「出世の打診を断る前に、まず知っておくべき3つのこと」働き方のプロに教えてもらいました

編集部では毎月、〝読者調査=略して読調〟としてCLASSY.世代の女性にお話を伺っています。まずはファッション中心にお話を聞くのですが、いつも行きつくのがキャリアのお悩み。転職する?昇進は?結婚出産のタイミングは?…そんなリアルなお悩みを3人の先生にぶつけてみました。

【お悩み】正直自信はないけれど、昇進の打診を受けたほうがいい?

新卒で広告関連企業に入社し、20代は寝る間を惜しんでがむしゃらに働きました。そして34歳になった今、新規事業の責任者としてのポジションを打診されています。これまでのプレイヤー視点だけでなく、管理力やマネジメント力など、新たなスキルが求められると思います。もちろん役職は素直に嬉しいですが、出世するとプレイヤーのときより年収が減る可能性もあります。仕事は好きですが、これ以上忙しくなって、やっていけるのか不安もあります。社内には出世している女性もいますが、ロールモデルになるかというと、そうでもありません。自信がないまま、昇進を受けるべきでしょうか?女性が出世する上で意識すべきことは、どんなことでしょうか?(34歳・広告関連勤務)

【山田 聖子先生がお答え】チャンスは何度もこないかも!?

「出世の打診を断る前に、まず知っておくべき3つのこと」働き方のプロに教えてもらいました

女性だから登用されたんじゃ…と思う人もいるけれど

CLASSY.世代のキャリアカウンセリングでは、実際に昇進に関する相談も多いです。自分の願いに気付いていなくて、「本当は挑戦したい、だけど……」という人がほとんど。この「だけど……」の裏に葛藤があるんですよね。その葛藤に向き合うと、本当は昇進したいけど怖いからプライベートを言い訳にしているのかもとか、不安だから「あんな管理職にはなりたくない」と思い込もうとしているのかもと、もう一段階深い部分に気付ける。この方も「ロールモデルがいない」とありますが、前任者と役職をイコールで考えなくていいと思います。ある役職の人が尊敬できなかったとしても、それはその人の問題。自分はそうならなければいい。いったん、本当に迷っているのは何が理由なのかを考えてみてほしいです。

もちろんその気付きを得て、打診を辞退する選択をしてもいいんです。スペシャリストとしてなりたい像がある場合は、無理に管理職になる必要もありません。全員が一律に昇進して管理職にならなければいけないということではないです。ただ、1ミリでもモヤッとするなら向き合ったほうがいい。モヤモヤしたまま受けたり、断ると後悔すると思います。昇進の機会ってそんなに頻繁に来るものじゃないですよね。個人の努力や能力もそうですが、そのときのまわりの環境やタイミングによるところも大きい。厳しいですが、来たチャンスを活かすも活かさないも自分次第です。

そして最近目立つのが、「女性だから、と声をかけられて不安なんです」という相談。たしかに、今の世の中の流れで女性であることがひとつの登用理由になっているかもしれないけれど、逆に言えばこれまでは「男性だから」と声をかけられていた人ばかりだったんです。声がかかるということは、かなり評価されている証しですよ。特に女性は、自己評価が低かったり、謙遜する人も多いですよね。本当はできると自覚していても、周りのしがらみを考えたときに、自分が一歩引いたほうが波風が立たない、なんて経験も多々してきたと思います。だからとりあえず、謙遜することがクセになっている人も多い。かくいう私も、地方出身で昭和時代の名残が強い男性中心社会で育ったこともあり、新卒時からずっと「自己評価が低い」と言われ続けてきました…(苦笑)。ですが、癖で「私なんて…」とマインドセットしてしまうのは、本当にもったいない。昇進の話が来た時点で自信を持ってほしいし、可能性を発揮できるフィールドが来たと捉えてほしい。

それから相談者の方のように迷うということは、管理職に何かしらの魅力を感じている証拠。まずは、迷う理由に向き合い、自分の願いに気付くことが大事です。私の周りには、20、30代で管理職を打診されながら、結婚や家族との時間を理由に辞退した人もいます。そうすると、挑戦したい気持ちをいつまでも引きずるんですよね。しかも自分が断ったことで、下の世代が昇進していくから、「私だったらこうするのに」というフラストレーションも溜まる。管理職というのはあくまで手段のひとつに過ぎません。

日本社会がこれまで作ってきた“女性はこうあらねばならぬ”という思想に縛られず、自分は何を目指して、どういう組織にしたいのかを考え、選択してほしいです。

山田 聖子先生からのアドバイス

迷いに向き合い自分の願いに気付くことも大切!

1.プレイヤーから管理職は、部署異動と同じ
2.出世することで実はラクになることもある
3.謙遜がクセになっていないか考えよう

教えてくれたのは…

山田聖子/1984年生まれ。管

山田聖子/1984年生まれ。管理職カウンセラー・コーチ。大妻女子大学在学中に経験したアップルの販売アルバイトをきっかけに、新卒でアップルジャパンに入社。その後ソフトバンク、リクルートへ転職。2020年に人材事業を展開するHitoiroを設立。管理職の社外メンターサービス「Good Team」運営。

女性のキャリアに興味を持ちキャリアカウンセリングを学び始めた30代
アップルジャパンの後、リクルートでゼクシィに携わり、女性のキャリアに興味を抱き、コーチング、キャリアカウンセラー、心理カウンセラーの資格を取得。

撮影/杉本大希 取材/坂本結香 再構成/Bravoworks.Inc

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表紙モデル:山本美月

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