CLASSY.6月号に登場していただいた正門良規さん(Aぇ! group/関西ジャニーズJr.)の初単独主演舞台『染、色』が、1年の延期を経てついに明日より上演スタート。5月27日に行われた取材会には主演の正門さん、共演の岡田義徳さん、三浦透子さん、原作・脚本を手がけた加藤シゲアキさん、演出の瀬戸山美咲さんが登壇。舞台写真とともに会見の様子をどこよりも早く全文書き起こしでレポートします!
―いよいよ明後日から初日を迎えますが、意気込みと稽古を通しての手応えをお願いします
正門:そうですね、1年越しにようやくお客さんに直接伝えられるということですごく楽しみですしわくわくしてますし、めちゃくちゃ気持ちが高まってます、いま。
-汗もその気持ちの延長?
(※登壇者5人での撮影後、取材会開始前に舞台上で正門さんだけメークさんにタオルを持ってきてもらい、ハンディファンを当てられながらお直し。「すみませんー、汗門なんで。見てください、このタオルの大きさ」「汗拭くところ、めっちゃ撮られてる」という一幕を受けて)
正門:あはは、出てますねー!比例していってますねえ、ほんとに。ずくずくです、はい。
三浦:本番直前なんですけど、いまだにまだまだ進化していっている感じがしてすごく楽しみですし、多分本番始まってからも、より一層よくなっていくのかなっていう感じがして。本番がすごく楽しみな気持ちでいま稽古を頑張っています。
岡田:1年待ちましたね。やっぱりいろいろ中止になっている作品が多い中でこういう形で公演ができるっていうことは本当に奇跡だと思っているので、それも踏まえつつみんなで一致団結して頑張っていけたらなと思います。ありがとうございます。
-クリエイーターのお2人にもお聞きしたいのですが、どのような思いで初日を迎えられますか?
加藤:はい、クリエイーターの加藤シゲアキです(一同、笑)。このプロジェクトが動き出してから1年半くらいかかってると思うんですけど、本来であれば去年公演できたはずで。瀬戸山さんとも何度も打ち合わせして、出来上がった時にすごいいい台本ができたねっていう話をした次の日に中止が決定してしまって。せっかくいいものをお互い話し合ってつくれたのに悔しいですねって話をしたのが昨年の4月末くらいで。それがもう一度できるっていう、まあ情勢でどうなるかわからないながらも、とにかくもう一度上演する機会をいただけたっていう。すごく嬉しかったですし、本当であればもちろん昨年公演したかったけれど、この1年いろいろあった思いを逆にこうエネルギーにしてバネにして、いい作品にしたいですねというところで。瀬戸山さんとは気持ちを一つにしてここまでやってこれたと思いますし、そういった僕の思いを瀬戸山さんが受け止めて演者の方にも演出していただいたので、すごくいいものができるんじゃないかなという実感がいま、してます。
-1年の中で加藤さん自身も変化がありましたよね
加藤:何かと話題にしていただけた機会が多かったので、まあそういう意味でもよかったのかなとも思います。
瀬戸山:いま加藤さんがおしゃったように、本当に1年前すごくいい戯曲ができたねっていう手応えがあって。世に出せないことがほんとに悔しかったんですけど、今回こうして稽古を重ねて本番がもう明後日ということで、ほんとに原作も面白いし戯曲はさらに深まっていて、とてもいい作品だと思うので、それを実際に演者の皆さんに演じてもらって作品が生き始めたなっていう感じがしています。
-1年経って手直しもあったんですか?
加藤:ほとんどは昨年できていたんですけど、ほんとに微修正程度に。今年(上演が)決定してから数回直しました。
正門:毎回、変化を楽しみにというか、どこが変わってるんだろうってわくわくしながら純粋に本を読んでいました。
-正門さんは単独では初主演になります
正門:はい、そうです
-そのへんの緊張はいかがでしょう?
正門:いや、めちゃくちゃ緊張してます。ほんとに、正直言うと。でも去年できなかったりとか中止になったりっていうこともあったんですけど、この1年間で楽しみとか期待とかっていうほうの気持ちがどんどん高まってきて、程よくいろんな感情がいまあります。自分の中に、はい。
-脚本家の加藤さんは事務所の先輩でもありますから、頼りになったところはあったんでしょうか?
