【瀬戸かずやさん】インタビュー|宝塚退団後、初のソロコンサートが決定!

「花組のアニキ」と慕われ、包容力のある男役としてファンを魅了した元宝塚歌劇団花組男役スターの瀬戸かずやさんのファーストコンサートの開催が決定! 宝塚の振付家としても活躍するANJU(安寿ミラ)さんが初演出を手掛け、ゲストには真琴つばささん、真飛聖さんが登場。スペシャルなステージになること間違いなしの、初コンサートにかける意気込みを中心にお話をお聞きしました。

――初めてのソロコンサート『T

――初めてのソロコンサート『The ALSTROEMERIA-アルストロメリア-』が決まった時の感想は?

「宝塚時代は出演作品が決まると、喜びと同時に自分の役割を考えるのが常でした。今回は自分の名前の付いたソロコンサートということで、喜びと同時にきたのは大きなプレッシャー! でも、宝塚を卒業して〝一人の瀬戸かずや〟になった今だからこそ表現できることがあるんじゃないか、という気持ちがプレッシャーを上回ったんです。今はソロコンサートができることに感謝し、いろんなことにチャレンジしようと思っています!」

――宝塚歌劇団元花組トップスターの安寿ミラさんが初演出を手掛けますが、お二人の関係性や演出をお願いするまでの流れをお聞かせ下さい。

「ヤンさん(安寿さんの愛称)は宝塚の振付家・ANJUとしても活躍されていて、私も現役時代にたくさんの作品で指導していただきました。ヤンさんの振付で踊ると、男役としての高揚感がすごいんです! なので、ヤンさんのナンバーには絶対に出たい!と毎回願っていたくらいです。男役のダンスだけでなく、ご自身が踊る女性としてのダンスが素敵なのもヤンさんの魅力です。コロナ禍前はお稽古後に一緒にお食事することもあり、宝塚への思いなどを聞かせていただく機会にも恵まれ、一人の人間としてカッコいいなと憧れていました。
ソロコンサートが決まった時、『在団中から私のことを知っていてくださるうえ、男役としても女性としても素敵なヤンさんだったら、男役を卒業して変化している新しい私を上手に引き出して下さるのじゃないか』と思い、演出をお願いしたんです。依頼を受けていただいた後にヤンさんにお会いしたら『いいの?いいの?私でいいの?』とおっしゃっていました。私としては新しいことに挑戦する不安な時に、以前から私を知ってくださっているヤンさんがそばにいてくださるのはとても心強いことです。喜びを込めて『お引き受けいただいて光栄です』とお伝えしました」

 

――真琴つばささん、真飛聖さん

――真琴つばささん、真飛聖さんとゲストもとても豪華です。

「真琴さんは私が宝塚を目指すことを決心させた、永遠の憧れの方! 宝塚を卒業されてからもさまざまな活動をされていて、なおかつ今もカッコいい! 私は真琴さんのことを〝男役の神様〟と呼んでいるくらい尊敬しています! 去年の年末に宝塚花組・月組100周年を祝う『Greatest Moment』で同じ舞台に立たせていただき、私の真琴さんへの気持ちは一回成仏したんですけど(笑)。もう一度ご一緒できたらこの上ない幸せという思いでお願いしたところ、お受けいただけました。成仏した先に夢のようなことが待っているなんて!と、この事実だけでおなかがいっぱいなくらい幸せなんですが(笑)。ご一緒にいい舞台を作らなければ、と気を引き締めております!
真飛さんは私が花組在団中のトップさんで、私が新人公演初主演をした『麗しのサブリナ』の本役さんでもあるので、本当に多くのことを学ばせていただきました。たくさんの思い出がありますが、いちばん記憶に残っているのが、私が最下級生として参加した3月11日に行われた真飛さんの退団ディナーショー『For YOU』です。ショーの真っ只中に、あの東日本大震災が起きたんです。ショーは中断され、夜の部は中止になりました。その後、真飛さんは東京宝塚劇場で退団公演を控えていたんですが、公演できるのか?という不安な空気が渦巻いていました。宝塚だけでなく日本全体が不安な気持ちでいっぱいでしたよね。そんな中でも真飛さんは疲れやイヤな顔を全く見せず、周りをなごませてくれるんです。いつも後輩に温かい背中を見せてくれる素晴らしいトップさんでした。そして、いろいろなことに配慮されながら退団公演を開催し、ご卒業されました。その時のディナーショーメンバーの絆がすごく強くて、よく連絡を取りあっていましたね。その度に真飛さんは皆のことを気にかけてくださるんです。そんな真飛さんにダメ元でお願いしたら、引き受けて下さって! まさかと思いましたが、素敵な女優さんとして歩んでいる真飛さんとどんな化学反応が起きるのかな?と、私自身がとても楽しみにしています!」

