心身ともに健やかで、自分のことだけでなく周りの幸せも考えている──そんなウェルビーイングな生き方をしているCLASSY.世代にこれから毎月インタビュー。初回はキャスターとしても活躍する、ホラン千秋さんです。
「結婚したい前提」で話をスタートしないようにしています
人の幸せを自分基準で決めつけない
自分の幸せが相手の幸せとは限らないから、自分基準で決めつけず、相手の幸せも尊重できる人でありたいと思っています。例えば結婚に関する質問も、つい「結婚したい前提」で対話をしがちかもしれませんが、そもそも相手の望むライフスタイルはそうじゃないかもしれない。無意識に価値観を相手に押し付けてしまわないように、会話を始めるひとつ前の段階から意識することを心掛けています。様々な幸せの形があると頭では分かっていても、知らず知らずのうちに言動や態度で相手を傷つけてしまうことってあると思うんです。働きやすさの捉え方も様々で、ルーティンワークが安心という人もいれば、楽しさが絶対条件という人もいる。生き方や価値観が多様化して、ひとつに定まっていないからこそ、自分の中で嫌なことや好きなことを明確にしておくことが大切だし、それを認識することが周りを傷つけない配慮に繋がると思っています。最近はオリンピックなどをきっかけに、アスリートからメンタルヘルスについての声が上がり、特にSNSでの発信方法のあり方に一石を投じてくれました。彼らの「身体と同じように心も健康であるべき」というメッセージを通じて、ひとりひとりが自分に向き合う、いいきっかけをもらっていると感じています。このムーブメントを機に、「自分にとっては何が嫌かな?」、「我慢していることはなかったかな?」と会話して気付きを得ることも大事だと思います。
「あきらめ」ではなく「選択」
私は紆余曲折を経て今の仕事をしていますが、人生設計が思うように進まなくても「負けた」と思わずに、変化と捉えるのも大切にしていることのひとつ。やりたい仕事に就けないとか、思い通りにキャリアアップできていない状況にあると、周りからは口にせずとも「ダメだったんだ」とか「残念だよね」と勝手にマイナスの評価をされることもあると思います。でもそんな評価に惑わされて引け目を感じたり、「私って夢を手放しちゃったのかな?」とネガティブになる必要はありません。夢や目標が形を変えただけで、その時のなりたい自分を目指していることには変わりがないし、理想通りじゃなくても新たに手にした選択が次の道に繋がることもある。何より大事なのは、自分は何がしたくて、今そこにいるのかを理解することだと思っています。とはいえ私も30代になって、仲のいい友達が結婚したり出産したりで心がザワザワしたり、仕事でうまくいかなくてマネージャーさんにウジウジ愚痴ったり……20代とは違う、いろんな大変さがあるなあと日々実感しています(笑)。落ち込むこともあるけれど、そんなときはジムに行ったり韓国ドラマを観たり…。運動は苦手なのでジムに行くまではかなり億劫ですが、いざ体を動かすと心もスッキリします。そして、〝当たり前になっちゃってるけど、自分って超ラッキーじゃない?大枠幸せだよね〞って現在地を確認するのも大事。自分の今をフラットに認識できたら、理想の自分に近づく道も見えてくるはずだと信じています。
PROFILE
1988年生まれキッズモデルとしてキャリアをスタートし、青山学院大学在学中にはオレゴン州立大学へ留学。卒業後受けたテレビ局の採用試験には全滅するも、2012年から「NEWS ZERO」月曜から木曜キャスターを担当、現在はTBS「Nスタ」のキャスターを務めるなど活躍の場を広げている。韓国ドラマが大好き・私服はパンツ派なリアルCLASSY.読者。
撮影/YUJI TAKEUCHI(BALLPARK) ヘアメーク/森野友香子〈Perle Management〉 スタイリング/荒木里実 取材/坂本結香 再構成/Bravoworks.Inc