7月に公演される三谷幸喜さん作・演出のミュージカル『日本の歴史』に出演される瀬戸康史さん。CLASSY. ONLINEインタビューの2回目では演出家・三谷幸喜さんとの関わりや、瀬戸さんのプライベートな素顔についてもお聞きしました。
――三谷さんの舞台は昨年12月の『23階の笑い』に続く2作目の参加です。三谷さんの演出についてはどんな印象を持っていますか?
「三谷さんは役者のことが本当に好きなんだなって思いました。僕の印象ですけど、あまり多くは語らずに、まず役者がどうやるのか放置してやらせてみるみたいなSっ気も感じたかな(笑)。休憩時間には自らいろんな人に話しかけて、コミュニケーションを取ってくださる。あと、稽古で三谷さんに褒められるとめちゃめちゃ嬉しい(笑)。三谷さんが笑っているのが嬉しかったですね」
――『23階の笑い』から間をおかずの出演ですが、三谷さんには気に入られたようですか?
「今回、呼んでくださったのはそういうことなのかな(笑)。そうだったら嬉しいです!偶然なんですが、僕と三谷さんの行きつけのカフェが一緒なんですよね。そこで会ったことはないんですけど。先日はカフェの店員さんから『この間、三谷さんが来て、「瀬戸さんは最近来てますか?」って聞かれました』と言われましたね(笑)」
――瀬戸さんが思う、三谷幸喜さん作・演出作品の魅力を教えてください
「『三谷作品なら何を見ても面白いだろう』って、誰もが思っている中で闘っている三谷さんってすごいなと思います。毎回100点、もしくは100点以上のものを出さなきゃいけないところで闘うのは、脚本を書くのが好きなだけじゃなく才能も努力もあるでしょうけど本当にすごい。尊敬します。昨年の三谷さんの『大地』という作品ではソーシャルディスタンスを考えた演出をされていて、コロナ禍という状況にも負けず、逆にそれを活かしたことをやるというエネルギーを感じました」
――瀬戸さんから見た三谷さんってどんな人でしょう。印象に残っていることは?
「まだ1回しかご一緒してないですが、本当に人をよく見ていて人をイジるのが大好きですね(笑)。『23階の笑い』の時は小手(伸也)さんが死ぬほどイジられてましたし、自分より年上の浅野(和之)さんもイジってました(笑)。そうすることで、その人の魅力を引き出したり周りの雰囲気をやわらげたり。人を傷つけないで笑わせるみたいな印象です」
――瀬戸さんはイジられないんですか?
「僕も多分イジられてると思うんですけど、気づいてない。まともに受け取っちゃってるのかな(笑)。そういうところ鈍感なのかもしれないですね。“突っ込み”としてはダメですよね(笑)」
――意外だったことや驚いたことはありましたか?
「稽古にもスーツで来るんですよ。スーツを着ている演出家や監督さんってお会いしたことないのに三谷さんは毎回スーツ姿なので、稽古の前に何かほかの仕事があったのかなって、ずっと思ってました(笑)」
――コロナ禍で舞台公演が中止や延期になることも多々ある、このような状況だからこそ感じる生の舞台やエンタテイメントについて、どんな思いがありますか?
「こういう状況の中でお金を払って観に来てくださる方がいるのがまず幸せなことで、皆さんがエンタテインメントを求めているんだなって感じています。公演をやれるのかやれないかわからないなかで稽古するのは、ものすごく不安を感じるんですよ。でも皆さんから『楽しみにしてます』とか『公演できることを祈ってます』とか、そういう言葉をいただけると本当に嬉しいし、それが活力源になって稽古を頑張ろうって思います。いろんな人と支え合ってやるしかないし、こういう状況だからって立ち止まらずにやっていきたいと思っていますね」
――瀬戸さんの素顔も教えてください。仕事を離れて一番リラックスできる時、自分らしくいられるのはどんな時ですか?
「僕はどこでも自分らしくいるので多分、現場でもリラックスしてるんです。だから変なストレスがない」
――趣味や息抜きにやっていることは? 絵やイラストはインスタグラムでも公開されています
「絵はもともとは趣味ですけど、公開することによって仕事にもなってきてますね。‘19年に国立科学博物館で開催された『大哺乳類展2』で音声ガイドナビゲーターを務めた時はデジタルアートの絵も描かせていただきました。仕事にまったく関係ないことならゲームですね。RPG、アクション、シューティング系、アドベンチャー、考えながらやるゲームも好きです。某建築ゲームは自分が想像したものを作れるクリエイティブなところが楽しい。作ることが好きなんでしょうね」
――ゆっくり休みがとれたらやりたいことはありますか?
