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【アヴちゃん×森山未來】10年ぶりの共演で感じた“お互いのすごさ”とは?【映画「犬王」公開記念】

5月28日より全国ロードショーを迎えるアニメーション映画「犬王」。物語の中心となり、世間を熱狂の渦に巻き込んでいく犬王役を演じたアヴちゃんと、犬王に寄り添いバディとして共に歩む友魚(ともな)役を演じた森山未來さん。10年以上前の出会いや、これまでの親交について教えてくれた前回に続き、今回は作品を通して育まれた2人の関係についてフィーチャー!

◆インタビュー前編はこちら

【アヴちゃん×森山未來】映画「犬王」公開記念スペシャルインタビュー!

演技と歌、それぞれの得意分野で引っ張り合った

-お互いへの信頼やリスペクトが

-お互いへの信頼やリスペクトが厚いお二人ですが、それぞれの役についてどんなふうに演じると想像していましたか? また、実際の映像を観て、どんなふうに感じたのでしょうか?

森山未來さん(以下、森山さん):僕は思った通りというか。大友さんだったり湯浅さんにがっつり食らいついて、きっとアヴちゃんは犬王そのものとして作品のなかに存在するだろうなって想像していたので。役柄的にも友魚は犬王のエネルギーに引っ張られていく存在ですが、裏側というかレコーディングスタジオでもそういうふうにして僕は引っ張っていってもらったし、チアリーダー、だよね?

アヴちゃん:GOGO! 森山フューチャー! GOGO!(笑)って言って、チアしてました。

森山さん:ブースに入るとそこでは一人なんですけど、ブースの窓越しにはディレクターがいたりスタッフが並んでるのが見えるんです。その真ん中にアヴちゃんがいますからね(笑)。基本的にアヴちゃんとのやりとりで歌は収録していました。

アヴちゃん:楽しかったよね、ラリーみたいなところもありましたし。友魚は思っていることはすごく多いんだけど、その感情をどこかに投げつけるような感じが多くはないなって。最初は朴訥としていた友魚が、犬王と出会って開いていって、物語の終盤にかけてすごいことになって。友魚の変化の感じとか、本当にすごいなって思ってました。陰と陽、静と動っていうと簡単なんですけど、私たちがいいグラデーションになっていて、並んだ時にお互いがいい色であったなって。犬王が「わっ!」と開いたときに、ただ一緒に開くんじゃなくて、お互いに守って、守りつつも生きていたところはすごいなって。かなり開いた演技を至近距離で練習の段階で浴びることができたので、「ここまでやっていいんだ、舞台くらい訴えて投げつけていいんだ」っていうのを教えてもらえた気がして。逆に歌の部分は私がすごく得意なので、歌の時は私が引っ張って、演技は私が引っ張られた、みたいな。

お互いの存在が良い作用を生むのは“リスペクト”があってこそ

-いい関係性ですね。 アヴちゃ

-いい関係性ですね。

アヴちゃん:うん。仲良しでよかった〜。

森山さん:もちろんリスペクトがなければそんなことにならないですからね。

アヴちゃん:そうだよね、リスペクトって先に言っとかないとね(笑)。

森山さん:僕自身も、アヴちゃんの影響は大きく受けましたね。芝居パートのピッチを確認していた時期って、音楽方面ははまだなにも決まってなくてアニメーションもかなりシンプルなものしかない、といった手探りの状態だったんですが、アヴちゃんの声ってすっごいクリアに音が乗るし、幼少期と青年期の声の使い分けもすごくて。アヴちゃんの声が七色なのは知ってはいたのですが、改めて素晴らしいと思いました。でも、僕はそれに乗っかってもだめだし、乗っかることもできないから、それを見ながら僕は友魚のトーンを作っていかないとなって思いました。

-本作にはアヴちゃんが作詞作曲を手掛けた曲も登場しますが、どのように作っていったのでしょうか?

