元宝塚トップスター・凰稀かなめさんが出演するミュージカル『ロジャース/ハート』が9月末より上演! 歌あり、ダンスあり、タップありのブロードウェイ・ミュージカル作品に向けての意気込みなど、インタビューを2回に分けてお届けします。
――今作、『ロジャース/ハート』のオファーが来たときの気持ちを教えてください。
久しぶりのミュージカルにドキドキしました! 自分のコンサートやライブではちょこちょこ歌ったり踊ったりしていますが、最近はストレートプレイをメインにやっているんです。本格的なミュージカルは5年振りくらいなので、身が引き締まりました!
――宝塚ご出身なので歌って踊るのはお手の物かと思っていました!
退団して8年経っていますから、歌って踊るのは大変です(笑)。それに今回のミュージカルは曲数が39曲と多く、出演者は12人ですがほぼ全編舞台に出ているので。ずっと歌って踊っていると思います。今から「大変な舞台になりそうだぞ」という確信があります(笑)。
――「昔の自分はよくやっていたな」と思われますか?
思います! 本当に思います(笑)。年齢とともに体力は落ちてきましたが、ミュージカルとなったらやるしかないですから!(笑) マスク着用は個人判断になりましたがお稽古中はマスクをしているので、一曲踊っただけでもう大変です(笑)。
――‘97年にマイアミの劇場で初演され、’18年には日本でも上演されている作品です。〝究極のソング&ダンスで綴るNYの粋とエンタテインメントのすべて!〟というキャッチコピーですが、どんな舞台になりそうですか?
歌と振りのお稽古が始まったばかりで、本読みはこれからです(※取材は8月)。なので、出演者の関係性がどう表現されていくのかはこれからわかる感じですね。今わかっていることは、パワーのある舞台になることは確かなので、出演者の私達にもパワーが必要!ということでしょうか(笑)。
――共演者の方達の印象はいかがですか。
玉野和紀さんと林翔太くんとは過去に共演しています。壮一帆さんは宝塚の雪組時代にお世話になりましたし、音波みのりちゃんは星組時代で一緒でした。音くり寿ちゃんと吉田莉々加ちゃんは初共演ですが宝塚出身なので親近感があります。でも、他は初めてお会いする方達ばかりです。どんな雰囲気になるんでしょうね? 今は歌や振りの稽古で一緒にはいますが皆で作り上げているという段階ではないので、カンパニーの雰囲気はこれから決まってくるんだと思います。今は自分の音や振りを確認することに皆が必死です(笑)。
――壮一帆さんとはお話しはできましたか?
お稽古が始まる前日に「よろしくお願いします」と連絡させていただきました。歌稽古は隣どうしなので「女役の声って高いよね。出なくない?」「高すぎて、喉がびっくりしちゃいます」などと、元男役同士で話しています(笑)。音波みのりちゃんとは「久しぶり! よろしく!」と挨拶したくらいですね。今は全員が譜面とにらめっこしているので、早く皆さんとお話できるようになりたいです。
――音くり寿さんと吉田莉々加さんは退団して間もないので、共演の経験はなくても宝塚出身の先輩がいらっしゃるのは心強いでしょうね。
そう思ってくれていたら嬉しいです。私も宝塚出身の先輩だけでなく後輩がいると安心します。宝塚のOGはどんなに大変な舞台だとしても、初日までに仕上げる力がすごいんです。今回の舞台も強い責任感ともに仕上げてくるんだろうなと思っています。
――最後に舞台を楽しみにしているファンの皆さんへ一言お願いします。
感動できるストーリーをベースに、素晴らしい曲とエネルギッシュなダンスで構成されている作品です! こんなに歌って踊るミュージカルは他にはないのではないでしょうか。皆さまに楽しんでいただくために出演者みんなで頑張ります! 東京だけでなく金沢や大阪などの地方公演もありますので、是非観にいらしてください!
ブロードウェイ・ミュージカル『ロジャース/ハート』
作曲家リチャード・ロジャース、作詞家ロレンツ・ハートの半生を名曲とともに綴るブロードウェイ・ミュージカル。歌あり、ダンスあり、タップあり、大好評を博した日本版の再演が決定!【出演】林翔太 寺西拓人/凰稀かなめ/藤岡正明 中河内雅貴/音波みのり 音くり寿 吉田莉々加/壮一帆 玉野和紀 ほか【東京】9月30日(土)~10月18日(水)有楽町よみうりホール【金沢】10月24日(火)~25日(水)北國新聞 赤羽ホール【大阪】10月28日(土)松下IMPホール
凰稀かなめ
‘00年に宝塚歌劇団に86期として入団。雪組、星組、を経て’12年に宙組トップスターに就任。『風と共に去りぬ』のレット・バトラー、『ベルサイユのばら』のオスカル等を演じ、‘15年退団。退団後は、舞台はじめ映像などあらゆる分野で活躍。’24NHK大河ドラマ『光る君へ』に赤染衛門役で出演。
撮影/木村 敦 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)