29年ぶりに復活!!「男闘呼組」再結成ライブレポート【辛酸なめ子の「おうちで楽しむ」イケメン2022 vol.40】

約5年という短い活動期間ながら、『DAY BREAK』『TIME ZONE』などの大ヒット曲を残した伝説のグループ「男闘呼組」。個々に俳優として、また新たなバンドなどで活動していた4人が29年ぶりに集結、期間限定で再始動を開始したことはSNSなどでも大きな話題に。ジャニーズの名だたる後輩たちも足を運んだ復活ライブの模様を辛酸さんにレポートしていただきました。

中学時代、雲の上のアイドルだった4人が目の前に…

中学生時代、雲の上の存在だった

中学生時代、雲の上の存在だった4人が数十年の時を経て同じ空間に存在している……。そんな感慨に浸ったのは私だけではなかったと思います。1988年にデビューし、ヒット曲を連発したあと1993年に活動休止した男闘呼組。なんとこのたび29年ぶりに再結成し、有明ガーデンシアターで昼夜2公演の復活ライブを2日間開催。ジャニーズJr.ならまだしも、アラフィフで一日2回も公演?  同世代として心配になりつつ、ファンとして満を持して観賞させていただきました。今回はプライベートで同じ中高のくじ運が良い友人が当選したため、同行することができました(私自身は落選)。7月に男闘呼組が「音楽の日」に出演したときはツイッターのトレンドにもなっていたので、かなり注目されて倍率も高かったことが推測されます。
有明ガーデンシアターに近づくと、たくさんのファンが集まっていました。同世代からちょっと上くらいが多い印象ですが、マスク生活のおかげで年齢感があまり出ていなくて皆若く見えます。黒い特攻服風の上着に「男闘呼組」と刺繍が入った衣装の女性がいたり、ツアーグッズのTシャツ姿のファンも多数いたりで、ファンの熱い思いが伝わってきます。グッズ売り場にはタオルやトートバッグ、Tシャツなどが並んでいましたが、白と黒二色のTシャツのデザインが絶妙に可愛いです。ロゴ入りや4人を表すシンボルマーク入りなど、ふだんもジムなどに行くときに使えそうで大人女子の心をつかんでいます。SNSでも話題になっていましたが、会場前には中居正広から贈られた大きな花が。初日には木村拓哉や生田斗真、2日目には櫻井翔も来場したと報じられました。女性ファンの中にときどき一般の男性ファンも混じっています。

仲の良さが伝わるオープニングから早くも胸熱

ライブが開演し、まずモニターに映し出されたのは4人が次々と集結していく映像。握手したりする姿から仲の良さが伝わってきて、円満な復活に胸が熱くなります。そして実際の4人が登場すると拍手と歓声が起こり、ほとんどの観客がスタンディング。同世代の男闘呼組が一日2回も公演しているのなら、こちらも立ちっぱなしで全身で音を受け止めたいです。4人は衣装もそれぞれ個性的で、チェックのスカートをパンツに重ねた難易度高いコーディネイトの岡本健一(サイドギター)、麻生太郎風ファッションに貫祿漂う高橋和也(ベース)、イギリス国旗ファッションでアンニュイオーラを漂わせている成田昭次(リードギター)、ブルーのシャツがさわやかな前田耕陽(キーボード)といった布陣で、若手のサポートメンバーがドラムとキーボードで盛り上げます。ちなみにドラムの青山氏のお父さんも、かつて男闘呼組のレコーディングにドラマーとして参加していたとか。親子2代でDNAに曲が刻まれているかのようなスティックさばきでした。
「おーーい!  29年ぶりに帰ってきました!  We are 男闘呼組!」という高橋和也のMCに盛り上がる会場。「男闘呼組ついに再始動です!  会えて嬉しいよ!!」早くもテンションMAXの高橋和也に落ち着くようにジェスチャーで示し、タオルで汗をふく優しい岡本健一。ちなみに後で言ってましたが、「昔は絶対こんなことしてくれなかった」そうです。手を合わせる成田昭次の姿には、積年のいろいろな思いが込められているようでした。「楽しんでいってくれよ、All right!」と常にポジティブな高橋和也には、6人のお子さんがいる父親の度量も感じます。そして岡本健一とえば息子は「Hey! Say! JUMP」の元メンバー、岡本圭人。昔と変わらぬルックスから、イケメンDNAやイケメンミトコンドリアがほとばしっているようです。

男闘呼組なら「お前」呼ばわりされたくなる

ライブ中に、改めてときめきを感じる場面が何度も訪れました。ギターやベースが向かい合って演奏したり、時にはギター同士向かい合ったり背中合わせになるなど、イケメン同士の息の合ったパフォーマンスにドキドキさせられます。そしてロックにみなぎる男らしさにも感じ入りました。多くの歌詞は「俺」「お前」といった表現で語尾が「ぜ」だったり、まさに男の中の男です。巷の男性に「お前」呼ばわりされたら苛立ってしまいそうですが……男闘呼組に呼ばれたら女性ホルモン分泌しまくりです。数十年を経て、歌唱力や演奏力が高まっていたのにも感動しました。男闘呼組といえばかつては演奏していない疑惑もあったそうですが、そんなデマを広めた人は反省せずにはいられない程のテクニックと指使い。しかも楽曲は100曲以上あるそうで、真のレジェンドロックバンドです。ライブでは『DAY BREAK』『TIME ZONE』などのヒット曲も披露。歌詞の通り、29年を経て彼らが迎えにきてくれたかのようで感動がこみ上げました。アンコールで演奏した『インディアンの丘で』も渋くておしゃれで、また新曲を出してほしいと思わされました。

MCでもスターの品格を感じさせてくれた4人

MCではトップスターだった男たちの品格を守っていて、自虐トークにならなかったのもファン的には嬉しかったです。往年のスターのコンサートに行ったら、MCで「お金がない」とか「ファストフードばかり食べてる」といったトークを聞いてうら寂しい気持ちになったことがありました。でも男闘呼組は「今のほうが人気あるんだってさ、俺ら」「50代でガンガンロックしてて最高だと思わない?」「俺たちとともに長生きしましょう」と、だいたいポジティブなトークでした。「こうやって俺たちが集まれたのはみんなのおかげ」「こんなにファンの人たちが待っててくれたって本当に奇跡」とそれぞれ感謝を述べ、寡黙だった成田昭次が「愛してます!」と叫び、その言葉の重みを受け止めさせていただきました。
29年間、お互い人生いろいろあって「恋」ではなく「愛」を実感できる年頃になったからこそ、心に沁みるメッセージ。期間限定の活動の間に、様々なメディアで男闘呼組ホルモンを注入してもらいたいです。

辛酸なめ子

イケメンや海外セレブから政治ネタ、スピリチュアル系まで、幅広いジャンルについてのユニークな批評とイラストが支持を集め、著書も多数。近著は「辛酸なめ子の世界恋愛文学全集」(祥伝社文庫)、「女子校礼賛」(中公新書ラクレ)、「電車のおじさん」(小学館)、「新・人間関係のルール」(光文社新書)など。

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