漢字自体は見たことがあるし、自分でもよく使うのに、なぜか読めない……。そうした熟語は、意外と多いものです。漢字の組み合わせ方によって、読み方が何通りにも広がるぶん、読めない熟語も出てきてしまうでしょう。
今回は、そんな“漢字自体は知っているのに読めない熟語”をピックアップして出題。全問正解できたら、かなりすごいかも!?
1.「佇立」
「佇立」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 「佇立」には「たたずむ」という意味があります。「佇む(たたずむ)」の「佇」ですね。「佇立」も「佇む」も、読み方は違いますが、同じ意味を持つ言葉です。「佇む」を「たたずむ」と読めても、「佇立」を正しく読むのは難しいかもしれませんね。
そんな「佇立」の正しい読み方は……
「ちょりつ」です。
「ちょくりつ」と読んでしまわないよう、要注意ですよ。
2.「万斛」
ばんかく、まんと、ばんと……。色々な読み方ができそうな「万斛」。ですが、これらの読み方は誤りです。そもそも「万斛」には「はなはだ多い分量」「見当がつかないほど多いこと」という意味があり、「万斛の涙(際限なく流れる涙)」といった使い方をします。
そんな「万斛」の正しい読み方は……
「ばんこく」です。
「斛」を「こく」と読むのが少し難しいですが、「斛」は、単位を表す「石(こく)」と同じ意味があります。「斛=石」と覚えると、わかりやすいかもしれませんね。
3.「借問」
「ちょっと聞くこと」「試しに尋ねること」を「借問」と言います。「借問」を「しゃくもん」と読むのは誤りです。一見簡単そうに見えて、意外と間違えやすいので注意が必要ですよ。「借問」を正しく読むには、「借」の読み方がポイントになります。「しゃく」ではないなら、何と読むのが正解なのでしょうか?
「借問」の正しい読み方は……
「しゃもん」です。
「借問」は読み方にも気を付けたい漢字ですが、「借聞」「借門」といった書き間違いも要注意。漢字と読み方をセットで正しく覚えておきましょうね。
4.「赤銅」
「赤銅」とは、たんなる赤色の銅ではなく、銅に少量の金や銀を加えた合金のことを言います。「赤銅」は「赤銅色の肌」などといったように使われることがありますが、「赤銅色」とは黒に近い色のことです。日焼けした肌のことを「赤銅色の肌」と表すことがありますね。
「せきどう」ではありませんよ。「赤銅」の正しい読み方は……
「しゃくどう」です。
「赤」を「しゃく」と読むのが少し意外かもしれませんね。ちなみに「赤」を「しゃく」と読む漢字は、「赤銅」の他に「赤日(しゃくにち)」などがありますよ。
いかがでしたか? 何となく読めそうな気がするのに読めないというのは、なかなかもどかしいですよね。もし今回読めなかった漢字があれば、この機会に意味と読み方を覚えておきましょう。そして、次にまた同じ漢字が出てきた時こそは、正しく読めると良いですね。
参考文献
根本 浩『エッ、この漢字、みんなそう読むのに、どこが間違い?』主婦の友社
文/大内千明 画像/Shutterstock(Jacob Lund、Anak ploysooksan、G-Stock Studio、SimoneN)