旅に出る一つのきっかけになるのが、「○○したい!」という想い。思い切りショッピングがしたい?大自然を満喫したい?CLASSY.世代の旅作家・小林 希さんが、希望を叶える旅先を紹介します。
自然が織りなす氷の造形! 美を堪能するひととき
真冬、極寒の地だからこそ、この世ならざる体験ができるのは北海道の知床です。ロシアからオホーツク海を漂流してくる流氷が、毎年1月頃に知床のウトロ沿岸に流れ着き、3月頃に解けてなくなるまで留まります。そのわずかな時期だけ、分厚い氷の海原が広がって、その上を歩くことができるのです。もちろん、勝手に歩くのは危険ですが、きちんとツアーに参加して、専用の防水防寒スーツを着用すれば、安心して楽しむことが可能です。
私が体験したのは、知床のシンラという会社のツアー。何度も改良を重ねて開発されたというドライスーツは、カラーバリエーションも豊富で、何人かで参加すれば白銀の世界に映えて華やか。 いざ、流氷の上に足を乗せると、ぐらりと氷盤が動きます。これが氷河とは違う流氷の魅力です。氷盤と氷盤のわずかな隙間に落ちないよう、ジャンプして飛び乗って、またジャンプして…。子供のようにはしゃぎながら奥へ奥へと歩いていきます。ガイドさんは、自然生態についての話もしてくれます。流氷には良質な栄養素がたくさん含まれていて、春になればそれが海へと流れ出していき、だから知床の海は豊富な魚が集まるのだ、と。そんな話を聞いていると、「あ!」とガイドさんが声をあげました。白鳥が群れをなし、空へ羽ばたいていくところでした。その後、「せっかくなので海に入ってみては」と勧められ、氷盤から恐る恐る海に入ってみました。スーツのおかげで寒くなく、ラッコのように体がぷかっと浮きます。目の前には分厚い氷の壁。…なんという新感覚。こうして、真冬の知床が織りなす自然の恵みをめいっぱい堪能しました。「新体験のアクティビティをしてみたい!」という方は、真冬の知床へ出かけてみるのも面白いですよ。
紹介してくれたのは…
小林 希さん(旅作家)
元編集者。29歳で会社を辞めて世界一人旅へ。一年後帰国して旅作家に転身。旅、島、猫をテーマに著書多数。世界60カ国、日本の島80島をめぐる。
近著『大人のアクティビティ!日本でできる28の夢のような体験』(ワニブックス)
インスタグラム:@nozokoneko 旅するオンラインサロン「しま、ねこ、ときどき海外」
Magazine
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more