ここ数年で頻繁に耳にするようになった、「腸活」というキーワード。健康や美しさのために大切なのは分かるけど、具体的には何をしたらいい?美容皮膚科医直伝の腸活メソッドを参考に、体の内側から〝美〟にアプローチして!
今すぐ取り入れたい〝一歩先行く〟腸活6大メソッド
\美容皮膚科医の視点から教えます/
1.発酵食品は〝夜〟に摂るのがベスト!寝ている間の吸収率が上がり、効率的に良い菌を摂取
「副交感神経が優位になる就寝中は、腸の吸収率がアップ。忙しい朝に栄養を摂るより、夜の方が良い菌が増える可能性が高くなります。おすすめは味噌汁や納豆、漬け物、キムチなど、和食を中心とした発酵食品。実はヨーグルトも夜に食べるのが◎。電子レンジで20秒ほど体温程度に温めて食べるとより効果的です」
2.夕食から朝食までの時間を10~12時間空けて!内臓を休ませる時間を作ること
「消化によって腸が動き続けている状態だと、どの臓器よりも血流を使うため疲れてしまいます。ポイントは、『腸に食べ物が入ってこない時間』と『体が休んでいる時間』が同じであること。夜は20時までに夕食を食べて、朝食は6時以降に。ファスティングをしなくても、食事時間をコントロールすることで十分内臓は休まります」
3.冷え=体の不調に!体を温める意識で腸の血流をアップ
「冷えた体は血流が滞り、臓器の働きも鈍化。この状態が続くと、様々な体の不調を引き起こす原因に。日々の入浴や適度な運動、冷たい飲み物・食べ物は避けるなど、体を温める意識を持ちましょう。温活は免疫力アップにもつながります」
4.量よりも〝質のいい〟睡眠。ホルモンバランスを整え、腸の蠕動運動を活発に!
「寝ている間に腸を休めることで、腸の蠕動運動が活発になります。ポイントは〝質の良い〟睡眠を取り、ホルモンバランスを整えること。脳から分泌されるメラトニンは、自律神経を整えるホルモンの一種。寝る前に部屋を暗くしたり、スマホをOFFにしたりすることで、メラトニンがきちんと出て、内臓がしっかり休まります」
善玉菌の数を増やして腸内環境を整えることが腸活であり、美の秘訣
よく肌荒れをする人、体調を崩しがちな人、アレルギー体質の人、疲れやすい人…、普段からこうした不調が多い人は、真っ先に「腸」を見直しましょう。というのも、免疫細胞の70%以上が腸に集まっているからです。腸内環境を整えることで、免疫力が向上します。つまりそれは、腸活が健康の源になっているということです。
体に不調があると、顕著にトラブルが表れやすいのが肌。肌は目に見える、人体最大の臓器だからです。腸内環境の乱れや便秘が続くと、腸内にアンモニアや硫化水素などの有害物質が生成されます。こうした腐敗した有害物質が腸に溜まり、さらに血液を通して体内を巡っていきます。肌まで到達するとニキビや肌荒れが発生するという流れです。腸が正常に動かず、便秘を引き起こす原因の一つが睡眠不足。腸の蠕ぜん動どう運動は副交感神経に支配されているため、リラックスして寝ている状態でないと腸は活発に動かないからです。睡眠不足が続くと、自律神経がうまく機能しなくなり、腸の動きが鈍って便秘になってしまいます。
逆に腸活を積極的にしている人の肌にトラブルが少ないのは、腸内環境が整っているから。では「腸内環境が整っている」とはどういう状態か?それは腸内細菌のうち、体に良い働きをする「善玉菌」の数と種類が多い状態のことです。これを「菌の多様性」といいます。菌に多様性があればあるほど免疫力が高まり、体も健康になるということです。
「善玉菌」は、大きく分けて乳酸菌とビフィズス菌の2種類が代表的。ヨーグルトなどの身近な食品で、皆さんも耳にしたことがあるでしょう。それに対して、腸の蠕動運動を抑制したり、腸内を腐敗させたり、体にとって悪い働きをするのが「悪玉菌」。ウェルシュ菌、緑膿菌、大腸菌、ピロリ菌、ブドウ球菌などが挙げられます。そんな悪玉菌と常にしのぎを削っているのが、善玉菌です。腸内に善玉菌の数が増えれば、その分、善玉菌が優位な腸内環境となります。健康はもちろん、美も体の内側から考えることが大事。日頃から善玉菌を増やす食生活を意識したり、睡眠や運動なども含めた腸活を通して、健康と美肌を目指していきましょう。
教えてくれたのは...高梨医院 院長・吉岡容子先生
一般皮膚科診療のほか、最新の美容医療まで、それぞれのニーズにきめ細かく対応。美肌や健康のためのインナーケア、生活指導も行う。
イラスト/本田佳世 取材/広田香奈 再構成/Bravoworks,Inc.
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