自粛期間に観たい！映画ソムリエの推し「Netflixオリジナル作品」４選

テレビドラマ「glee グリー」のライアン・マーフィが監督を務めただけあって、「glee グリー」を約2時間に濃縮したような贅沢さです。舞台はインディアナ州の田舎町。女性カップルのプロム参加を問題視された上に、参加を禁止され、落ち込んでいた同性の恋人を持つ女子高生ディーディー。そんなディーディーを応援することで、自らのイメージを挽回しようとしている落ち目のブロードウェイスターたちがニューヨークからインディアナの町に乗り込んでくるというお話。

今季最高傑作と名高いミュージカル映画で、キャストがとにかく豪華。大女優メリル・ストリープは70歳越えとは思えないエネルギーを放っています。トップに君臨する女優パワーを浴びて、こちらもエネルギーをもらえます。「ムーランルージュ」のニコール・キッドマンは、53歳の現在も美脚健在。ギラギラしたスターが並びきらびやかでどのシーンも画面が華々しい限りです。
これから人生が始まる若い人を応援しようとする大人たちにも、それぞれ深い悩みがあるので「みんなそれぞれ色々あるよね」と豪華スターたちとマブダチ気分にもなれるという効力も。「プロムナイト」がテーマの華やかな映画なので、ホームパーティー用のムービーとしても推せますし、ちょっとした嫌なことなんて、全て忘れられるほど歌って踊ってスッキリさせてくれます。

187センチの高身長に悩み、目立たないようにいつも背筋を丸めているジョディは、交換留学生に恋したことをきっかけにコンプレックスを克服する決意をしたけど…というお話です。低身長男子×高身長女子の学園ムービーで、中原先生による『別冊マーガレット』で連載されていた胸キュン漫画『ラブコン』のトキメキがかえってきました。この映画、ラブコメ風を装っていますが、別名“自己肯定感の聖書”です。誰しもが持つコンプレックスを題材に“自信を持って生きることの大切さ”というストレートなメッセージを届けてくれる威力抜群の1本です。

この映画から伝わるのは、「キレイになりたい」と思う女子ってなんて尊いんだ…ということ。でも、その最初の１歩は化粧品でもお洋服でもなくて、今の自分を否定しないことだと言うことを教えてくれます。コンプレックスは克服するものではなく、受け入れるものと学べます！恋愛映画ですが、ラストには伏線があり、感動もひとしおです。余談ですが高身長主演女子を演じるエヴァ・ミッシェルがゴシップガールのブレイク・ライヴリーとどこか似たお顔立ち。2002年4月10日生まれで公開当時17歳という注目のスターです！

この作品、マミーポルノと呼ばれ全世界で話題になった『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』のティーン版と名高く、女性のためのソフトポルノと巷で話題の作品です。「アフター」という映画の続編ですが、２作目からでも十分楽しめます。相思相愛だけどなかなかうまくいかない2人の男女がいることを押さえておいてください。初めて本気で恋をした男性に裏切られ、傷ついたテッサ（ジョセフィン・ラングフォード）は、過去を振り切り前に進むのか、もう一度この恋にかけてみるのか決断を迫られることになります。ちょい悪でセクシーな元カレか、イケメンで優しいインテリ同僚か。三角関係的な2人の間で揺れる恋の物語で恋愛ゲームのような有難い設定です。

原作はワン・ダイレクションのハリー・スタイルズのファンがハリーとの妄想を書き起こしたもの。推し活の流行するこの時代の素晴らしい妄想力に感謝です。主人公2人がオフィスのデスクやら、シャワー室など、脳の中枢を刺激する少々過激なシチュエーションでイチャイチャ…。妄想の力は無限大です。ハリー・スタイルズをモデルにした男性を演じるのは、ヒーロー・ファインズ＝ティフィン。名前は覚えにくそうですが、ハリーポッターの宿敵ヴォルデモートを演じるレイフファインズの甥っ子でイケメンです。視聴者のことを目で殺しますが、ヴォルデモートの気配はなくて安心です。主人公のテッサを演じるジョセフィン・ラングフォードは、東の今一番注目の美女。彼女のお姉さんは、Netflix『13の理由』ハンナ役のキャサリン・ラングフォード。定期的にハリウッドでは全世界が注目する姉妹が登場しますが、今の1番の注目は間違いなくこの姉妹。覚えておいて、まず損はなし！

昨年から生活が大きく変化し、戸惑うことも少なくないですよね。頑張りすぎで、真面目すぎで、誰にも頼れない。孤独を感じている。そんな貴方のための映画です。姉を交通事故で亡くしてその喪失感から橋から飛び降りようとしているバイオレット（エル・ファニング）は、偶然その場所をランニングしていたセオドア（ジャスティス・スミス）によって救われます。彼もまた、精神面に問題を抱えていたのです。バイオレットは、セオドアと過ごすうちに笑顔を取り戻していくが……というお話。少々重いストーリーですが、とにかく世界観が美しいです。主人公の２人とも、繊細な人間性。だからこそ、選ぶ言葉が美しいし、何気ない景色も”繊細な感性を持つ人フィルター”をかけてみれば、どこもかしこも詩的な世界。日常の風景美を気づかせてくれます。色彩や光の射し込みかたがとても美しくてアートに触れているような、眺めているだけで穏やかな気分にもなりますよ。

静かな映画なので、自分と対峙したい夜にぴったりです。誰かに頼っても許されること、病む前に、誰かに話を聞いてもらうことの大事さを伝えてくれます。そしてそれだけじゃなく同時に、誰かが“生きたい”と思う理由になりたいと思える映画。深いです…。主人公を演じるエル・ファニングは現在22歳ですが、２歳の時に『I am Sam アイ・アム・サム』（01）でスクリーンデビューしているので芸歴なんと20年以上。絵本に出てくるような可憐な美少女ですが、芸能界に揉まれているせいか瞳の奥に強い意志を感じます。