辛酸なめ子の「おうちで楽しむ」イケメン2020 vol.15|アジアにはまだまだ知らないイケメンがいっぱい!|

アジアのイケメンと言えば、まず韓国、次にタイや中国あたりがホットスポットですが、あまりなじみのない奥地や新興国にも知られざるイケメンたちが潜んでいるはず…。昨年、中国で大ブレイクし日本でもニュースになっていた「チベットイケメン」を手がかりに、辛酸なめ子さんとアジアのまだ見ぬイケメンたちを掘り出してみました

素朴さや安心感に癒されるアジアの注目イケメン4選

時代はアジアのイケメンへ……そ

時代はアジアのイケメンへ……そんな予感を覚える2021年の年明けです。欧米の先進国のイケメンはルックスも富も名誉も持っているけど、どこかクールで近寄りがたいものを感じさせます。
一方、アジアのイケメンを目にした時の安心感はどこからくるのでしょう……。日本人もアジア人だからか、共通しているDNAを感じつつ、素朴さや懐かしさにも惹かれます。おしゃれすぎないファッションも萌え心を刺激。日本人のイケメンが失いつつある大切なもの、純粋さを今も持っているようです。ここ最近注目のアジアのイケメンを挙げさせていただきます。

 

いきなり大ブレイクしたチベットのピュアな青年 ディン・ジェン 

チベット Ding Zhen 
AFLO

チベット Ding Zhen ディン・ジェン 2001年5月7日生まれ
昨年12月に突如、大ブレイクしたチベット人の青年。片耳ピアスに民族衣装のレイヤードと厚めの前髪が今風でおしゃれです。一見、日焼けした精悍な顔ですが、目鼻立ちはアイドルのようで瞳がとにかく澄んでいて、ピュアなヴァイブスが魅力。「甜野男孩」(=スイートさとワイルドさを併せ持った青年)と呼ばれているそうです。偶然、四川省の小さな村に旅行に来た写真家に動画を撮られ、山を背景に笑顔を見せる短い映像がネットにアップされたとたん、大人気になりました。それまでヤクや馬の世話をしていたのが、リタン県の観光大使として小さな国営企業で働くことに。お母さんは生活が安定したと喜んでいます。
チベット族自治区政府によって「丁真的世界」というプロモーション映像も作られました。白い馬に乗って高地を駆け抜け、湖に小石を投げ、清流で顔を洗う……そして同じくイケメンの弟と並んで乗馬。自然の中で「ヒャーホホゥ!!」と叫び、焚き火を囲んで歌ったりと、自然体のディン・ジェンの姿に心が洗われます。合間には雄大な大自然の映像が。ナレーションで流れる彼のメッセージ「私は人里離れた地に住んでいて、外の世界を手放しましたが、山や川を手放したことは一度もありません」「多くの人が私に尋ねます 『夢は何ですか?』と。私にはまだ明確な答えはありませんが、ただ馬に乗って山を越えたい……これが私の世界です」といった素朴な一言一言が心に響きます。そして日本の男子よりも生命力やサバイバル能力は強そうで、今のような地球的危機の時こそ頼りたいイケメンです。

アジア全般でウケそうなネパールイケメン ディヒラジ・マガール

ネパール Dhiraj Magar ディヒラジ・マガール 1995年9月10日生まれ
ネパールのイケメンはタイ男子と似ている雰囲気もありつつ、ユルさよりも精悍さが際立っているイメージです。日本人の心にもヒットしそうなイケメンがディヒラジ・マガール
。2018年「Intu Mintu London ma」という映画で主演し、人気になりました。ミーラとイシャンという男女が親の反対や試練を乗り越えて結ばれるロマンティックなラブストーリーのようです。映画の曲がYoutubeにも上げられていますが、どこかインドっぽいメロディで男女がドラマティックな振り付けで歌い合い、女性が花畑で踊り出したりしていました。おしゃれ系に走らない素朴な映像が良いです。ただ、バックハグを何度もしたり、観光バスで抱き合ったり、ソファやハンモックでイチャついたりと終始、彼女役の女優とベタベタしているMVなので女性ファンは複雑かもしれません。
「Answering Your Questions」というYouTube動画ではファンからの質問に答えていて、とにかく爽やかで誠実そうでした。イギリス育ちでロンドンの名門大出身なだけあって英語も流暢です。最近、軍隊の訓練に参加して楽しかったとか、ロックダウン中は脚本を読んだり次の仕事の準備をしていたとか、俳優は簡単な仕事ではないけれど他の人生を演じることができるとか、意識の高い発言の数々。ファンからの質問のうち何割かは「彼女はいますか?」というものだったそうですが、「彼女は長いこといません!」と「NOT」を強調。彼の瞳に嘘はありませんでした。

