7月クールのドラマ『家庭教師のトラコ』(日本テレビ系)にて、謎多き伝説の家庭教師トラコ(演・橋本愛さん)の世話を焼く福田福多役を演じる中村蒼さん。数々のドラマに出演し、キャリアを積み重ねてきた中村さんの“お仕事観”とは? 年齢を重ねて見えてきた、価値観の変化についてお話しいただきました。
30代に入り変わったのは…目の前の仕事に対する想像力
——今年31歳を迎えた中村さん。30代に入り、今まで比べて仕事との向き合い方に変化はありますか?
10代、20代の頃も、その時の自分なりに懸命に向き合ってきたつもりですが、最近また向き合い方が変わったなと思います。ひとつの作品が決まるのって大変だな、と改めて感じますね。大人になるにつれて視野が広がり、想像力も増したんでしょうね。仕事が決まるまでにマネージャーさんやスタッフの方がどんなふうに動いてくれたのか、そういう背景がより明確にわかるようになって、ひとつひとつの仕事にさらに責任を感じるようになりました。
中村さんが「自分を褒めたくなる」瞬間とは?
——仕事に対して広い視野を持てるようになったきっかけは何だったのですか?
何か特定の作品や出来事があったというよりは、普段からマネージャーさんとよく仕事について話をしているので、その中で気付いていった感じですね。あとはやっぱり歳を重ねれば重ねるほど、本当にこの仕事は実力の世界なんだなと感じています。年齢を重ねて、いろんな才能を持っている方と会う機会もさらに増えているからこそ、仕事がなければ、それは自分のせいだと思うようになりました。仕事があれば、もちろん自分だけの力ではないけれど、頑張ってきた結果だな、と自分で自分を褒める気持ちにもなります。
仕事以外の時間が、まわりまわって仕事の質を高めてくれる
——CLASSY.読者には、仕事において「自分らしさ」を模索している人が多くいます。中村さんの「自分らしい働き方」とはどんなスタイルですか?
欲を言うと…程よく休みがあるといいですよね(笑)。「この仕事だけ」と思って、常に仕事中心の考えや行動をしていると、やった気にはなるけど意外と頭に入っていなかったりするんですよね。たとえば、家族や趣味の時間を大切にして少し仕事から離れると、かえって仕事の効率が上がったりしませんか? そういう時間が仕事にプラスに作用することもあって。この仕事を始めたばかりの頃は、プライベートも仕事に役立つんじゃないかと思って、映画を観るのも仕事感覚だったりしたんですけど、今は逆に別のことに向き合う時間を持つ方が、仕事がより上手くいく気がしています。オンとオフのメリハリを付けることが自分らしい働き方に繋がるのかな。
——自分らしい働き方は、何歳くらいの頃から意識し始めましたか? できるようになったのはいつからですか?
30代になったくらいの頃ですね。なので、つい最近のことです。「自分にはこれしかない」って追い込んでしまうと気持ちもオープンマインドじゃなくなっちゃいますよね。周りを見ても、いろんなことに熱中している人の方が、そういうことが仕事にも活きてるなと感じることも増えて。そういうところから、徐々に自分の意識も変わってきました。
水曜ドラマ『家庭教師のトラコ』
日本テレビ系で22時放映中!
『家政婦のミタ』の脚本家・遊川和彦とプロデューサーの大平太のコンビが描く“個別指導式ヒューマンドラマ”。合格率100%を誇る謎の家庭教師・トラコ(橋本愛)が、「自分の子供を志望校に合格させたい!」という切実な願いと、親には言えない“深刻な問題”を抱えている3人の母親と3人の子供を救うため、勉強以外に生きていく上でとても大切なこと、“正しいお金の使い方”を教えていく。
【衣装詳細】
シャツ¥36,300 パンツ¥29,700(ともにイレーヴ tel.03-5467-7875)
撮影/杉本大希 スタイリング/秋山貴紀(A Inc.) 取材・文/坂本結香 構成/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)