「最近はなかなか外出できませんが、行けるようになったら車で遠出したいですね。植物園とか行きたいです。植物が好きで家にも観葉植物や季節のお花など、いろいろあります。春には桜の枝を買いました」
――瀬戸さんの『最近の一番』について4つの質問です。最近一番嬉しかったことは?
「僕、メダカを9匹飼っているんですね。そのうちの1匹が元気なくて心配してたんですが、その1匹が復活したときは嬉しかったです」
――最近一番笑ったことは?
「常に笑ってはいるんだけど、面白エピソードっていうとなんだろう……。毎日、笑ってますけど、何で笑ってたのかはこれといって覚えてないです(笑)」
――最近一番面白かったことは?
「ある映画の助監督さんが、まったく似てないんだけどウエンツって呼ばれてたこと(笑)。ほんとは(『アナと雪の女王』の)オラフに似てるんだけどウエンツって呼ばれてた(笑)」
――最近一番キュンとしたことは?
「仲間と音声をつないでオンラインゲームしてる時、その中の1人が飼ってる猫がお腹が空き過ぎたのか、言葉をしゃべってるみたいに鳴いてたこと。めっちゃ可愛くてキュンとしました」
――アラサー女性が中心のCLASSY.読者とは同世代の瀬戸さん。30代女性の魅力はどんなところだと思いますか?
「年齢に関わらず、生き生きしてる人はいいですよね。お仕事が楽しくて生き生きしてるのもいいと思うし、趣味でも子育てでも将来の夢でもいいと思うんですが、生きがいをちゃんと持って生き生きしている人は魅力的だなと思います」
――仕事や恋愛などに悩んでいるCLASSY.読者に向けてアドバイスがあればお願いします
「願うものは待ってても来ないのかなと思います。行動を起こさなきゃ何も始まらないと思うので、興味があることには一歩でも踏み出してみるのが幸せへの近道じゃないのかな。それがきっと自分磨きにも繋がってくるのかなと思います」
瀬戸康史
‘88年5月18日生まれ 福岡県出身 血液型A型●ドラマや映画、舞台と幅広く活躍。‘17年の舞台『関数ドミノ』で文化庁芸術祭演劇部門新人賞を受賞。最近の主な出演作はドラマ『透明なゆりかご』『まんぷく』『私の家政夫ナギサさん』『ルパンの娘』シリーズ、映画『寝ても覚めても』『事故物件 恐い間取り』、舞台『ドクター・ホフマンのサナトリウム~カフカ第4の長編~』など。三谷幸喜作品は『23階の笑い』に続き、2度目の出演。またWOWOWオリジナルドラマ『男コピーライター、育休をとる。』が7月9日より配信開始、10月15日には劇場版『ルパンの娘』が公開、12月には主演舞台『彼女を笑う人がいても』(仮題)を控えている。
『日本の歴史』
’18年12月から翌1月にかけて上演されたオリジナル・ミュージカル『日本の歴史』の再演。卑弥呼の時代から太平洋戦争までの日本の歴史を凝縮しただけでなく、ある家族の歴史の物語も重ね合わせながら描かれる。60人以上の登場人物を7人のキャストが演じる、三谷幸喜渾身の壮大な大河ミュージカル。●作・演出/三谷幸喜 音楽/荻野清子 出演/中井貴一 香取慎吾 新納慎也 瀬戸康史 シルビア・グラブ 宮澤エマ 秋元才加 <東京公演>7月6日(火)~18日(日)新国立劇場 中劇場 <大阪公演>7月23日(金・祝)~30日(金)梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
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撮影/イマキイレカオリ ヘアメーク/須賀元子 スタイリング/小林洋治郎(Yolken) 取材・文/駿河良美 構成/中畑有理(CLASSY.編集部)
シャツ¥15,950( MAISON SPECIAL / MAISON SPECIAL AOYAMA http://maisonspecial.co.jp/) ジャケット¥88,000 パンツ ¥50,600(ともに