メールやLINEでのやりとりが多くなった現代。とはいえ、ビジネスシーンでは手紙や文書など、書面によるやりとりもまだまだ多いのではないでしょうか? この記事では、そんな“お知らせにまつわる難読漢字”をピックアップして4問出題いたします。1問でも正しく読めたら、かなりスゴイかも?
1.「玉章」
「玉章」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか? 「玉章」とは、「手紙」や「便り」、「恋文」などを美しく表現した言葉(美称)のことで、「美しい詩文」といった意味もあります。「玉章」は「ぎょくしょう」とも読みますが、今回は「たま」から始まるもう1つの読み方にチャレンジしてみましょう。
「玉章」の正しい読み方は……
「たまずさ」です。
ちなみに、「玉章」の語源は「玉梓(たまあずさ)」からきています。古くは、使者が手紙を梓の木に結びつけ、持参していたことから「たまあずさ」となり、音変化して「たまずさ」と呼ばれるようになったそうです。
2.「吉左右」
「喜ばしい知らせ」「吉報」、また「良いか悪いか、どちらかの知らせ」のことを「吉左右」と言います。この場合の「左右」には「便り」という意味があり、正しく読めるかどうかも、この「左右」がポイントです。「きちさゆう」ではありませんよ。
そんな「吉左右」の正しい読み方は……
「きっそう(きっさう)」です。
日常生活では「左右(さゆう)」と読まれることが多いですが、お知らせを意味する言葉でもあることを覚えておくと、いざという時に読み間違えずに済むでしょう。ぜひ「左右(そう・さう)」という読み方も覚えておきましょうね。
3.「訃音」
「訃音」には「死亡の知らせ」という意味があります。似た言葉で「訃報」なら聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか? 「訃報」も「訃音」と同じく、読み間違いの多い言葉とされています。「訃報」が読めれば、「訃音」もきっと読めるはずですよ。
「けいおん」ではないとしたら……? 正しくは……
「ふいん」と読みます。
ちなみに、「訃報」と「訃音」はどちらも「死亡の知らせ」という意味の言葉ですが、「訃音」は手紙など文章で用いられる言葉です。
4.「尺牘」
「尺牘」という漢字を見ても、何のことだかイメージしづらいかもしれませんね。「尺」が入っていることから、何かを測るものの漢字だと思った人もいるでしょうか。「尺牘」とは、「手紙」「書面」の古い言い方のことで、「牘」は文字を記す長方形の木札のことです。紙がまだなかった時代は、この「牘」に墨で文字を書いていたと言います。
そんな「尺牘」の正しい読み方は……
「せきとく」です。
また、「尺牘」と書いて「しゃどく」とも読み、意味は「せきとく」と同じですよ。
お知らせにまつわる難読漢字、本当に難問揃いでしたが、4問中いくつ読めたでしょうか? 今回ご紹介した漢字は、普段からよく使うというわけではありませんが、知識として頭に入れておくと役立つことがあるかもしれません。ぜひ余力があれば、漢字と読み方、そして意味も併せて覚えておくと良いでしょう。
参考文献
根本 浩『エッ、この漢字、みんなそう読むのに、どこが間違い?』主婦の友社
現代言語セミナー〔編〕『つい他人に試しくなるもっと読めそうで読めない漢字』角川ソフィア文庫
文/大内千明 画像/Shutterstock(Brian A Jackson、GaudiLab、plprod、LiliGraphie)
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