「最近太ったかも…」。そんなときやりがちなのが、急に走ったり、夕食を抜いたり…といったこと。実はそれより先に見直すべきなのが、入浴、睡眠、お通じの3本柱。これを改善するだけで、ぐっと 痩せやすい体になるんです。ゆっくりできる年末年始に実践したい土台作り、その方法を教えます!
痩せるコツ=お通じを良くする!
大腸の動きをスムーズに!出やすくなる食べ物選びが重要です
まずは食物繊維が豊富な食べ物をとり、老廃物を排出させることが大切。あとは冷えに気を付け、血流を良くして大腸の動きを活発にしましょう。
【POINT1】とにかく“出る”食べ物を覚えよう
大腸に溜まった老廃物を排出するには2つの種類、水溶性と不溶性の食物繊維が2:1のバランスで必要です。不溶性が多いと便が硬く排出しにくくなるので注意を。
【STEP2】適度な運動を。歩けば腸は動きます!
運動は、大腸に溜まった便を〝直腸〟という便を排出するところに促します。軽いウォーキングでも腸が動くようになるので、便秘の人は体を動かして。
【STEP3】冬はとくに冷えると出なくなる。温めることが大切!
腸は冷えると動かなくなります。冬はとくに冷えやすいので、お腹周りを冷やさない工夫をすること。腹巻をすることでかなり便秘が改善されます。
おすすめアイテム
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プロの解説
お通じを良くする食材を取り入れ、腸を冷やさないということが大切!
実は、便秘と肥満の明確な因果関係は未だ解明されていません。ですが私の臨床経験からも、お腹が出っ張った肥満の女性には便秘の方が多いように感じます。そもそもなぜ太るかというと、それはカロリーをとりすぎているからで、便秘が直接の原因ではありません。ただ、冷えると腸が動かなくなり排便しづらくなるだけでなく、体の免疫反応や代謝が落ちると考えられるので、便秘を改善するという点ではもちろんのこと、ダイエットという点からも血流は良くしておく必要があります。また不要な老廃物を大腸できちんと出す食事をとることは、便の排出力を高めるだけでなくダイエットにもつながると言ってよいでしょう。
具体的に言うと、野菜や果物で不溶性と水溶性の食物繊維をバランス良くとり、たとえば味噌や醤油などに入っている植物性乳酸菌をとる。そしてたんぱく質は魚で補うというような、昔ながらの「一汁三菜」の食事がベストです。ここでおすすめしたいのがもち麦ご飯。もち麦には不溶性の食物繊維はもちろんのこと、一つの食材から多量にとることが難しい水溶性の食物繊維がたくさん入っているため、それだけで便秘を改善する効果が。またもち麦にはβ-グルカンという糖質の吸収を抑制したり、血糖値の急上昇を抑えたりする成分が入っています。白米と混ぜて炊いて 主食にすることで自然とダイエットにもつながるという優秀な食材なので、ぜひ取り入れてみてください。また、朝ご飯を食べないことには腸は動かないので、このような食材を使ったメニューを朝食に取り入れるのもおすすめです。
そして、冷えるとお腹が張ってしまうので、全身浴をしたり、腹巻をしたりして腸を冷やさない工夫をすることも欠かせません。逆に言うと腸の血流を良くすることで排便が促されます。そこで取り入れたいのが体を温める効果のあるエキストラバージンオイル。これは大腸で便の滑りも良くしてくれるので、便秘改善には欠かせない食材です。また、体内リズムをきちんと整えることも重要。本来、朝に排便しなくてはならないものを、そのタイミングを逃してしまうと出にくくなり、それが便秘の要因に。人間の体のリズムは決まっています。きちんと睡眠をとり、朝日を浴びて体内 リズムを整える。このような基本的な生活習慣と食物繊維の多い食事、そして体を冷やさない工夫が便秘を改善するのです。
教えてくれたのは…松生クリニック院長 松生恒夫先生
医学博士/日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。松島病院大腸肛門病センター診療部長などを経て2004年に 東京都立川市に松生クリニックを開業。現在までに4万件以上の大腸内視鏡検査を行う「。便秘が改善した!」という反響にお応えして、2018年1月11日に待望の文庫本も登場。『腸はぜったい冷やすな!』(光文社知恵の森文庫)
撮影/河野 望(静物) イラスト/more rock art all 取材/棚田トモコ 再構成/CLASSY.ONLINE編集室
※この記事は、『CLASSY.』2018年2月号を再編集したものです。