結婚を機に女性はキャリアを諦めて、夫について行く…そんな考え方に変わる、仕事もプライベートも犠牲にしない夫婦のカタチ。それぞれの場所で暮らしながら結婚生活を送ることを選んだカップルに話を聞きました。
キャリアに集中するため遠距離でも結婚しました
右・大澤江莉さん(33歳・医師)
現在は子供もいて同居していますが一緒に住み始めたのは結婚が決まってから3年後でした。彼と出会ったのは6年制の医学部を卒業後、研修医になりたての時。研修医期間は2年、その後は特定の科の医師として病院に入局するのですが、一人前になるためには入局後1〜2年の地方病院や系列病院への出向、5年目以降に専門医資格の取得が必要です。
プロポーズされたのは彼が起業準備中、私は入局と出向を控えていたタイミング。お互いキャリアの転機真っ只中での出来事に正直驚きました。それでも結婚したいと思える相手でしたし、目の前のキャリアに集中するためにも先に結婚しようという彼の考えにも納得し婚約しました。幸い私の出向先は八王子。そう遠くはなかったものの、仕事を優先し彼とは離れ病院の近くに住むことに。
振り返ってみて、遠距離での結婚生活を選んで本当に良かったです。コロナ禍で病院に篭り切りの生活。もし結婚していなかったら恋愛の余裕はないからと別れていたかもしれないし、一緒に住んでいたらきっと愚痴ばかりこぼしてしまったと思います。離れた場所で頑張っていると知っていたからこそ辛い時期を乗り越えられました。
まだまだ結婚=同居という考え方がメジャーかもしれませんが、もっと多様な結婚生活の形が広がればいいなと思います。両親や周りからは驚かれることもありましたが、私たちは家庭のためにキャリアを犠牲にするよりも、したいことをするほうがお互いにリスペクトを持って生活できました。
今は出向も終えて専門医の資格も取り一段落、子育てもあり仕事をセーブしていますが、落ち着いたらまた元のように働きたくなるかもしれません。その時にお互いのために最適な手段が遠距離結婚生活なら、私たちはきっとまた同じ選択をとると思います。(江莉さん)
パートナー(40歳・自営業)
お互い仕事人間な2人にとって、キャリアの目標は尽きないもの。仕事が落ち着くのを待っていてはタイミングを逃してしまう。そう考えて、先に結婚することを決意しました。(夫)
\2人の結婚生活をのぞき見/
医師を志したのは両親の影響。医師として一人前になるまではキャリア一筋で頑張りたい!と昔から決めていました。多忙でしたが超朝型の彼と一緒に暮らし始めて私も健康的な生活スタイルになりました。
新婚旅行で行ったイタリアでの写真たち。遠距離生活中唯一のルールは仕事で急に会えなくなった時、相手を責めないこと。自分の機嫌は自分で取る!
今回紹介した遠距離婚カップルは...
大澤江莉さん♡パートナー
2016年にお互いの友人を通じて知り合った2人は意気投合、出会って1カ月で交際をスタート。そこから別居のまま2年後に婚約、翌年入籍。江莉さんのキャリアが落ち着いた2021年4月から同居を開始。現在は1歳のお子さんと3人暮らし。
撮影/西原秀岳(TENT) 取材/飯室紗季 編集/小林麻衣子 再構成/Bravoworks,Inc.