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坂本昌行主演『THE BOY FROM OZ』ゲネプロ取材レポート|辛酸なめ子の「おうちで楽しむ」イケメン2022 vol.36

ミュージカル俳優としても評価の高い元V6の坂本昌行さん。中でも『THE BOY FROM OZ』のピーター・アレン役は今回で4度目の再演となり、まさに当たり役。コロナ禍による2年の延期を経て幕を開けた待望のステージ、そのゲネプロ取材会の模様を辛酸さんにレポートしていただきました。

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主演の坂本昌行を筆頭にゆるぎない安定感のキャスト陣

東急シアターオーブで開幕した名
撮影/阿部章仁

東急シアターオーブで開幕した名作ミュージカル『THE BOY FROM OZ』。元V6の坂本昌行が主演で過去にも’05年、’06年、’08年に上演され、今回は14年ぶりの再演になります。一昨年はコロナの影響で公演がなくなってしまいましたが、満を辞して復活。充電期間がさらに出演者の熱量とスキルをアップグレードしています。
1970~80年代にアメリカで活躍したオーストラリア出身のエンターテイナー、ピーター・アレンの人生ドラマを描いた本作はブロードウェイでも上演されました。ピーター・アレンが生み出した名曲と共に送るミュージカルです。これまでも数多くのミュージカルに出演している坂本昌行や、関西ジャニーズJr.内ユニット・Aぇ! groupのメンバーで歌唱力や音域の広さに定評がある末澤誠也、宝塚歌劇団出身の紫吹淳と鳳蘭、そして宮川浩、今陽子といった才能ある方々がキャスティングされていて、観る前からゆるぎない安心感が。

ミュージカル俳優・坂本昌行の魅力を再発見

幕が開き、まずピーター・アレンの少年時代役を演じる子役の芸達者ぶりに驚かされました。タップダンスに歌……かなりかわいくてレベルが高いですが、ここで驚いている場合ではありませんでした。少年から段階的に成長していき、ついに坂本昌行演じるピーター・アレンが登場。ナビゲート役も本人がつとめていて、舞台袖に入ってから2秒後にまた出てきたりとほぼずっと出演しているような状態ですが、まったく疲れを感じさせない50歳に希望の光を感じます。V6のメンバーとしてしか知らなかった不勉強な私は、この舞台でさわやかさと大人の包容力がみなぎる坂本昌行の歌声の魅力を再発見することになりました。また、比較的舞台のセットがシンプルだったのですが、それが功を奏して出演者の歌声により没入できた感が。
ピーター・アレンについても今回初めて知りましたが、彼が関わった人たちは誰もが知る世界的な大スターでした。まず、なかなか芽が出なかった彼をニューヨークのエンターテインメント業界に導いたのが、鳳蘭演じるジュディ・ガーランド。『オズの魔法使い』で大ブレイクした女優です。清純なイメージでしたが、実際は激しい性格で波乱の人生だったようで……。この舞台での「オーストラリア? あんなのカンガルーのケツの穴に突っ込めっていうの」という台詞にも、人格の一端が伺い知れます。まず、ジュディの懐に転がり込んで仲良くなったピーターは、娘のライザ・ミネリ(紫吹淳)と出会います。「大きい目ってきれいだな」とライザを口説き、スカーフを引っ張って引き寄せるピーター。2人はお互い惹かれ合い、付き合うことになりました。時々ジュディとライザの板挟みになりながら、ピーターは自分の才能を生かす道を模索します。しかしジュディには「私の客を盗んだ」と責められたり、「ライザの夫」と呼ばれたりして自暴自棄になったピーターは、家でパーティを開いて風紀が乱れがちに。若い男性とイチャついているところをライザに目撃されてしまいます。