アヴちゃん:ブースに入って、その時に犬王として思った言葉を歌った状態の曲もありましたね。

森山さん:あるト書きには、「口笛を吹きながらとぼとぼ歩いている」と書かれていただけのようなものもあった。

音楽を練って、言葉を紡ぐ。森山さんが感じたアヴちゃんの功績

アヴちゃん:メロディーは決まっ

アヴちゃん:メロディーは決まってたんですよ。監督からそれに乗せて歌ってって言われて、「ええ、やりまーす」って。アドリブみたいなシーンだから、アドリブみたいな感じで作っていきました。それ以外の作詞の部分は、監督と野木さんが話の展開をしっかり書いてくださっていたので、それをきちんと拾って、自分のなかで構築していく形でした。室町時代の平家の歌を書いたことはなかったので、言葉遣いみたいな小手先のことではなく、その時の情熱とか、音のハマった時のパキッとした気持ち良さみたいなものを意識しました。友魚が歌っている曲は作家さんが書いてくださったんです。最初はその部分も私がやる予定だったんですけど。

森山さん:そうだったんだ。

アヴちゃん:そう、一曲書いたの。でも、ストーリーテラーというか狂言回しとして言葉で情景を伝えるミュージカルってなったときに、私が作った曲はめちゃくちゃかっこいいけど説明という意味ではちょっとね、となった時に、自分が歌う設定じゃないんだったら、ぶん回せないかも、と思って。それで作家さんにお願いすることになったんだけど、いつもの感じだったら「できなかった、私」「友魚の気持ちになりきれなかった」ってうじうじしそうなところ、スパッと割り切れて。作家さんが犬王のストーリーを説明してくれるわけだから、代わりに私は説明じゃなくて、平家の魂たちをどうぶち上げて成仏していただくかってことにフォーカスできた。

森山さん:歌詞を乗せてる曲って、どこまで渡されてるの? いわゆるガイドのメロディーまではあるの?

アヴちゃん:あるけど、メロディーも結構変えた!

森山さん:変えてるんだ。そうやって自分で練ったことがアヴちゃんの偉大な功績だろうなと思います。ある種僕は、大友さんがいて、歌詞があって、ガイドメロディーがあって、そこにある程度忠実に乗せてたと思うんです。譜割も割と大きめで。でも、アヴちゃんのほうに入っていくと、細かくもなるし大きくもなるし、レンジが広くてダイナミックだから、その差はすごく出たかなって思います。

“周りも自分もハッピー”のために、2人が心がけていること

-お二人のやりとりを見ていると

-お二人のやりとりを見ていると、お互いへの尊敬や尊重を強く感じます。自分だけでなく、相手のこともしっかり考えていると感じたのですが、お二人が“周りも自分もハッピー”でいるために、心がけていることはありますか?

アヴちゃん:私でいうと、喜怒哀楽をちゃんと丁寧に伝えること。あと、辛い時にちゃんと手を挙げるっていうことかな。抱えちゃったりとか我慢しちゃったりすると、システムになってしまって、人間じゃなくなっちゃうんですよ。システムになっちゃうと、そのしんどい状態が当たり前になっちゃって。だから、きちんと辛い時には本当に近い人に自分のしている努力をわかってもらうってことは大事かな、って。周りに自分より辛いのに吐いていない人がいるのを見ると、弱音を吐いちゃう人が弱いのかなとか思っちゃうじゃないですか。でも実はその人も弱いところがあるってわかったら、急に近づけるような感じがする。本当に信頼できる人に弱さを見せるってことが、ウェルビーイングな生き方かなって思います。

-喜怒哀楽のうち、怒りって周りに見せるのが難しくないですか?

アヴちゃん:めっちゃ得意〜!

森山さん:あはははは。

アヴちゃん:まあまあ得意だよねやっぱ。それこそ音楽とかにも投影しやすいので、私たちは。怒りっていうのは機嫌が悪いとかそういうことではなくて「私は動かないよ」「私はこの意見を変えないよ」っていうのをはっきりと言うってことですね。あとは、〇〇だからとか、そういう冠で物を言わない。冠を全部どけて、喜怒哀楽、繊細さってところ、大胆さってところ、しっかり丁寧に見ていくってことを私は心がけているかもしれません。

-森山さんはどうですか?

