ラジオに雑誌連載に昨年は著作ドラマ化まで…!大活躍のジェーン・スーさん。現在40代・憧れの先輩ですが、CLASSY.世代だった30代の頃はご本人曰く「地獄~!」の時期もあったそう。「不安な気持ちは百も承知」と語るスーさんに、CLASSY.読者のお悩みに答えてもらいました。
CLASSY.読者がスーさんに聞きたいこと、ぶつけてみました!
【お悩み】女友達について
高校時代の友達に何事にも「私たち親友だから~」という枕詞をつけてB子との話をするA子がいます。そんなA子は高校の同級生での結婚式の席次表で決められた席がB子の隣ではなかったとき、「私とB子が隣じゃないとかありえなくない?」と言って勝手に席を替えて座りました。謎の枕詞にずっと違和感を感じていた私は驚愕し、一周回って、そこまで言い切れる仲ってすごいなと尊敬しました。中高時代・大学時代・社会人…どの時代も広め浅めに付き合ってきた私。友達の数は少ないほうではないが、確かに「親友」と呼べる友達はいない。そもそも「親友」の定義も必要性もそこまで感じてこなかった。でももしかしたら私は「親友」という存在に憧れているのでしょうか?(S.H・30歳 会社員)
親友の定義はそれぞれ違うし、無理につくることもないと思う
私はこの年になると、“親友”という言葉は恥ずかしくてもう使えないです。というか社会人になってからはこの言葉は使ってないかな。人にわざわざ“自分たちは特別です”って言う必要あるんだっけ?と思う。私と彼女の関係は、他の人たちとも、私とあなたとも、どんな関係とも違うよということを言っている…特別という感情を他者に植え付ける言葉なのかな。個人的には、そこがちょっと不遜だと思うんですよね。“親友”という言葉を使うことによって、オールエリアパスを取ろうとしているかんじ。それが席次表を変えるっていう横暴な行動に出ているし、そこが相談者さんは嫌なんじゃないかな。その感覚は共感できますよ。
“親友”って一言で言うけれど、相談者さんの思う親友とA子さんの思う親友の定義は違うかもしれない。私は大学に4年通って何の勉強もしなかったんですけど、通ったかいがあったなと思うことが一個だけあって。経済学の授業のときに教授が突然、「いいか、親友っていうのはな、夜中の2時に電話しても第一声が“どうしたの?”って心配してくれる人だ」と。たしかに、そうだなと思っていて、何かあったときに夜中でも電話できる人が私のなかでは親友の定義。でも人に「この人が親友です」って紹介することはないです。
でもこの方は親友を焦ってつくることもないし、今のままでじゅうぶんだと思いますよ。「親友という存在に憧れているのでしょうか?」って書いてあるけど、さっき言ったみたいにA子の不遜な態度と、それが許されている世の中にモヤモヤしているだけだから。そんなの気にすることないです。
ジェーン・スーさん
1973年、東京生まれ東京育ち。作詞家、コラムニスト・ラジオパーソナリティ、TBSラジオ「ジェーン・スー生活は踊る」、ポッドキャスト番組「ジェーン・スーと堀井美香の『OVER THE SUN』」のパーソナリティとして活躍中。『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)、『ひとまず上出来』(文藝春秋)など著書多数。
撮影/イマキイレカオリ ヘアメーク/森 ユキオ(ROI) スタイリング/村瀬萌子 再構成/Bravoworks.Inc