秋を迎え、大学進学を目指す高校生も、本格的な受験モードに入る頃です。大学受験の「国語」の世界でも、避けて通れないのは、やはり定番の出題は漢字の読み書き。確実な得点源になる反面、ミスをすれば自分の足を引っ張ることになりかねません。誰もが読めるような簡単なものが出題されることもありませんし、逆に全員が読めない超難問も、まずありえません。私のイメージでは、正答率6割程度のものといったところでしょうか? 今回は、そのような入試頻出語から、日常生活でも目や耳にする機会のあるものを選んでみました。もう何年か前に、受験を「卒業」した皆さんも、挑戦してみましょう。
意外に読めない!?漢字の読み方3選
1.「吹聴」
最初は、「自慢話を吹聴して歩く」の「吹聴」です。意味は、「得意げにあちこちに言いふらすこと」。さて、何と読みますか?
正解は、「ふいちょう」です。誤答のほとんどが「すいちょう」となります。それも道理で、常用漢字表で「吹」の音訓は「スイ/ふ・く」しか示されていません。辞書の中には、「もとの用字は『風聴』で純粋の漢語ではない」としているものがあります。とすれば、用字そのものが「風→吹」に変わり、発音そのものも「ふうちょう→ふいちょう」と変化していったものと考えられます。「吹く」という動詞の意味の中には「大げさなことを言う」というのがありますから、「吹」の字のほうが何となく合っていますね。
2.「遵守」
次は「交通規則を遵守する」の「遵守」です。意味は、「言われたことやきまりなどをよく守ること」。さて、何と読んでいますか?
「そんしゅ」と読んだ方はいませんか? 正しくは「じゅんしゅ」です。字形が似た漢字である「尊」は「ソン」と音読みしますから、これに引かれて「そんしゅ」としてしまいがちです。常用漢字にも入っている漢字「遵」の読みは、音読みの「ジュン」のみで、「したがうこと」という意味を持ちます。ですから、意味も発音も同じ「順守」と書くこともあり、特に新聞などではこちらを使います。
3.「更迭」
最後は、「成績不振で監督が更迭された」の「更迭」です。この言葉が使われるケースから「ある地位や役職にある人を入れかえること」という意味は何となく想像できますが、やはり高校生にはなじみが薄いせいか誤答率が高い漢字です。さて、何と読みますか?
正解は「こうてつ」です。誤答は、ほとんど「こうそう」となります。たしかに、「送」という字とよく似ています。手書きの機会は少ないかもしれませんが、注意しましょう。なお、常用漢字にも入っている反面、「更迭」以外で用例はほとんどありません。しかし、「更迭」自体、当事者としてお目にかかりたくにはなりたくはないものですね。
この大学入試頻出語のシリーズ、まだまだありそうなので、近いうちにまた。
《参考文献》
・「新明解国語辞典 第七版」(三省堂)
・「明鏡国語辞典 第二版」(大修館書店)
・「広辞苑 第六版」(岩波書店)
・「新字源」(角川書店)
・「朝日新聞の用語の手引き」(朝日新聞出版)
・「頻出入試漢字コア2800」(桐原書店)
文/田舎教師 構成/CLASSY.ONLINE編集室
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