森山さん:いやもう、僕はいいです(笑)。もうアヴちゃんがいいこと言ってくれてるから。

アヴちゃん:ははは! でも私、聞きたいことがあって。いつも仕事をするとき、カンパニーに入るっていうか、〇〇組みたいにチームを組んで、数ヶ月したら解散してっていうのを繰り返してるやんか。座長というか中核を担うことも多いじゃない? そういう時にチームを円滑にするウェルビーイングの秘訣を聞きたい。

森山さん:森山さん:確かに同じ劇団で30年以上やってるとかとはまた全然僕は違うというか、1個のプロダクションベースで、そこで座長というか主演の人になるときはなるし、作る側に回る時は回る。そういうときのコツは…まあ規模によるよね。でもどんな規模であっても結局コミュニケーションが大事とかそういう当たり前のことしか言えないけど…ポイントって何だろう。

アヴちゃん:誤解されるのをさ、よしとするのか否かっていうのが大事だと思うねん。今の時代って、バンドや俳優をやっていなくても、SNSがあるし、自分をどう見せるかっていう座長をやらなきゃだめなんだよね、みんなが。全員座長時代なの。で、思ったのと違う方向に進んでても、引っ込みがつかなくて、職業や立場を演じちゃっている人はいるのかも。

森山さん:なるほどね。僕自身もちろん自我みたいなものもすごくあるし、ある程度セルフプロデュースみたいなのも考えなくはないけど、基本的に自分自身に固執するっていうことが相対的になくなっている感じはあって。僕という存在がいて、見る人の角度によっては「モテキ」の人だし、ある人にとっては前に能の舞台に出てた人だし、全然人それぞれによって俺を見てるそのキャラクターというか接点が全然違うんだよね。それこそ女王蜂って言ったらバシっと決まってるでしょ、ある種ね。

アヴちゃん:うん。なるほど!

森山さん:だけど僕の場合、どんな接点を持ったかによって、僕という存在のあり方が全然違うっていうのをなんとなくわかっているので、自分の透明さみたいなものを感じる。いろいろなものを経て、人にとっての俺の人格が出来上がっているっていうのはすごく興味深くて。それで自分自身がなくなってしまうことはないんだけど、自分自身を周りにどうぶつけるかとか、まわりにどう思われるかを気にすることの根本的な意味って、どこにあるのかなと思うことはある。だから座長だとか、作り手だとか、どういうポジションにいても、結局はその時の関係性によってしか決まらないんですよね。だから、答えにならない(笑)。

アヴちゃん:(笑)。でも、今その話を聞いて思い出したことがあって。周りの友達と話してると、自分を意見や気持ちを殺してまで「〇〇さえよければ」って優先しちゃうものがあるんだなって思うことがあって。あとは、自分を大事にっていうと自分さえよければって最短ルートで解釈しちゃう人もいるじゃない? だから、周りを気にしなくていいし、自分もハッピーになんて思わなくてもいいかなって。周囲からの視線を気にしてしまうときもあるんだ私はって思いながら、気にしないようにちょっと頑張って努めるっていうことを、うちらからのセッションからの答えってしたいかな(笑)。


©2021 “INU-OH” Film Partners

映画『犬王』5月28日(土) 全国ロードショー

南北朝から室町期に活躍した能楽師・犬王の一生を描いた古川日出男氏の小説「平家物語 犬王の巻」が原作のミュージカルアニメ。漫画家の松本大洋氏がキャラクター原案、野木亜紀子氏が脚本を担当し、犬王役をバンド「女王蜂」ボーカルのアヴちゃん、犬王とバディを組む友魚(ともな)役を森山未來が務める。歴史に隠された実在の能楽師=ポップスター・犬王と友魚から生まれた、時を超えた友情の物語。

公式サイト: INUOH-anime.com
公式Twitter: @inuoh_anime

撮影/望月宏樹 ヘアメーク/木村ミカ(アヴちゃん分)須賀元子(森山さん分) スタイリング/アヴちゃん(アヴちゃん分)杉山まゆみ(森山さん分) 取材・構成/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)

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