脳科学者に聞いた「Twitterで、他人を攻撃しやすくなる」理由

私たちの日常をザワザワさせる〝うらやましい〟気持ち。リアルな世界だけにとどまらず、ネットの世界でも私たちの心を乱す〝うらやましい〟気持ちについて、その正体や付き合い方を話題の脳科学者、中野信子さんに教えていただきました。

世の中で起きているあの炎上やバッシングも〝うらやましい〟が原因!?

コロナ禍の渦中である今は制限が多く、我慢していることも多いからこそ「自分は我慢しているのにあの人はいい思いをしている」という〝うらやましい〟感情が増幅されているのも事実。世の中の炎上案件について中野さんの意見を伺いました。

SNSがみんなの「悪性妬み」を増幅させる

人のことがよく見えるからこそ損をしている気がして妬みが強くなる

情報量の多いSNSの世界は〝う

情報量の多いSNSの世界は〝うらやましい〟と感じさせやすく、自分が損しているのではないかという気持ちも強くなります。コロナ禍の今は行動が制限され、心の余裕がなくなることで攻撃も起こりやすくなっています。
特にTwitterは一見、公の場のようですが、発信者は匿名性のシェルターに隠れて一方的に相手を攻撃できる錯覚に陥りがちです。それが偏った意見だったとしても、似た意見の人がいると自分の声=名もなき民衆の正義の声と思いやすいことも問題です。

お話をお聞きしたのは…

中野信子さん 脳科学者、医学博

中野信子さん
脳科学者、医学博士、認知科学者。脳や心理学をテーマに人間社会に生じる事象を科学の視点からわかりやすく解説した著書やコメントが多くの支持を集める。嫉妬する感情について取り上げているヤマザキマリ氏との共著『生贄探し 暴走する脳』(講談社+α新書)をはじめ、著書多数。

イラスト/島 タイガー 取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc

Feature

Magazine

最新号 202405月号

3月28日発売/
表紙モデル:山本美月

Pickup