正門:いやー、逆にすごくプレッシャーでしたよ、怖いですよ!(一同、笑)
加藤:そんな怖くないですよ?(笑)
正門:いや、その怖さというか。初めてお話をいただいた時に、2年前の秋やったんですけど、そん時はもうとりあえずビビりまくってましたね。ようやく、やるぞっていうのが高まってきた感じです、はい。
-プレッシャーを与えてたっていうことはあったんですか?
加藤:まあでもプレッシャーですよね(笑)。決して簡単ではない役ですし、かと言ってこう、正門に合わせる気も。それはある意味失礼だなと。なのでもう、この役に飛び込んでもらうつもりで僕も遠慮なく書かせてもらったので。すごくそもそも難しい役だと思うんですけど。稽古場にも何度か足を運ばせてもらって、あんまり近くで見たらかわいそうかなと思って遠くで座ろうと思ったんですけど、「いやもう真ん前に座ってください」って。プレッシャーに慣れたいって言って。まあそういう意味では、本番さながらの緊張感を毎回僕が与えるっていうのが役割としてあったかなと思いますけど。でもほんとに、どんどんどんどん成長していく姿を見ていてたくましいですし、初舞台なのに堂々としてるなと。いつも感謝してます。
-プレッシャーだけではなくて、楽屋のれんも加藤さんからプレゼントしていただけるんじゃないかっていうお話があったようですけれども
加藤:もうかかってます。昨日見たんでね。
正門:見ました。ビックリしました。昨日小屋入りやったんですけど、入った瞬間、スタッフさんがぶわーって走ってきて、「ちょっと待ってください!」って。携帯で動画を回しだして、何を撮られてるんやろう?って。で、わからんままぱーっと楽屋の前まで行ったら、のれんがかかっていて。そのファーストリアクションを動画に収めたいっていうのがあって。
加藤:あ、そうだったの? でもその動画、僕見てないんだけど?(笑)
正門:え⁉ えー!
加藤:その動画、じゃあ誰が何のために?(笑) その人のプライベートの?(一同、笑)
正門:そうやったんですか⁉
加藤:俺見てないよ、それ
正門:見てないんですか? 「加藤さんに送りますー」って言ってたんですけど。
加藤:もらってないなー、それ
正門:写真も2枚撮りましたよ
加藤:写真は見たよ
正門:あ、見ました?
加藤:動画は見てない
正門:えー!
加藤:そうなんだよ、ちょっと後で確認しておきます(一同、笑)
正門:そういうサプライズの演出を受けました(笑)
-私たちもどこかで見られるんでしょうかね?
加藤:なんかね、出せばいいんじゃない? ブログとかで(笑)
正門:いいんですか? そんな軽く言っちゃっていいんですか?
加藤:いいよ、もちろんもちろん。いいよ。
正門:なんか、うん、ここぞというタイミングで、じゃあ。
加藤:じゃあアップしてください
正門:はい
-岡田さんからご覧になった正門さんの演技はいかがですか?
岡田:大変真面目だと思います。ほんとにいい意味でも悪い意味でも真面目だなーと思うくらい真面目で。その姿勢がすごくこっちにも伝わってくるので、教えられることというかアドバイスできることはいくらでもアドバイスするし。逆になんかわからないことは全部聞いてっていう話も、ね。いろいろコミュニケーションの中でしてますし。ほんと努力家だなって思います、はい。すごく努力をしてるなと思います。
-具体的に印象に残っているエピソードは?
岡田:いやあの、(正門くんは)考えるタイプなんで。やっぱりギューって考えちゃうと周りが一瞬見えなくなる時があったりとかしていて。そういうのを見てると、あー可愛いなあっていうか、自分もこういう考え込んだ時期ってあったなーとも思ったりもするので。なんかアドバイスするわけでもなく、ちゃんと温かくこう、外から見守って正門くんが答えを出すのを待ってたりしますね。そういう瞬間がけっこういくつかあったので。なんか調子悪そうだなと思った時は「今日調子悪い?」って聞いてあげたりとか、なんかあんまり乗ってないねっていう時は「今日乗り切れない?」って聞いてみたりとか。意外にそういうふうに、アドバイスっていうか体の状態を聞くようにはしてました、うん。あまりため込まないようにさせたいなと思ったので。
正門:いや、ありがたかったです、ほんとに。カウンセリングに近いというか(笑)。ほんとに支えられました。はい。
-三浦さんとはすごくいいコンビネーションで動きが合っていたようですが。演じる呼吸はお2人はいかがでしたか?
