悩めるアラサーの恋のお悩みに、作家・心理カウンセラーの五百田達成さんが的確にアドバイス!
教えてくれるのはこの人
作家・心理カウンセラー 五百田達成さん
1973年生まれ。東京大学教養学部卒。角川書店、博報堂を経て独立。コミュニケーションやジェンダーをテーマに執筆・講演。最新刊『超雑談力』(ディスカヴァー21)が好評発売中。
今月のお悩み
30歳でコンサル勤務の彼は、向上心が高い野心家。裕福で華やかな生活に憧れがあり、友人も派手な人ばかり。彼らによく謎のセミナーやパーティに誘われているようで、今後怪しいビジネスに手を出すのではないかと心配です。でも「やめなよ」とも言いづらくて…。どう伝えればいいですか?(35歳・商社)
解答
伝えたいことは I(アイ)メッセージで
まずはダメな方法から。「そんなの怪しいからやめなよ」「だまされてるんじゃない?」…。
このように頭ごなしに彼の行動を決めつけて、目を覚ましてもらおうとするのは得策ではありません。そもそも聞く耳を持たないでしょうし、プライドを傷つけられて怒り出すかも。別れ話に発展することもあり得ます。
では次におすすめの方法を。「私は、怪しいと思う」「私は、あなたが心配だ」…。このように徹頭徹尾「私は〜〜だ」という話し方をしましょう。これを「I(アイ)メッセージ」と言います。この話し方であれば「あくまで私の考えだけど」と冷静に意見を伝えることができます。繰り返しになりますが「あなたってどうしてそうなの?」「あなたは間違ってる!」という「Youメッセージ」ではなく、「私はこう思うけど、あなたはどう?」という「Iメッセージ」こそが、人が人と話し合うときの基本です。仕事でも友人関係でも使えるのでぜひ覚えておいてください。
さて、こういう風に言えば彼がすっかり改心するかといえば、まあ、それはないでしょう。人の性格は彼女からの忠告ぐらいじゃ変わりません。「え…それなら言っても意味ないじゃん」と思いますか?そんなことはありません。意味はあります。あなたの良心が救われます。
万が一、将来彼が怪しいビジネスに手を染めてやばい道に転落していったときに「あのとき止めるべきだった」と後悔するのはイヤですよね。言うべきことはきちんと言っておく。そうすれば最悪の事態になったときでも、あなたの気持ちは平穏に保たれます。
彼のためではなく、あなた自身の気がすむように。「Iメッセージ」で思いの丈を伝えてみてください。
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