連続ドラマの原作となった小説『サバイバル・ウエディング』の著者が、婚活してみたら…。
Over40こじらせ男子の奮闘記をお届けします。
バチェラーと スペックを 比較してみた話
さて、これから婚活パーティや婚活サービスに登録して、実際に婚活していくのですが、その前に僕がどんな人間なのか、スペックを紹介しようと思います。どんな婚活もスペックから入りますからね。分かりやすくするために、『バチェラー3』で話題の友永真也さんとの比較でお伝えしようと思います。(友永さん):(大橋)の順です。※友永さんの情報はすべてネット調べ
【年齢】32歳:42歳
【実家】神戸の高級住宅街:埼玉の団地(電車の音が聞こえる)
【愛車】推定3千万円のフェラーリ:楽天で買った1万円の自転車(6段ギア)
【学歴】フランスに留学:代ゼミに総武線で通学
【主なデート】水族館を貸し切り:新宿の居酒屋の個室を2時間貸し切り
【旅行】南フランスに旅行:伊東に1泊旅行
【実家のペット】オールド・イングリッシュ・シープドッグ:父親が近所で釣ってきた鯉(最終的に祖母が食べました)
【親の教え】尊敬できる女性を選びなさい:エビは尻尾まで食べなさい
【女性によく言う言葉】「その強さはどこからくるんだろう」(友永構文):「逆に餃子屋がオシャレだよね」(大橋構文)
さて、こんな僕ですが、ぜひ女性のみなさんにお伝えしたいのが、「スペックから入ってうまくいくの?」ということです。僕の話で恐縮ですが、僕らの世代って、今の若者たちと違って3K(高学歴、高身長、高収入)とか言われる社会で育ってきたんですよ。だから必死に受験勉強や、就職活動をして、スペックをあげることに必死だったんです。僕もご多分に漏れず、必死に競争社会を生きて、大学入って、大企業に滑り込んだんです。だけど、別にモテないんですよ。なぜなら女性に接する時間を勉強やゲームにあててましたからね。「相手に共感できる」という、人間関係で一番必要となるスペックを手に入れないまま大人になってしまったのです。このスペックは数値化できませんから、どんな婚活サービスも、年収やら身長やら数値化できるスペックを検索条件にします。そこから人を選ぶから、婚活に疲れてしまう人が続出しているのだと思います。なので、高収入でなかったとしても、女性の話を聞いてあげて、一緒になって趣味を楽しめる、そういう男性が結婚に向いているのではないでしょうか。
そんな話はさておき、僕のスペックを紹介した次は、どんな女性がいいのか「結婚相手に求める条件」を明確にしておこうと思います。やっぱり一番は別居OKということになります(気を悪くしたらすみません…)。20年近く一人暮らしをして、好きな時間に起きて、好きなときに好きな漫画を読める。そんなストレスフリーな生活に慣れてしまっているので、同じ空間に誰かがいることに耐えられる自信がないのです…。脱いだ靴下や飲みかけのペットボトルを放置して、それを相手に片付けさせるのが、悪い気がしますし、自分の好きなインテリアに囲まれて、心地いい空間ができあがっているので、韓国で買った謎の美容グッズとか、ピンクのモコモコのパジャマ、ゆるキャラのフライ返しを置いていかれると、「俺の北欧風ナチュラルモダンな空間が…」と思ってしまうのです。
そう。何を隠そう僕は人と一緒に住めないというスペックホルダーなのです!なので、理想の結婚生活は、マンションの隣同士の部屋を借りることです。会うときはラインでやり取りして、食事のときはお互いのベランダにテーブルを置き(常壁は外す)、向かい合って食事をするのがいいですね。イケアで買った小物で飾り付けすれば、レストランのテラス席のようにオシャレになるかと思います。さて、こんな「こじらせ」を通り越して、人間として問題のある40代を受け入れてくれる人はいるのでしょうか…。というわけで、次回は婚活エージェントに行って、僕のスペックを伝えつつ、別居OKの女性を探してこようと思います!
この記事を書いたのは「大橋弘祐」
『文庫版 サバイバル・ウエディング』文響社¥680
大橋弘祐(おおはしこうすけ)
作家、編集者。 立教大学理学部卒業後、大手通信会社を経て現職に転身。初小説『サバイバル・ウェディング』が連続ドラマ化。
『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』はシリーズ40万部を超えるベストセラーに。
撮影/小田駿一