正門:初めてお会いして本読みの日にダンスの稽古があったんですよね? その時から、けっこうそれで近くなったというか。
三浦:そうですね、お芝居のやり取りするよりも先にまずダンスの稽古があったんで。わりと緊張せずに入れた感じは。
正門:うんうん
三浦:あったかと思います
-お互いどんな印象を持ってます?
(しばらく沈黙&笑)
三浦:あー、そうですね…でもなんか…うーん(笑)、最初は岡田さんがおっしゃったようにすごく真面目で誠実でしっかりされてる方かなと思って。でも実際ほとんどそういう印象なんですけど、なんかわりと抜けてるところがあるというか(笑)。そういう瞬間とか、稽古場とかでもみんな笑いが起こるというか、すごく。多分、意図してないと思いますけど、稽古場の雰囲気をすごい盛り上げてくれてるなっていう印象です。
-加藤さんにお聞きしたいんですが今回、本をご自身で書いて俳優としても出たいなっていう気持ちはなかったんですか?
加藤:あー、今回は最初から出ないプロジェクトにしようっていうのはあって。やっぱり僕が出ることで、なんですかね。僕が演じると僕のイメージ通りにはできると思うんですけど、そうじゃないものが見たいっていうのを思っていて。原作も自分の作品なのでそれを舞台化する時に、そこまでつくるっていうことを僕の使命にして、後は手を離れた時に僕の想像を超えるものにしてくれる演出家の方とやりたいっていう話で進んでいたんですね。自分が出ることで、なんて言うんですかね、イメージに縛られるんではないかっていう。それにやっぱり逆に言えば脚本家の楽しみっていうか、喜びもあるので。瀬戸山さんとは一度ご一緒しているので、そこに対してはもう申し分ないと言いますか。間違いなくいい作品にしてくださるだろうと思ったので。脚本家に徹することが喜びだなと今回は感じてました、はい。
-実際にご自分の本が舞台で視覚化されてみて、改めてどのように感じていますか?
加藤:あ、感慨深いものがあります。いま言ったようにほとんど想像を超えていい作品にしてますし、もちろんキャスティングが決まる前に台本ができてますので、この作品を読んでこの仕事を受けるっていうキャストの方もきっといるだろうから、面白い作品に、読んでいて面白い台本にするっていうことが、僕の中のまあ個人的なミッションで。お芝居しやすいというよりは、読んでいて楽しい台本にまずしようと書いたので。まあめちゃくちゃ細かいト書きとかも書いて、描写も書いてあるんですけど。それを僕はラブレターだと思って、瀬戸山さん含め皆さんに送ったんですけど、瀬戸山さんはそれを挑戦状だと受け止めて(一同、笑)。
かなり無茶ぶりのようなト書きをなるべく忠実に再現しようとしてくださるその意地みたいなものが(笑)とても見ていて楽しいし、変わったところは「ここはさすがに無理だったんだな」っていう(笑)部分の面白さなんかもあったりしますね。それでも瀬戸山さんがすごく真摯にというか。僕は「変えてもいいんですよ」って言ってるんですけど、まずはそのままやりますっていう。すごい、なんて言うんですかね。愛してくださってる。『染、色』を愛してこの作品に臨んでくださってるだなと感じています、はい。
-最後に代表して正門さん、意気込みをお願いします
正門:そうですね、スタッフさんとキャストの皆さんと全員でまずは千穐楽を迎える、完走するっていうのを目標にやっていけたらいいなと思いますし、来ていただいた方に後悔ないように、しっかりと楽しんでいただけるよう作品を届けたいなと思っています。頑張ります。ありがとうございました。
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染、色
出演/正門良規(Aぇ! group/関西ジャニーズJr.) 三浦透子 松島庄汰 小日向星一 黒崎レイナ/岡田義徳 原作・脚本/加藤シゲアキ 演出/瀬戸山美咲 原作/『染色』(角川文庫『傘をもたない蟻たちは』所収)●〈東京〉5月29日(土)~ 6月20日(日)東京グローブ座、〈大阪〉6月24日(木)~ 30日(水)梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ https://www.sen-shoku.com
撮影/石田純子(光文社写真室) 構成/CLASSY.編集部