【石川恋さん写真集発売】インタビュー「固まったイメージをどんどん壊したい」

—写真集『SIGNS』を作ることになったきっかけは？

19歳で芸能界に入って、29歳の昨年がデビュー10周年でした。30歳を迎える“節目”でもあったので、二つが重なる記念に何か残せたらいいなと思ったのがきっかけです。その手段を模索していくなか、フォトグラファーの富取正明さんが声をかけてくださいました。当時まだ一度しかお会いしたことがなかったのですが、今振り返ると富取さんとの出会いは“運命”のように感じています。私には名刺みたいなものがないので、この写真集を手に取ってくださる皆さんに「石川 恋はこういう人間なんだ」「これからの石川 恋はさらに強く生きていくんだ！」という決意を伝えるために、「この一冊を名刺代わりにしていこう」と熱い想いを富取さんが語ってくださりました。

—この一冊に込めた想いを教えてください。

写真集のテーマは「崩壊と再生」。私自身が決めました。自分の“節目”を意識したとき、今まで歩んできた軌跡を大切にしながらも、失敗や挑戦を恐れない自分でいたいと強く感じました。これまで女優として演技をさせていただくなかで、自分に与えてもらった役のイメージが固まってきているなと感じて。これからさらに“表現”を追い求めていきたい、新しい役に挑戦してみたい気持ちがあっても、需要と供給があるなかで叶わなかったり…。20代後半になって、少しもどかしい気持ちになることもありました。だからこそそういう固まったイメージをどんどん壊していきたかったんです！ コンプレックスや失敗をカバーするには、やっぱり前を向いて進んでいくしかない。崩壊したってまた新たに、よい方向に再生していけばいい。そんな想いから「崩壊と再生」というテーマが生まれました。

—海外のロケ地としてトルコを選んだ理由は？

ヨーロッパとアジアの間で、戦争で何度も崩壊と再生を繰り返して。そこから多様性を受け入れたのが、今のトルコという国。そうしたトルコのバックグラウンドが今回の写真集のテーマと合致した部分があったので、撮影場所に決めました。

—撮影期間、思い出に残っているエピソードは？

29歳から30歳にかけて、約１年間の制作期間でした。正直、撮影は全部大変で…！ 忘れもしない去年のクリスマスイブ。初日から雨のシーンで、今までの“私”を洗い流すイメージで撮影しました。北海道ではマイナス25℃だったし、トルコではほとんど寝る時間がなかったし、東京タワーでの撮影も大雨だったし（笑）。あとは写真と衣装のイメージなど、私を含めてスタッフみんなのやりたいことがなかなか定まらない日もありました。ただそんな危機的な状況も打破して、結果「よかったね」と振り返ることができて。みんなでよいものに変えてこられたことがすごく嬉しかったし、クリエイティブの楽しさを改めて実感しました。

—特にお気に入りのカットは？

ひぃ〜（笑）！ 本当に選べなくて、写真集のページ数が増えたくらいなんですよ（笑）。特に思い入れがあるのは、通常盤の表紙になった水着のカットです。朝、日の出とともに、表情からも希望を感じられて、これからの自分を見据えているような。ヘルシーな雰囲気の水着も好きです。あとはランジェリーのカットも好きです。あまり色っぽくなりすぎないように、余裕のある感じで撮りたかったので、体をバキバキに絞っていきました（笑）。当時CLASSY.の撮影に行くたびに「恋ちゃん、痩せたよね？」と驚かれましたね。

—同世代のCLASSY.読者にメッセージを！

CLASSY.世代は仕事でもプライベートでも、いろいろな変化が訪れる時期ですよね。たとえば、周りと“いる場所”が変わってきたなと感じたり。ただどんな場所にいたとしても、自分の足でしっかり立つことが私は大事だと思っています。周囲の声や世間の常識に囚われず、失敗を恐れないでやりたいことに挑戦していきたい。そんなメッセージをこの写真集に込めてつくったので、私が追い求めた“表現”を通して、CLASSY.読者の皆さんの背中を少しでも、人差し指一本でも押すことができたら嬉しいです！