【診断つき】気になる「腸年齢」チェックリスト【ウイルスに強い人の特徴も】

私たちがウイルス感染に対して体を守る方法として基本になるのは、手洗いや消毒、マスク着用などの対策といわれていますが、免疫力を高めてウイルスに打ち勝つということもよく聞かれます。実は免疫力を高めるには「腸内環境」を整えることがとても大事!今回は、腸内フローラを整えて免疫力アップする方法・対策についてご紹介します。

まずは、現在のあなたの「腸内環境」をチェック!

腸年齢チェックシート

【腸年齢チェック結果】

●チェックが 4 個以下 腸年齢≒実年齢
あなたの腸年齢は実年齢と同じくらいか、それより若く、理想的です。今の生活を続けてください。ただ
し、腸内環境はちょっとしたストレスや生活習慣の乱れに影響されますので、油断は禁物です。
●チェックが 5〜9 個 腸年齢=実年齢+10 歳
あなたの腸年齢はまずまずです。これ以上、腸年齢が上がってしまわないように、生活の改善を考えま
しょう。
●チェックが 10〜14 個 腸年齢=実年齢+20 歳
あなたの腸は老化が進行し、危険な状態にあります。今すぐ、食事や生活習慣を改善しましょう。
●チェックが 15 個以上 腸年齢=実年齢+30 歳
あなたの腸年齢はすでに高齢者です。今すぐに食習慣の変更や運動を始める必要があります。これま
での生活習慣を謙虚に反省し、手を付けられるところから変えていきましょう。

※[ 辨野義己 先生監修 <ビオフェルミン製薬 HP より> ]

免疫力が高くウイルス感染に強い人は「腸内細菌のバランス」がよい!?

腸内の善玉菌を増やし、種類豊富な腸内フローラをつくろう

“腸の名医”である消化器病の専門医、医学博士 江田クリニック院長の江田証先生にお話を伺いました。
「細菌やウイルスなどの病原菌を撃退してくれるのが、体に備わった免疫です。免疫システムを担っているのは免疫細胞ですが、腸にはこの免疫細胞の約70%が集まっています。つまり腸は、免疫のカギとなる臓器です。小腸の粘膜では細胞同士が手をつないだ状態で、病原菌などが体内に入り込まないようにバリアし体を守っています。しかし、腸内環境がよい状態、つまり腸内フローラのバランスがよい状態に保たれていないと、そのバリアが弱まり有害なものが体内に入りこんでしまい、体の不調や病気につながります。また、腸内フローラの多様性が失われた場合も、腸粘膜のバリア機能が衰え、免疫力が低下します。免疫力が高く感染に強い人や長寿の人は、腸内フローラのバランスがよいと考えられています。私たちは、誰一人として同じ腸内フローラをもっている人はいません。腸内フローラが違えば、その腸内フローラに合う食品も異なります。偏った食事や間違ったダイエットでも腸内フローラは乱れてしまいます。自分の腸内環境に合った食事法を手に入れていただきたいと思います」

免疫力が下がる原因は?

私たちの体は免疫の仕組みによってウイルスや細菌などの病原体から体を守っています。しかし現代人の生活では、免疫の仕組みが正しく働かない要因が増えています。免疫力低下の原因は様々ですが、主なものとしては、次のようなものがあります。

免疫力が下がる原因

① ウイルス・病原菌などの外的要因
② 加齢
③ 睡眠不足などの生活習慣
④ 偏った食生活
⑤ 運動不足
⑥ ストレス

解説していただいたのは 医学博

解説していただいたのは
医学博士 江田クリニック院長
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
江田 証 先生

腸内細菌の種類と違い

腸内環境は長い期間をかけて、自
ビオフェルミン製薬HPより

腸内環境は長い期間をかけて、自身の食習慣や生活習慣によって作られるものです。私たちの腸内には、多種多様な細菌が生息しており、それらはなんと、約1,000種100兆個。主に小腸から大腸にかけて生息しており、これらの様々な細菌がバランスをとりながら腸内環境を良い状態にしています。腸内細菌には、人体に良い影響を与える善玉菌と悪い影響を与える悪玉菌、どちらでもない日和見菌があり、生活習慣や食生活の影響を受けてそれぞれ数を増やしたり減らしたりしています。

