柚希礼音さんが心身ともにヘルシーでいるために心がけていることって？

–CLASSY.では、ウェルビーイングなライフスタイル（＝自分らしく自然体で、心身ともにヘルシーに過ごすこと）を提案しているのですが、“ウェルビーイング”と聞いてどんな印象を抱かれましたか？

まず思い出したのが、湖月わたるさんがトップになったときに星組全体に言ってくださった「組内は派閥ができやすいけれど、これからはそんなものはなくしましょう！」というお言葉。そのお言葉があってから、みんながより一層、団結していきました。組という小さな世界ですが、考え方次第で皆が幸せになれる方法があるんだなと知ったんです。

ウェルビーイングって、いろんな角度から捉えることができますよね。弱音をきちんと吐くっていうのも、私にとっては心身ともにヘルシーでいるために必要なこと。トップになりたての頃、「強いトップになって皆を引っ張っていかないと！」と気負う部分もあって、自分で多くのことを抱えてしまって、視野が狭くなってしまっていたことがありました。前ばかり見て1人で走り抜けようとしていたけれど、ふと後ろを振り返ったら組子の皆が私の力になりたいと手を広げて待っていてくれたんです。それに気付いてからは、私の弱いところも組の皆には隠さず見せて、たくさん頼って甘えるようにしました。そうしたら、組子の負担は増えているはずなのに、組の一体感がどんどん増してきて！ 一人で頑張って切羽詰まるより、できないことはできないと言って、皆で助けあうことの良さを知りました。

–柚希さんが最近実践している“ウェルビーイング”なことはありますか？

退団後もありがたいことに大きな仕事がずっと続き、忙しい毎日を送っていますが、自分の状況をきちんと把握して、限界を超えそうなときは無理をせず助けてもらうようにしています。週に一日は休みを取ったり、大きなお仕事が終わった時は一週間のお休みをもらったりするようにもしていますね。宝塚時代と違って毎回お仕事の環境が変わりますが、ちゃんと休息をとって体調を整えることが、自分にとってもお仕事にとっても大事だと思うので。

ついつい宝塚100周年の忙しさに比べたら大丈夫、と一番忙しかった若いときを基準に考えてしまう自分がいるのですが、「いやいや、歳を取っているし、支えてくれる組子はいないよ！ あの頃はできても今は無理なこともあるよ！」と自分に突っ込んでいます。タカラジェンヌの感覚でできると思ってしまうのですが（笑）、 根性だけでは乗り越えられないこともあると、年齢を重ねるにつれて理解するようになりました。

––身体のケアで気を付けていることを教えてください。

8時間は眠ること。次の日起きる時間から逆算して、寝る時間を決めています。そして、就寝時間の2時間前からは、徐々に眠るモードへと気持ちを切り替え。ご飯を食べてお風呂に入ったら、携帯は見ず、部屋にいい香りを漂わせて間接照明にして、自分は眠いんだ眠いんだと思うようにしてベッドへ。考えないといけないことが頭に浮かんでも、「それはまた明日！」と割り切る。こうすることで、穏やかに眠れます。

あとは、シャワーで済ませず毎晩湯船にしっかりと入る。夏の暑い日でも湯船で身体を温めないと寒いと感じてしまうんです。一度きちんと温まることで、体がリラックスできる気がします。湯船には必ず入浴剤を入れるのもポイント。紅ゆずるさんには炭酸ガス系の入浴剤をまるごと1本入れるのを勧められましたが、それはシュワシュワがすごくて（笑）。適量で楽しむようにしています。

–毎日の暮らしの中で、気分が落ち込んでしまうことも。気分が下がってしまったときの対処法を教えてください。

私の中ですごく流行っている方法、と思っていたら既に皆がやっていたという方法なのですが（笑）。スーッとするいい香りのオイルなんかを、こめかみや頭皮に塗るんです。忙しいと呼吸が浅くなりがちですが、スッとする香りを嗅ぐことで、ゆっくりと深呼吸ができるんです。呼吸が深くなると巡りもよくなって、気持ちがリフレッシュしてまた頑張ろうと思える。ミストタイプの香りをシュッシュッと振り撒いて空間をいい香りにするのも好きです。どちらも即効性があるので、香りのアイテムはいつもお稽古場に持って行っています。

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弱音をきちんと吐く、無理はしない。簡単そうに思えるけれど、実は忘れがちなことですよね。9月10日公開のインタビュー最終回は、今の柚希さんに聞きたい10の質問をお届け。最近のファッションのテイストから、自慢の身体のパーツ、パーマンで命拾いした話まで、盛り沢山の内容です！