鍛えすぎた肉体とあふれ出るモンゴル感 クフスレン・カーン 

モンゴル Khuslen Kh
(C)Everett Collection/AFLO

モンゴル Khuslen Khan クフスレン・カーン 1992年生まれ
マッチョ! 童顔!犬顔! と、好きな人にはたまらない要素を持ったモンゴル出身(現在はアメリカ在住)のイケメン
。クフスレン・カーンはモデル、俳優として活躍しています。とにかく鍛えすぎなほど鍛えまくっていてインスタ(※現在は非公開)の写真の多くはジムの写真と筋肉の写真……。肉体から浮き上がっている血管がエロいです。6パックに見とれていたら、時々、奥さんや子どもの写真が出てくるので油断できません。
インタビューサイトによると、体を鍛えるきっかけは鬼のように強かったアメリカ人の父が、ベンチプレスセットやスクワットラック、ペックデッキなどを買ってくれたことだそうです。父親以外には「ドラゴンボールZ」の悟空も尊敬しているとか。週に6日、1~2時間運動することで美しい筋肉を保っています。翌日痛くなるのが理想的なトレーニングで、痛みが来ないのはイヤだそうです。M系男子なのでしょうか。彼もどこかピュアな雰囲気なのは心が美しいからかもしれません。最終的には、飢えや水不足に困っている国の子どもたちを救いたい、という素晴らしい目標を持っています。優しい瞳に吸い込まれそうになるイケメンです。

ルックスもタトゥーもケタ外れ!なミャンマーイケメン パイン・タコン

ミャンマー Paing Takhon パイン・タコン 1996年9月17日生まれ
ミャンマー出身のパイン・タコンは10頭身級のプロポーションの持ち主。ロン毛でタトゥーなのに清潔感が漂うイケメンです
。2014年にモデル活動を始め、2017年に俳優デビュー。2016年にはミャンマー代表として東南アジア諸国のセレブが集結した「アセアン・セレブリティ・エクスプローラークエスト・マレーシア(ACEQM)2016」に参加。東南アジアで注目度を高め、タイの女子にも大人気。タイでファンミーティングを開いたりミャンマー観光大使に就任したりしています。タイには十分なほどイケメンがたくさんいるのに、さらにミャンマーのイケメンも求めるとはタイ人女子はアグレッシブです。パイン・タコンはミャンマーでは数多くのブランドのアンバサダーを歴任し、ミャンマーを代表するようなイケメンです。
動画を見ると商業施設のイベント会場に現れた彼の周りを女子たちが取り巻いていました。手を合わせて挨拶するのはタイ人と一緒で好感度が高いです。しかしシャツを脱いで半裸になるとそこにはイカついタトゥーが……。亀甲みたいな模様や龍や目玉や花など、かなりの密度で彫られています。インスタを見ると足にもタトゥーがびっしり。そして写真には「#tattoo #tattoos #tattooideas #tattoos_of_instagram #tattoolove #tattooboy #tattooguys #tattoomodels #tattoolover」と、大量のハッシュタグが付けられていて、タトゥーが好きすぎるのが伝わります。タトゥーまみれでも動物をかわいがる姿にギャップ萌え。しかも歌手としてデビューアルバムを発売した時には全売上げを孤児院に寄付したという……。ワルそうなタトゥーとのギャップが反則レベルです

アジアのイケメンは、とにかく優しいです。恵まれなかったり不便な生活を知っているからか、自分が成功したら、困っている人を助けたいと思っています。善行によって何歳になっても内面の美しさがにじみ出ていそうな、そんなサスティナブルな将来性を感じます

辛酸なめ子 イケメンや海外セレ

辛酸なめ子
イケメンや海外セレブから政治ネタ、スピリチュアル系まで、幅広いジャンルについてのユニークな批評とイラストが支持を集め、著書も多数。近著は「スピリチュアル系のトリセツ」(平凡社)、「辛酸なめ子の世界恋愛文学全集」(祥伝社文庫)、「女子校礼賛」(中公新書ラクレ)など。

撮影(辛酸さん)/村山元一(SIGNO) 構成/CLASSY.編集部

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表紙モデル:堀田茜

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