●善玉菌とは… ビフィズス菌や
ビオフェルミン製薬HPより

●善玉菌とは…
ビフィズス菌や乳酸菌など。善玉菌がつくる酸により、腸内環境が酸性側に保たれることで悪玉菌の増殖を防ぎ、さまざまな病気のもとになる物質が発生しないようにする役割を担っています。
●悪玉菌とは…
代表的なものはウェルシュ菌やブドウ球菌など。腸内の環境をアルカリ側にして有害物質を増やします。
●日和見菌とは…
腸内で優勢な菌を味方する特徴があります。善玉菌が多い腸内環境では特に悪さをしませんが、悪玉菌が増えてくると悪玉菌の味方になります。

ただし悪玉菌といっても、消化・吸収を助けたり免疫機能を高めたりと、身体の健康を維持するために必要な役割も果たしています。つまり腸内環境が“よい”状態とは、多種多様でバランスよく腸内細菌が存在していることです。腸内細菌が善玉菌優位であれば消化を助けてくれたり、ビタミンやホルモンの一部を作ってくれたりする共生関係を保ち、そのことにより免疫力が高まることがわかっています。

理想的な『腸内フローラ』に整えるには?

理想的な『腸内フローラ』に整えるには、善玉菌を摂るのが良いといわれています。また、善玉菌のエサとなるものと合わせて摂ることで、より効果を期待できます。身体に良い善玉菌を含むものをプロバイオティクス、その善玉菌の栄養源となるものをプレバイオティクス、そして両方を合わせて摂ることをシンバイオティクスと呼びます。善玉菌とエサをセットで摂ることで、より効果的に『腸内フローラ』を整え、健康を促進するといわれています。

「ヨーグルトや納豆などの発酵食
※FODMAP とは「オリゴ糖」「二糖類」「単糖類」「ポリオール」を示し、IBS の人では FODMAP を含む食品を食べすぎると、腹痛や下痢またお腹にガスがたまることがあります。

ヨーグルトや納豆などの発酵食品には乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が含まれ、整腸効果が期待できます。また、食物繊維の摂取も大切です。便秘気味の人は特に水溶性の食物繊維を意識して摂りましょう。ただし、過敏性腸症候群(IBS)の場合、発酵食品や食物繊維を摂るとかえって便秘や下痢の症状を悪化させてしまう場合も。IBSの人は、高FODMAP※の食品をとると症状を悪化してしまうこともあるので注意が必要です。摂りすぎに注意したいのは、肉類です。高脂肪、高タンパクに偏った食事は、腸内フローラのバランスを崩す原因に。便秘などの症状があり、食事だけでの改善が難しい場合は、整腸剤やサプリメントを活用することもおすすめします」(江田クリニック院長・江田証先生)

腸の働きをコントロールしているのは…自律神経!

「自律とは、他からの支配・制約などを受けずに、自分自身で立てた規範に従って行動する」神経系統であり、心臓や血圧、消化管、発汗、ホルモン分泌など自分の意思では調節できない系統です。この自律神経は2系統で調節されています。活動しているときに活発な「交感神経」とリラックスを司る「副交感神経」があり、身体のリズムを保ってくれています。実は、腸の働きをコントロールしているのは、自律神経。交感神経と副交感神経がそれぞれ優勢になることによって、腸の弛緩・収縮が行われるため、自律神経のバランスが乱れると腸の動きも乱れ、便秘になったり、お腹をこわしてしまう可能性があります。
ヒトは活発に活動している時間が長いと、交感神経が優勢になりやすいうえ、加齢とともに副交感神経の働きが低下するという研究報告も見られます。この交感・副交感神経の一方が緊張し続けると、いずれの場合も免疫力が落ちることがわかっています。ですから、適度な緊張(日中は交感神経優位)とリラックス(夜間は副交感神経優位)というメリハリが必要だと考えられます。そのためには、しっかり休息すること、リフレッシュのために適度な運動をすることなど、十分な睡眠と、疲れ・ストレスの解消が欠かせません。

取材協力/ビオフェルミン製薬(https://www.biofermin.co.jp/) 構成/CLASSY.ONLINE編集室

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