自分では読み方を知っているつもりでも、実は間違った読み方をしていた……なんてことは、意外と少なくないもの。特に間違った読み方が広く知られている漢字の場合、自分でも間違ったまま覚えてしまっているかもしれません。
この記事では、そんな誤読の多い“間違えがちな漢字”をご紹介します。
1.「忌諱」
「嫌い避けること」を「忌諱」と言います。
パソコンやスマートフォンによっては「きい」で漢字変換されることがあり、実際に「きい」と読まれることが少なくありません。ですが本来、「きい」という読み方は誤りです。
では、何と読むのが正解なのでしょうか。「忌諱」の正しい読み方は……
「きき」です。「きい」という読み方が広く定着しているため、「きい」と読んだ方が相手に伝わりやすい場合もあるかもしれません。しかし、正しい読み方もきちんと覚えておきましょう。
2.「直截」
一目見て、思わず「ちょくさい」と読んでしまいがちな「直截」。「載」と「截」の形が似ていることから、間違いやすいのかもしれませんが、この二つはまったく異なる漢字です。
ちなみに「直截」とは「きっぱりしていること」を意味します。よく「直截な表現」などと用いられていますが、その正しい読み方は……
「ちょくせつ」です。「ちょくさい」はいわゆる「直截」の慣用読みで、「ちょくさい」と読んでも言葉としては通じるかもしれません。
とはいえ本来誤った読み方であり、正しくは「ちょくせつ」ですので、正しい読み方をきちんと覚えておくようにしましょう。
3.「巨細」
「巨細」とは「大きなことと小さなこと」、また「細かく詳しいこと」を意味する言葉です。たとえば「プロジェクトの進捗状況を巨細に報告する」といったように使われます。
そんな「巨細」の正しい読み方は……
「こさい」です。「きょさい」という読み方もありますが、あまり一般的ではないとされているため「こさい」と覚えておくのが良いでしょう。
4.「一献」
「一杯のお酒」のことを「一献」と言います。たとえば飲み会に遅れて来た人などは「まずは一献」と、お酒を勧められるものですが……。
言葉として聞いたことはあっても、漢字だとあまりなじみがないかもしれませんね。そんな「一献」の正しい読み方は……
「いっこん」です。
「献身(けんしん)」「献血(けんけつ)」といった言葉のイメージから、つい「いっけん」と読んでしまわないよう気を付けましょう。
5.「異形」
「異形」とは、漢字のとおり「普通とは違った姿形」という意味を表す言葉です。
「異形」の読み方で気を付けたいのが「形」です。よく「いけい」と読み間違えがちですが、正しくは……
「いぎょう」と読みます。ちなみに「形相(ぎょうそう)」も、「異形」のように「形」を「ぎょう」と読む言葉です。
6.「愛猫」
「山猫(やまねこ)」「野良猫(のらねこ)」など「猫」を「ねこ」と読むことから、つい「あいねこ」と読んでしまう人もいるでしょう。
しかし「愛猫」と表記される場合は、「猫」の読み方が異なります。「愛猫」の正しい読み方は……
「あいびょう」です。「うちの猫が~」と言うのも良いですが、「最近、我が家の愛猫が~」と言うと、より知的な印象を与えられることでしょう。
あなたはいくつ正しく読めたでしょうか? 実は自分の知っている読み方が誤りだった……なんて漢字もあったかもしれません。
広く知られている読み方であっても、本来の読み方とは異なるケースは少なくありません。ぜひこの機会に、正しい読み方を覚えておきましょうね。
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参考文献/日本語倶楽部〔編〕『読めないと恥ずかしい漢字 完全制覇本』河出書房新社
文/大内千明 画像/Shutterstock(Roman Samborskyi、pathdoc、ra2studio、rainbow rays、ArtFamily、PHOTOCREO Michal Bednarek)
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