昨年いっぱいで日本テレビを退社した笹崎里菜さんは、CLASSY.世代の一人。“女子アナ”という鎧を脱ぎ、会社員を辞めるという決断をした彼女が、今考えていることとは? そこに至るまでの経緯から、現在の率直な心境までを語ってもらいました。常に自分が納得できる答えを探し続け、人生を切り開いていく。そんな笹崎さんが見据える、未来の自分。前編。
笹崎里菜さん
1992年4月16日生まれ(31歳)、神奈川県出身。2015年日本テレビにアナウンサーとして入社。「バゲット」「Going! Sports&News」といった人気番組、スポーツ中継などを担当。2017年よりラグビー班に所属し、2019年/2023年ラグビーワールドカップに携わる。昨年末に同局を退社し、公私ともに新たな一歩を踏み出す。
日本テレビ生活を振り返って…やっと「自分を褒めてあげよう」思えるようになった
Q.女子アナ時代を振り返って、改めて今どんなことを思いますか?
「振り返ってみるとすごく楽しくて、本当に恵まれた会社員人生だったなと思います。退社することを周囲に伝える過程で、やっと今までの自分を振り返ることができました。たくさん助けてもらっていたんだな、人に恵まれていたんだなと。突っ走っていた20代は目の前のことしか考えていなくて、将来のことを考える余裕もなかったので。退社挨拶をしていく中で、会う人会う人に“よく頑張ったね”と言ってもらえて、“あっ、自分ってちゃんとやれていたのかも”、“頑張れていたのかも”と思うことができました。今まで自分のことを褒めたことはなかったけれど、初めて自分を褒めてあげようという気持ちになれました」
Q.会社を辞める決断に至った経緯は?
「人生設計は早いうちからぼんやりと考えていました。会社で出世したいタイプではなく、自分がやりたいことや、必要とされる場所に行きたい気持ちが強かったです。ターニングポイントは、2019年のラグビーワールドカップ。やりたかった大きな仕事が終わって、自分なりにできることをやり切った感もあり、少し燃え尽き症候群になったんです。“次に同じくらいやりたい仕事ってあるかな?”“ここで出合えるかな?”って。そこから“アナウンサー人生をどうしよう”“会社員人生をどうしよう”、そしてもっと大きく“人生そのものをどうしていこう…”と考えるようになりました。でもどんな決断をするにしても、すべては自分の気持ち次第。自分が納得できるか、できないか。やり残したことがあるか、ないか。後悔するか、しないか。コロナ禍もあってしっかり考え抜く時間ができて、自分なりに“次に行こう!”と決断できたのが今でした」
選択肢が広がった今“やってみたいこと”は…
Q.これから先、どんなことをやってみたい?
「会社から外に出て、せっかく選択肢が広がるので、自分がやってみたいことは何でも挑戦してみたい! 今はアナウンサー、そして会社員としての考えと経験しかないので、もっと違う考え方に触れてみたい。なので今は“これが絶対にやりたい”というものは明確にはなく、これから見つけられたらいいなと思っています。大好きなラグビー関連のお仕事は続けられたらうれしいです!」
Q.今後アナウンサーの仕事は?
「アナウンサーとして、今後ニュースを読むことはないかもしれません。アナウンサーのお仕事はひと通りやらせてもらったかなという気持ちがあります。ニュースを読むのは、いったん日本テレビで卒業かなと。ただ話すことは好きですし、これからも言葉は大切にしていきたい。司会業やラジオのお仕事は挑戦してみたいです」
「仕事だから努力をして当たり前」笹崎さん流のストイックなお仕事観
Q.仕事をする上でのポリシーは?
「自分では無意識だったのですが、まわりから“努力する姿を見せないよね”と言われたことがあって。仕事だから努力をして当たり前だし、それを見せる必要はないなと思っていたんです。それもあって今まで自分を褒めることがなかったのですが、これからは“よし、今日は頑張った”と自分を認めてあげたいです」
Q.退社のタイミングで、何か自分へのご褒美は?
「実はご褒美に何かを買うことって、ボーナスが入ってもしたことがないんです。もともと物欲があまりなくて…(笑)。その分、海外に行きたいタイプです。コロナ禍以前は、年1回の休みに海外に行くのがリフレッシュかつご褒美でした。今回は12月にヨーロッパ旅行に行きました! 久しぶりに旅行することができて、やっぱり海外にもっと行きたいなと実感!」
アナウンサーではない“新しい自分”を見つけていきたい!
Q.同世代のCLASSY.読者にメッセージを!
「“よく退社の決断をしたね”と言われたりもしますが、突然ではなく、じっくり自分と向き合って決めたこと。たしかに安定を手放すのは勇気もいるし、手続きの多さに絶望したり、これを全部会社がやってくれていたんだと気付けたり。もちろん過去を振り返ることも大事だけれど、過去は悔やんでも仕方ないので! 私は今と未来を考えたい。過去を後悔しないためには、未来を自分がどう生きるか次第だと思っています。 これから私はアナウンサーではない“新しい自分”を見つけるために、自分の体を使って表現していきたいです。同世代の生き方の一つとして、少しでもお役に立てたらうれしいです」
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退社を決断した理由や、これから目指していきたい未来…等身大の言葉で、ひとつひとつ丁寧に話してくれた笹崎さん。インタビュー後編では、ワークライフバランスや休日の過ごし方、悩みへの向き合い方など、よりパーソナルな面に迫ります! 次回更新は1月28日予定。お楽しみに。
【衣装詳細】
シャツ¥45,100〈フランク&アイリーン〉デニムパンツ※日本別注¥42,900〈マザー〉(ともにサザビーリーグ tel.03-5412-1937)タンクトップ¥14,300(ダブルスタンダードクロージング/フィルム tel.03-5413-4141)ローファー¥127,600(トッズ/トッズ・ジャパン tel.0120-102-578)ピアス¥214,500(マリハ tel.03-6459-2572)ネックレス¥13,200リング¥14,300(ともにイン ムード/フォーティーン ショールーム tel.03-5772-1304)手首に巻いたスカーフ¥10,450(モンキジ/ロンハーマン tel.0120-008-752)
【STAFF】
撮影/峠 雄三 ヘアメーク/KIKKU(Chrysanthemum) スタイリング/平沼洋美 取材・文/広田香奈 構成/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)