“気持ちのいいデニム”には、“気持ちのいい顔”が必要。その人自身の素敵さを引き出す技術に定評のある未和子さんに、デニムに似合うメークについて聞くとデニムのオシャレとヘルシーなメークの共通点が見つかりました。
デニムもメークも自分になじむ心地よさが大切
シーズンを通して着られて、普段にはもちろんドレスアップもできる。振り幅の広いデニムはその人自身が透けて見えるもので、穿き込むほどになじんでいく、その過程も楽しいですよね。私がクラッシィ読者におすすめしたいメークは、誰か別人になるためのメークではなく、自分自身と馴染んで際立たせる“ディファインメイク”。そんなヘルシーなメークがデニムに似合うはず。デニムもメークも、大人になったら自分をベースに確立していくものだと思います。
私がクラッシィ世代である30代の頃、何を着ていたかなと思い返すと…今とあまり変わっていないかも。ヴィンテージのデニムにシャツやニット、そして赤リップ。もともと普遍的なものが好きなんです。あれもこれも持っている人には憧れなくて、ひとつひとつを大切に、自分のものにしている方がかっこいい。そのときだけ、壊れたら終わりではなく、修理をして愛し続ける。そんな価値観は、高校を卒業してアメリカ・オレゴンに4年、その後ロンドンで6年を過ごした海外生活の中で培われました。ヨーロッパの階級社会を目の当たりにしたことも大きかったかも。トレンドを消化したらすぐその次。そんな日本のカルチャーや美意識に違和感を覚えることも正直あります。
誰しもいろんな自分になってみたいし、誰かになりたいと思うことだってある。理想の女性像を思い描くことで、自分を確立していくのだと思います。ただ気をつけたいのは、誰かと比較をしてネガティブになること。コンプレックスにとらわれて、このシミが、シワがなくなったらー何かをひとつ消したからといって、決してキレイになれるわけではありません。嫌いなところを消そうとしても、自分の気持ちが下がるだけ。それに長所と短所って、反転して起きていたりするんです。コンプレックスを否定するのは自分がなくなるのと同じ。いいところを伸ばせば悪いところが霞むと前向きに考えて。それに、メークでなら少し変われるから。「このデニムを穿いている自分、なんか好き」と同じ感覚で、「今日の私いい感じ」と思うためにあるのが、〝ディファインメイク〞です。
メークアップアーティスト・水野未和子さん
高校を卒業後アメリカ・オレゴンに留学、その後渡英。London College of Fashionでメークアップを学び、そのキャリアをロンドンでスタート。その人の魅力を引き立たせる唯一無二 のメークアップが支持を集める。instagram @mizuno.miwako
撮影/YUJI TAKEUCHI(BALL PARK) モデル/林田岬優 ヘア/Kazuki Fujiwara(Perle Management) メーク/水野未和子(3rd)スタイリング/荒木里実 取材/清水亮子 再構成/Bravoworks.Inc
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