「警察に誰何された」のように用いられます。
そんな「誰何」の正しい読み方は……
「すいか」です。「誰」を「すい」と読むため、なかなか読み方をイメージしづらいかもしれません。“「誰」を「すい」と読むこともある”というよりも“「誰何」=すいか”とワンセットで覚えるほうが良いでしょう。
2.「薀蓄」
漢字を見ただけでは、いったい何を表しているのかが分かりにくい「薀蓄」。「蘊蓄」と表記する場合もあります。
「畜」はともかく「薀」は漢字自体、見慣れないという人も多いのではないでしょうか。
「薀蓄」とは「蓄えた知識」のことを言います。「おんちく」ではありませんよ。そんな「薀蓄」の正しい読み方は……
「うんちく」です。ちなみに「薀蓄」という漢字の「薀」にも、「蓄」にも「蓄える」という意味があります。
3.「四方山」
「四方山」とは「いろいろ」「世間のさまざまなこと」を意味する言葉です。「四方山」を使った言葉で、よく聞くのが「四方山話」でしょうか。「四方山話」とは「雑多な世間話」のことを言います。
そんな「四方山」の正しい読み方は……
「よもやま」です。ちなみに宮城県に「四方山」と同じ漢字の山が存在しますが、そちらは「しほうざん」と言います。
4.「姦しい」
「女」という漢字を三つ合わせて「姦しい」。「姦しい」とは「騒がしくてうるさいこと」を意味する言葉です。
よく「やかましい」などと間違えてしまいがちですが、「やかましい」は漢字で「喧しい」と書きます。
では、「姦しい」は何と読むのでしょうか。正しくは……
「かしましい」と読みます。ちなみに「喧しい」と書いて「かしましい」と読む場合もありますよ。
5.「燥ぐ」
「浮かれて騒ぐこと」を「燥ぐ」と言います。よく「小さな子供が燥ぐ」などといったように用いられる言葉です。
「乾燥」の「燥」から「そうぐ」、似た形の漢字「操」から連想して「あやつぐ」などと読むのは誤りですよ。「燥ぐ」の正しい読み方は……
「はしゃぐ」です。ちなみに「桶が燥ぐ」といった場合だと上記の意味ではなく「乾く」という意味での「はしゃぐ」になります。
いかがでしたか? 意外と、読めそうで読めない漢字が多かったのではないでしょうか。この機会に、あらためて正しい読み方を覚えておきましょうね。
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参考文献/日本語倶楽部〔編〕『読めないと恥ずかしい漢字 完全制覇本』河出書房新社
文/大内千明 画像/Shutterstock(Eviart、Roman Samborskyi、Star Stock、fizkes、Roman Samborskyi)、PIXTA(ピクスタ)(tama)