カバーモデル松島 花さんの新連載が始まります。毎号、花さんがじっくり向き合ってみたいプロフェッショナルをゲストに迎え、彼らが思い描く〝松島 花〟を表現していくという意欲的な内容!「彼らの原点や今に至るターニングポイントを聞いてみたい!」という、花さん主導のトークも必見です。
今回のゲストは…スタイリスト・三好 彩さん
Aya Miyoshi
丁寧な仕事ぶりと想像を超えてくる仕上がりで、CLASSY.をはじめ数々の女性誌で大活躍するトップスタイリスト。コンサバからモードまで幅広いテイストをこなす。多忙を極める中でも常に穏やかなキャラクターはモデルや女優からの支持も厚い。島根県出身。40歳。
振れ幅の大きな花さんの、相反するふたつの表情を引き出したい!
花:CLASSY.はもちろんだけど、それ以外の現場でも、彩さんの仕事ぶりにはいつもハッとさせられています。リアリティがありつつファッションの面白さを感じられる彩さんのスタイリングが大好き。企画テーマに沿いながら私らしさまで考えてくれているのが伝わってくるから安心して委ねられる。機会があったら聞いてみたいと思っていたのが、彩さんがスタイリストになろうと思ったきっかけについて。
彩:子どもが好きだったし、自分は保育士さんになるんだろうなと思ってました。でも、高2のころ『きらきらひかる』というドラマを見て衝撃を受けて。出てくる方がみんな素敵で文字通り目を奪われた。エンドロールの西ゆり子さんというクレジットを見て、この方みたいな仕事をしたい、役柄を引き立てる服選びや着てもらうという作業を私もしてみたい!と思ったのが今の仕事への原点。高校を卒業して専門学校に通って、その勢いで上京(笑)。
花:すごいバイタリティ!
彩:島根にいたときはスタイリストという職業の存在すら知らなかったのに不思議だよね。私はいつも、こういうスタイリングを見せたいというよりも、全体として素敵な写真になったらいいな、作品としての完成度が高まるといいな、ということを意識してます。お題があって、それに応えるのが好き。今回は花ちゃんにじっくり向き合うぜいたくな機会。幸せなクリエイション!
花:彩さんがどんな私を引き出してくれるのか、ずっとワクワクしていました。今日のセッションを存分に楽しみます!
内面の強さ、そしてカッコよさ。華やぎを裏で支える、本質を表現
彩:花ちゃんとの撮影でいつも実感するのが、カメラ前での圧倒的な強さ。もちろん持って生まれた素材もあるけれど、その現場に向かうまでの意思だったり、プロとしての気持ちの積み重ねの大きさが伝わってくるんです。だから今回は、華やかなスポットライトを浴びているときと、その手前の素の姿、ふたつの花ちゃんをスタイリングで表現してみようと思ったの。
花:舞台上と舞台裏、みたいな感じ?
彩:そう!甘いスタイリングを振られることが多いと思うけれど、実際の花ちゃんはシンプル好きだしカッコいいものもよく似合うから。
花:舞台裏がジャケットスタイルというのがすごく新鮮だし、さすが彩さん、ジャケット好きな私のことをわかってる!って改めて。
彩:ゆるっとしたフォルムと、ツヤ感のある素材がポイント。メンズっぽいセットアップだからこそ、素材感でしなやかさを意識しました。
花:同じ服でも素材で全然見え方が違うし、ポージングや表情も変わる。
彩:その感覚を信じてた。ヘアメークも素っぽくしてもらって。削ぎ落とした中の芯の強さはまさに狙い通り!
削ぎ落としてなお華やかなドレスに負けない唯一無二の存在感
彩:対して、舞台上の花ちゃん。いろいろ考えたけれど、やはりドレススタイルがぴったりかな、と思って選びました。ラグジュアリーなドレスに臆することなく、思うがままに動く舞台上の花ちゃんは、思い描いていた通り。
花:子どものころから続けていたバレエもそうだし、ウェディングのお仕事でもよく着るキャミソールドレス。ドレスを着るとシャンと背筋が伸びるしスイッチが入ります。ファッションの撮影は、動画ではなく静止画。止まるか動くか、どう動かすか…スタッフみんなですり合わせていく過程は、共同作業って感じで楽しい反面、ポージングひとつで見え方が変わってしまうから責任重大。今日はドレスの存在感を信じて、思う存分動いてみたの。波打つような揺らめきが素敵だったよね。
彩:その感性こそ、花ちゃんのプロフェッショナルを感じる部分。花ちゃんとは、こうするとよりよくなるね、の着地点が近しいところもうれしい。
花:私もそう感じてた(笑)。
彩:素足かつノーアクセの潔いスタイリングが叶うのは、花ちゃんのもつ強さが決め手。スポットライトを浴びる姿が本当に素敵でうっとりしました♡
\松島 花ちゃんからコメント/
スタッフが一致団結して同じ方向を目指せるとき、とても幸せ。みんなが思い描く方向を突き詰めることも、自分の想像を超えた全然違う世界に到達することも、それぞれの楽しさがあるし、この仕事の醍醐味です。いつも一緒に仕事をしていても深い話は現場ではなかなかできないわけで、今回の彩さんとの対談は私にとっても大きな刺激になりました。どんな現場でもワクワク楽しむ彩さんの姿勢から、私が学びとれることがいっぱい。作品の完成度を高める役割の一端を担いたい、という彩さんの想いに、プロフェッショナルを感じました。
撮影/金谷章平 モデル/松島 花 ヘアメーク/森野友香子(Perle) 取材/西道倫子 再構成/Bravoworks.Inc