  ――真飛さんは震

 

――真飛さんは震災の直後に退団、瀬戸さんはコロナ禍中での退団だったのですね。

「自分が退団する時、真飛さんと当時の退団者の方々のことを思い返しました。まだ私は下級生だったので皆さまのお心の中まで見ることはできませんでしたが、いつもと変りなく明るく振る舞っていらしたことを思い出しました。ご自身の退団公演で絶対にしんどいだろうに、皆のことを気にかけて下さっていたのが心に残っていて。自分もそうあらねば!と思いました」

――最後にコンサートにかける意気込みを教えて下さい。

「コンサートのタイトルであるアルストロメリアという花は、いろいろな色があるんです。男役しか知らない私が変化していくいろいろな過程を『今の私、どう?』みたいな感じでお見せしたいので、このタイトルにしました。『こんな表情するんだ、こんなに挑戦したんだ、こんなこともできるんだ』と、皆さまと同様に自分でも発見の連続になると思います。お話しできる範囲で内容をお伝えすると、在団中の懐かしい曲だけでなく新しい曲にもチャレンジします。タンゴにも挑戦させていただきますが、男女どちらをやるかはご想像にお任せします(笑)。まだまだ固まっていないところがありますが、私の思いを安寿さんに伝えて一つ一つ作っています。不安もたくさんありますが、楽しみはそれ以上にあるんです! なんだか今の時代と共通することがありますよね。不安だけれど、頑張って挑戦することで楽しみに変えたい!という気持ちが。皆さまの心を動かすようなコンサートにしたいと思っておりますので、ぜひ観にいらして下さい!」

瀬戸かずや

’04年 宝塚歌劇団に90期として入団。花組に配属され、色気のある大人な男役としてスターとなる。惜しまれつつ’21年7月退団。同年の年末には花組・月組100周年を祝う『GreatestMoment』に出演し、ディナーショー『瀬戸かずやChristmas Dinner Show』を開催。今年4~5月に 初のソロコンサート『The ALSTROEMERIA-アルストロメリア-』が決定。

瀬戸かずやファーストコンサート『The ALSTROEMERIA-アルストロメリア-』

宝塚を卒業して新たな道へ進む、まだ見ぬ瀬戸かずやの魅力が詰まったコンサート!宝塚歌劇団元花組トップスター安寿ミラが初演出を手掛け、豪華スペシャルゲストに元月組トップスター真琴つばさ、元花組トップスター真飛聖が出演します。4月29日(金・祝)~5月1日(日) サンシャイン劇場/5月6日(金)~5月7日(土) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

撮影/イマキイレカオリ ヘアメーク/沖山吾一 スタイリング/綾部秀美 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)
ジャケット¥47,300シャツ¥45,100(ともにエストネーション☎0120−503−971)ネックレス ¥63,800パールイヤーカフ(右耳)¥29,700シルバーブレスレット(左手)¥25,300パールブレスレット(左手)¥88,000チェーンブレスレット(右手)¥15,400リング¥26,400(すべてe.m./e.m.PRESS ROOM☎03-6712-6798)

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