マイクロミニドレス姿が圧巻すぎる!紫吹・ライザ・淳

その後、ステージで歌うシーンのライザは膝上30㎝以上というか、スカート部分がほぼない超マイクロミニの真っ赤なスパンコールドレス姿。紫吹淳の脚線美に圧倒されます。それにしても短すぎて刺激が強いですが、坂本昌行演じるピーターが若いイケメンとイチャついているのを目撃したライザの心境をよく表しています。このくらい振り切った衣装でも着ないと正気が保てなかったのでしょう。観客側も日頃のもやもやした思いが祓われそうな暑気払いパフォーマンスでした(ゲネプロの休憩時間中、カメラマンのおじさんが「『ドリボ』のイメージがあったから、紫吹淳にびっくりしちゃって……」と話すのが聞こえてきました)。
ライザは自分の心が壊れる前に、まだ心に愛があるうちに、ピーターの元から去ることを決断。歌に彼女の思いがこもりまくっていて、観客も感情移入してしまう泣けるシーンです。後半、ピーターは末澤誠也演じるグレッグ・コンネルとより親密になっていきますが、ゲネプロの後の公開取材で実際に紫吹淳自身もそういう心境だったことを告白。「ピーターとグレッグが素敵すぎてグレそうです」(グレッグとかけていたのでしょうか?)「妬けちゃうくらいでした」と吐露していました。さらにジュディ役の鳳蘭まで「婿殿(ピーター)に恋をしてます」とさらっと告白。そして末澤誠也もグイグイ坂本昌行に近付いていったそうで……。リアルは舞台より複雑な人間関係のようです。濃密な関係を築いているからこそお互い高め合い、共鳴してすばらしい舞台を作っていけるのでしょう。

鳳蘭演じる「ジュディ先輩」についていきたい

劇中、鳳蘭演じるジュディ・ガー
撮影/阿部章仁

劇中、鳳蘭演じるジュディ・ガーランドの放つ格言も心に刺さりました。「野心ってのはオブラートに包んで」とか、男の上半身と下半身は別々というたとえで「上半身は火星、下半身は金星」という表現など。ジュディ先輩についていきたい!と思ったところで亡くなってしまうのが残念です。ジュディ・ガーランドは当時ゲイに絶大な支持を得ていて、1969年に亡くなったときはグリニッジ・ヴィレッジのゲイバーで、彼女の死を悼む人々と警察との衝突が発生。劇中でもこのことに触れていて、ゲイカルチャーの歴史も少し学べます。

カーテンコールの末澤誠也に魔法をかけられて…

舞台ではピーターとグレッグは、
撮影/阿部章仁

舞台ではピーターとグレッグは、愛を着実に育んでいました。ピーターの、下半身をフィーチャーしたセクシーダンスも見どころの一つ。グレッグ役の末澤誠也の歌声はフレッシュな魅力がありながら、安定感も漂っていました。2人はバックハグしたり、抱き合ったり、萌えシーンが連発。そしてついにはキスシーンも! このご時勢だからキスは実際にはしていないのかも?と思って、後でニュースサイトを凝視したらしっかり唇を重ねていました。年齢差も感じさせない美しいキスシーンです。50歳と27歳でも、ここまで違和感なく……と思うと勇気がわいてきます。他の俳優さんも素敵な年の重ね方をしていて、大人のための上質なエンターテインメントでした。
感動の余韻に浸りながらカーテンコールを観ていたら、幕が何度か上がって下がるうちに一瞬、末澤誠也が両手で手を振ってる笑顔がアイドルになっていて、またもや心を掴まれました。『THE BOY FROM OZ』に没入するうちに、今も続くオズの魔法にかけられたようです。

辛酸なめ子

イケメンや海外セレブから政治ネタ、スピリチュアル系まで、幅広いジャンルについてのユニークな批評とイラストが支持を集め、著書も多数。近著は「辛酸なめ子の世界恋愛文学全集」(祥伝社文庫)、「女子校礼賛」(中公新書ラクレ)、「電車のおじさん」(小学館)、「新・人間関係のルール」(光文社新書)など

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