ジレのセットアップにロエベのバッグで、私服もとても素敵だった坊垣さん。お会いする前はバリバリの経営者、というイメージでしたが、「そのバッグ素敵ですね」と聞くと「アウトレットで見つけたんですよ!」と教えてくれるチャーミングな一面も。自分の本当にしたい仕事を見つけるヒントを、教えてもらいました。
自分も周りも幸せにするウェルビー女子な生き方、教えてもらいました
“経験を積んだ30代だからこそ、やりたいことの選択肢が見つかるはず”
【Makuake取締役】坊垣佳奈さん
とにかくがむしゃらだった20代を経て、自分の気持ちに気がつきました
新卒でサイバーエージェントに入社し、1年目からインターネット関連の子会社や事業の立ち上げを経験。当然未経験で知識もなく、訳も分からないまま経理や営業、カスタマーサポート対応やアルバイトの採用、管理などあらゆる業務をこなして、経営に必要なイロハを学びました。将来やりたいことが見つかったときに、できる自分でいるために成長したかったし、期待にも応えたくて…20代は寝る間を惜しんで、とにかくがむしゃらに働きました。
そんな中、仕事観に変化が出てきたのは20代後半。仕事自体は楽しいし、やりがいもあるけれど、どこか納得していない違和感があって。当時の業務が自分にしかできないこと、自分がやるべきことだと100%思えていなかったんですよね。せっかく仕事に時間を費やして、短い人生の中で何かをやり遂げるなら、自分が想いを寄せられる事業がしたい、という気持ちが高まっていました。
前に進むことより、世の中を良くすることを仕事にしたい
自分の中にある違和感を紐解いて辿り着いた結論は、世の中を良くするビジネスがしたい、ということ。入社以来、経営に携わり、事業の発展や拡大を目指し、前に進めることに重きを置いてきたけれど、それが本当に世の中を良くしているか。私はよく〝資本主義がいきすぎている〞という表現をしますが、多くの人の意識が富や権威に向き、負の部分を見過ごしている状況に居心地の悪さを感じるようになっていて。核兵器が最たるものだと思いますが、技術や効率を突き詰めているうちに、恐ろしいものを生み出してしまうことってあるんじゃないかなと。世の中をただ前に進めるんじゃなくて、良くしていると自信を持って言えるビジネスができたらいいな、と考え始めていました。
そういう感覚は当時の上司にも伝わっていて、ちょうどその頃、サイバーエージェントの新規事業として立ち上がったマクアケの共同創業者として参画することになったんです。世界のクラウドファンディング事業を調べて試行錯誤しながら、日本の産業支援、ものづくり支援に繋がる仕組みを第一に考え、ちょうど30歳でサービスをスタートさせました。サービス向上のために私自身も全国各地の産業を直接見たり、日本酒の勉強をしに酒蔵を訪れることもあり、日本の気候や風土に紐づいた産業が大事に受け継がれていくことの価値を肌で感じています。長い間技術を磨いてきた方、産業や文化を守り続けてきた方、後継者の方の想いに触れる機会が多いのも、Makuakeに信念をもって向き合えている原動力のひとつですね。
PROFILE
1983年生まれ。兵庫県出身。同志社大学を卒業後、株式会社サイバーエージェントに新卒入社。広告、ゲーム領域で子会社の起業や新規事業の立ち上げに携わる。2013年、株式会社マクアケに共同創業者・取締役として参画。現在は、主にキュレーター部門、広報、流通販路連携関連の責任者として応援購入サービス「Makuake」の事業拡大に従事。自治体と連携した地方創生にも尽力。著書に『Makuake式「売れる」の新法則』(日本経済新聞出版)がある。
撮影/杉本大希 ヘアメーク/川村友子 スタイリング/平沼洋美 取材/坂本結香 再構成/Bravoworks.Inc
Magazine
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