「5年以上昔の服を、今でも着るのはアリですか?」ベテランスタイリストさん達の回答は…

ジュエリーやバッグに比べてローテーションが早い服たち。今買って5年先まで着られるとしたら、それは間違いなく名品。断捨離する時も絶対残って、トレンドに左右されず、変わらず着たいと思うものって?その答えをCLASSY.のファッションを支える、辛口派と甘口派のスタイリスト二大巨匠に聞いてみました!

【対談】辛口スタイリスト荒木さん×甘口スタイリスト乾さん

ずっと変わらず自分が好きなアイテムこそベーシック服。着こなしで今っぽさは足せる!

荒木:5年以上着てる服、私は結

荒木:5年以上着てる服、私は結構あるよ。気分もあるから毎年着てないものもあるけど、5年クローゼットにあるってことは自分の好きなものに間違いないから。
乾:さっちゃん(※荒木さん)、体型の変化とかもあると思うけど5年大丈夫?(笑)
荒木:ははは!(爆笑)うるさいな〜!でも5年って大人なら体型の変化は少なからずあるよ。それも考慮して選んでおくのも、5年着られるポイントの一つかも?
乾:私はかなり断捨離するけど、さっちゃんと同じように結局残るものって自分が好きなものだと思う。好きなものは限られているから、それこそアイテムでいうと5つくらい?私ならツイードジャケットだったり甘ブラウスで、そのアイテムのバリエーションがクローゼットにたくさんあるイメージ。

荒木:しばらくツイードは寝かせてたけど、最近また戻ってきたから着ようって感じだよね。
乾:そうそう。はるか昔のツイードも好きだから取ってあって、今年着ようと思ってる!自分的に大好きなアイテムがトレンドとして戻ってきたら「しめしめ♡」と思って引っ張り出す。だからまずは自分の好きなアイテム=ベーシック服を見極める必要があるのかな。
荒木:自分の中のベーシック、まさにそれがポイントな気がする。過去のCLASSY.の自分のスタイリングを見てびっくりしたんだけど、スカート丈は違えど2014年からダンガリーシャツとフレアスカートの組合せをすでにしてたから。8年前なのに、今と全然変わってないの!(笑)だから大人になると特に好きなものってずっと変わらないんだって、再確認したところ。
乾:超いい意味で更新してないってことね(笑)。でもそれが自分らしいベーシックの正解なのかも!

荒木:あとはスタイリング次第だよね。そのアイテムが5年前に買った当時のままに見えるのか、最近買ったように見えるのかは、小物とか〝合わせ〟で解決できる。それこそコアラ(※乾さん)と私って甘口と辛口でテイストは違うけど、実はお揃いのアイテムを持ってたりするもんね。着方や合わせ方が違うだけで。
乾:たしかに!最近色違いで買ったキャミワンピも、さっちゃんはシンプルなノースリ合わせで着ていたけど、私は中にフリルブラウスを重ねて盛りたくなるもん。
荒木:アイテムは同じであっても、着こなしで自分らしさやパーソナリティは出せるよね。
乾:あとさっちゃんのスタイリングは、色や素材選びに強さと勢いがある!
荒木:そうだね。ハリのある素材とか、パキッと色のコントラストがあって、シンプルなワンツーコーデで決まる着こなしが好きだから。
乾:私はディテールの凝ったものや要素が多いものに惹かれるから、色や素材に関しては柔らかくて主張が控えめなものが多いの。
荒木:逆に〝重ねる〟〝盛る〟スタイリングを学びたいよ。コアラのモードっぽい甘さやクチュール感のある着こなし、大好きだから。
乾:ありがとう!私は洋服もアクセもちょこちょこ重ねちゃうから、さっちゃんみたいに潔くTシャツにデニムとかやりたいよ(笑)。
荒木:今までの話をまとめると、5年着られるかはそのアイテムが自分の好きなベーシックであるかどうかってことだね。流行りはあれど、私たちが昔から変わらず着てるものってそういう服。
乾:好きなものが人それぞれあるように、自分と人のベーシックアイテムは違うというのが基本の考え方。

スタイリスト・荒木里実さん
カッコよさを引き出す辛口アイテムを軸に、女らしさを加えたスタイリングが人気。カバーも長年担当し、スタッフから「師匠」と尊敬されている。

スタイリスト・乾 千恵さん
大人がときめく甘いディテールや色物を取り入れた、上品でフェミニンなスタイリングが得意。まさに歩くドラマチック!あだ名は「コアラちゃん」。

撮影/須藤敬一〈人物〉、魚地武大(TENT)〈静物〉 モデル/愛甲千笑美、山崎紘菜 ヘアメーク/シバタロウ(P-cott) スタイリング/乾 千恵 取材/広田香奈 撮影協力/THE_B 再構成/Bravoworks.Inc

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最新号 202405月号

3月28日発売/
表紙モデル:山本美月

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