キリッとクールな顔、ふにゃっと柔らかい顔――作品ごとにくるくると変わるその表情が 圧倒的に魅力的な女優、吉高由里子さんも、実はそろそろCLASSY.世代。アラサーのCLASSY.的 ファッションと、10月公開の主演映画『きみの瞳が問いかけている』について、語っていただきました。
ラフなTシャツ&デニムがメンズっぽいジャケットできちんと見えるのが好き
ジャケットはいろいろな着こなしができるところが好きで、たくさん持ってます。かっちりとしたものよりも、ゆったり羽織れるものが着やすい。黒も多いけれど、おじいちゃんっぽい(笑)チェックも使い勝手がいいんです。根が〝メンズライク〟なので、そんなスタイルが落ち着きます。
映画『きみの瞳が問いかけている』についてインタビュー
映画を観終わって最初に頭に浮かぶ顔が いちばん大切な人ではないかと思うんです
視力を失った女性を演じるのも初めてでしたし、恋愛が主軸という作品は久しぶりでした。撮影前に視覚障碍の方に実際にお会いしてお話を伺ったり、生活ぶりを見せていただいたりしましたが、作品を観てくださる方にリアルに伝わるだろうかと迷いながらの役作りでした。実際に自分で体験した感覚でしかできないので、探り探り…。電気を点けないで生活してみたり、何度も練習を重ねるうちに、目が見えないことで逆に敏感になるというか…。指先に物が近づいてくる時に、空気の動きや温度を感じる瞬間があったんです。〝見えない〞分、むしろ〝見えている〞部分がたくさんあるんだろうな、ということがわかりました。
私が演じた「明香里」という女性は、普段は前向きで明るく振る舞っていると思うんですけど、やっぱり淋しさとか苦しさっていうのは心の奥にあって。でも、それを外には決して見せない、芯の強い人だなと思いました。いつもポジティブで健気で、それでまわりも影響されて彼女に引きこまれていくんだなという感覚がありましたね。
この作品で初めて共演させていただいた横浜流星さんとは、8歳という年齢差。少し感じる照れくささを捨てて、正直に向き合おうと思いました。流星さんはすごくまじめで純粋で、役者さんとしては優しい声が印象的で、いろいろな表情を持っている方。今回の作品では目を一切合わせないお芝居だったので、多分流星さんにとっても難しかったと思います。体がいくつあっても足りないくらい忙しいはずなのに、一生懸命向き合ってくださっていた印象です。
クラッシィを読むと、みなさん大人っぽいですよね。少しお姉さんに見えると思ったけれど、実は私と同世代なんですよね(笑)。そんな同世代の読者のみなさんに、この作品をご覧いただけたら嬉しいです。ひとりで観ても、誰かと観ても、観終わった時に、いちばん最初に浮かぶ顔。それがみなさんにとって「いちばん大切な人」の顔なんじゃないかなと思います。
映画『きみの瞳が問いかけている』
目は不自由だが明るく愛くるしい明香里(吉高由里子)と、罪を犯しキックボクサーとしての未来を絶たれた塁(横浜流星)。暗闇で生きてきた2人が初めて見つけた、ささやかな幸せ。だが、あまりに過酷な運命が彼らをのみこんでいく――。監督:三木孝浩 出演:吉高由里子 横浜流星 配給:ギャガ 10/23(金)全国公開
吉高由里子
女優。1988年7月22日生まれ。東京都出身。映画『蛇にピアス』での高い演技力が絶賛を浴び数々の映画賞で新人賞を総なめに。NHK連続テレビ小説「花子とアン」でヒロインに抜擢。TVドラマ「東京タラレバ娘」「知らなくていいコト」での好演も印象に残る。
モデル/吉高由里子 撮影/YUJI TAKEUCH(I BALL-PARK) ヘアメーク/RYO スタイリング/荒木里実 取材/志摩有子