【今井翼さん×塚本高史さん】“お芝居を通じて会話ができた”初共演の2人が作品に込めた思いとは?

7月8日より全国公開される映画「TELL ME 〜hideと見た景色〜」。本作の中で、伝説的ロックバンドX JAPANのギタリストかつソロアーティストとして、時代を超えて支持されるロックのカリスマ“hide”が遺した音楽を届けるために奮闘する主人公・松本裕士役を演じる今井翼さんと、hideの共同プロデューサーI.N.A.役を演じる塚本高史さんが、CLASSY.ONLINEに登場。作品の見どころや演技に向き合う姿勢、作品に込めた思いについてお話を伺いました。

初共演を終えて、今の心境はー“お芝居を通じて会話ができた”

―映画の制作を通じて、お互いの

―映画の制作を通じて、お互いの印象はいかがでしたか?

塚本さん:以前、プライベートでお会いしたことはあったんですけれど、共演は初。今回はお互いの役どころ的に、現場ではそんなに和気あいあいといったムードではなかったんですけれど、翼くんが役柄にストイックに挑んでいる姿を見て、常に身が引き締まる思いを感じていました。あえてお互いのテリトリーに踏み込まない空気感があったからこそ、役に没頭できたんじゃないかな。翼くん演じる裕士がどんどん落ちていって、僕が演じるI.N.A.も迷走していくような、繊細なシーンが多かったのですが、実際に二人で言葉を交わしてああしよう、こうしようというのは今回一切なかったんです。お芝居を通じて会話できたことがすごくうれしかったですし、印象に残っていますね。

今井さん:高史くんは、すごく存在感がありますね。今回、僕にとって裕士さんはとても繊細な役どころで、ト書きに書かれていることが頭では理解できても自分の中でどう咀嚼してどう発すればいいのか…、もがき苦しむ気持ちを搾り出したいという思いがあったんです。裕士にとっては(塚本さんが演じる)I.N.A.さんに数々のことをリードしてもらって形になっていくストーリーなんですけれど、高史くんがI.N.A.さんだったからこそ、自分自身の葛藤する思いをぶつけながら演じることができました。現場でも、僕はもちろん他のメンバーにとっても、高史くんの存在はとても大きかったと思います。

緊張感のある現場で生み出された映画、その仕上がりは?

―映画の制作中、印象に残った出

―映画の制作中、印象に残った出来事やハプニングはありましたか?

塚本さん:毎日限られた時間の中で集中して撮影していたので、苦戦することがなかったんですよ。現場に携わるすべての人たちが納得のいく毎日を過ごさせていただいていたな、と思います。

今井さん:今回はどちらかというと絞り出すように演じていたので、どうしても裕士さんを演じる中でなかなか気持ちを緩めることが難しかったかな…。ずっと緊張感があったというか。そんななかでも、個人的なエピソードとして印象に残っているのは、子どもの頃にいっしょに活動していた川野(直輝さん)と、今回二十何年ぶりに共演したということ。幼少期を共に過ごしていたからこその空気感があって、それを楽しめたのはすごく良かったです。

ファン必見! 「レアな写真がたくさん」な注目シーン

―今井さんは今作が映画初主演。

―今井さんは今作が映画初主演。いかがでしたか?

今井さん:ありがたいことですし、身の引き締まる思いでした。ただ、なんでしょうね…。お芝居って、どんな立場の役柄でも与えられたことを全うするものなので、主演だからどうっていうのはなかったんです。それ以上に、実在の人物である裕士さんを演じることに意思を持って務めなければ…、というある種の緊張感がありました。

―塚本さんは、ファンであるhideさんにまつわるストーリーでの重要な役どころを演じられました。いかがでしたか?

塚本さん:そうですね、今作は限りなくドキュメンタリーに近いというか、実際に起こったことを忠実に再現した映画だな、と思っていて。時には、僕が見てきたことや知っていることを出しながら、現場で一案として監督とディスカッションさせてもらったこともあります。

今井さん:今回、hideさん役を演じるJUONくんには、相当な覚悟が必要だったと思います。JUONくんが思うhideさんを丁寧に描く中で、この現場で誰よりもhideさんを愛している高史くんの存在は絶対に必要だったと感じています。hideさんだったらこういう感じじゃないかなっていうのを緻密に的確にアドバイスしてくれたんです。役者としてはもちろんなんですけれど、今作の芝居を作っていく中でかけがえのない役割を果たしていたなと。

塚本さん:ありがたいですね。ファン目線の話をすると、僕はそのシーンには登場していないんですけれど、翼くん演じる裕士がhideちゃんの遺影を選ぶシーンはぜひ注目してもらいたいです。今まであまり見たのことのないhideちゃんの写真をたくさんお借りしているんです。hideちゃんのいちファンである僕からしてみると、「こんな写真があったんだ!」と嬉しかったですね。

作品を通して“hideさんが遺したもの”を感じてほしい

―最後に、映画の見どころを教え

―最後に、映画の見どころを教えてください。

今井さん:それが一番、難しい質問なんですよね(笑)。人それぞれの感じ方があると思うので絶対的な見どころというのはないのかなと感じていて。個人的にはこの作品は、hideさんのチャーミングな部分やアーティストとしてのブレない考え方、音楽の魅力…、そういった大事なものを監督がものすごく丁寧に考えて、僕たちが丁寧に演じた作品になっていると思います。ファンの方はもちろんですけれど、なかなかhideさんの世界観と触れるご縁がなかった方にも、彼が遺した大切なものが何なのか、ぜひ映画館で感じてほしいですね。

塚本さん:翼くんが言うように、この映画を通してファンがどう感じるかは、賛否両論でいいと思いますね。この映画で初めてhideちゃんのことを知る方もいると思うので、音楽が大好きで、とてもファン思いで、周りから愛されていたhideというアーティストがいたことを知ってくれたらいいかな、と思います。

今井さん:あと、音楽業界にまつわる実話に基づいたストーリーということもあって、ライブシーンがかなり贅沢な内容になっています。音楽の魅力もぜひ、楽しんでほしいですね。

映画「TELL ME 〜hideと見た景色〜」
7月8日(金)全国ロードショー

1998年5月2日、日本を代表するロックミュージシャンhideが急逝。マネージャーを務めていた弟の松本裕士(ひろし)がhideの共同プロデューサーI.N.A.たちと共にhideが遺した音楽を世の中に届けるべく、様々な困難を乗り越えて奮闘する実話に基づいたストーリー。原作はhideの実弟・松本裕士著「兄弟 追憶のhide」(講談社文庫刊)、主人公の松本裕士役を今井翼さん、hideの共同プロデューサーI.N.A.役を塚本高史さんが演じている。劇中にはhideの愛用品や秘蔵映像が登場するほか、hide本人のヴォーカルが入ったライブ音源を使ったライブシーンも必見。

公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/tellme/

©2022「TELLME」製作委員会

[衣装詳細]
<今井さん>AKM
<塚本さん>シャツ¥26,400/Paul Smith(Paul Smith Limited tel.03-3478-5600)ジャケット¥46,200、スニーカー¥35,200/ともにATTACHMENT(Sakas PR tel.03-6447-2762)その他スタイリスト私物

撮影/村松巨規 ヘアメーク/中谷圭子〈AVGVST〉(今井さん)YASU(塚本さん) スタイリング/渡邊奈央〈Creative GUILD〉(今井さん)上井大輔(塚本さん) 取材・文/亀井友里子 構成/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)

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表紙モデル:山本美月

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