見た目は簡単そうでも、実は読み方が珍しい漢字ってありますよね。
そうした漢字こそ、油断は禁物。「たぶん読めるだろう」と思っていても、意外に間違った読み方を正解と思っていることがあるものです。
この記事では、そんな“読めそうで読めない漢字”をピックアップしてご紹介。できれば全問正解を目指したいところです。
1.「合羽」
雨の日になると、見かけることのある「合羽」。最近ではファッション性の高い、おしゃれな「合羽」がたくさん登場しています。憂鬱な雨の日も、可愛い「合羽」があれば、気持ちが高まりそうですね。
また「合羽」は、野外ライブや屋外でのイベントなど、雨が降っていても傘をさせないような状況の時にも役立ちます。
そんな「合羽」の正しい読み方は……
「かっぱ」です。
ちなみに「合羽」は、元々ポルトガル語「capa」からできた外来語だそうですよ。
2.「僻む」
あなたの周りに「あの人は僻みっぽいから、接しづらいな」と感じる人はいませんか?
「僻む」とは「物事をねじ曲げて考えること」、また「物事を誤解して受け取り、自分に都合が悪いように解釈すること」を意味する言葉です。
「馬鹿にされたと僻む」など、周りの人はまったくそんなつもりがないのに、まるで不当に扱われたかのように思う人がいたら困ってしまいますよね。
そんな「僻む」の正しい読み方は……
「ひがむ」です。
よく「僻む」と意味を混同しやすい言葉に「妬む(ねたむ)」があります。確かに「他人と比較してうらやむ」点は同じ。しかし、「妬む」は相手に対して羨ましく思い悪意を抱くという意味で、「僻む」は自分が不利だと思い込み卑屈になることを意味する言葉です。
このように「僻む」と「妬む」では意味が微妙に異なります。「僻む」の読み方だけでなく、意味も併せて覚えておくと良いでしょう。
3.「旭日」
「旭日」とはいわゆる「朝日」のことで、「旭日」=「あさひ」と読む人も多いのではないでしょうか。もちろん「旭日」は「あさひ」とも読みますが、実は「あさひ」のほかにもう一つの読み方があるのです。
ヒントは、四字熟語。「旭日昇天」という四字熟語を見たことがあるでしょうか?「旭日昇天」とは「かなりの勢い」を示す四字熟語です。たとえば「旭日昇天の勢い」といったように使われます。
そんな「旭日」の正しい読み方は……
「きょくじつ」です。
「旭日」と「朝日」は同じ読み方・同じ意味の漢字ですが、「旭」は常用漢字ではないため「朝日」を用いることが多いでしょう。
4.「溌剌」
職場などでいつもきびきびとしていて、元気な人はいるでしょうか。
そんなふうに「元気に満ちあふれているさま」、「いきいきとしている様子」のことを「溌剌」と言い、よく「溌剌とした人」「元気溌剌」といったように用いられます。
溌剌とした人のそばにいると、自分まで元気を分けてもらえるような気がしますよね。
そんな「溌剌」の正しい読み方は……
「はつらつ」です。
「刺」を「らつ」と読めるかどうかがポイントになるでしょう。「はっし」「はっさし」ではありませんよ。また「溌剌」の「溌」を「発」と間違えてしまうケースも。漢字ごと正しく覚えておくようにしましょうね。
読めそうで読めない漢字4つのうち、いくつ正しく読めましたか? もしかすると、読み方が分からなかった漢字もあったかもしれませんね。
今回ご紹介した漢字は、日常生活でよく見聞きするものばかりです。ぜひここでしっかりと、正しい読み方を覚えておきましょうね。
参考文献
一校舎漢字研究会〔編〕『きっと誰かに教えたくなる読めるようで読めない漢字2500』永岡書店
文/大内千明 画像/Shutterstock(Kichigin、VCoscaron、Gorodenkoff、YAKOBCHUK VIACHESLAV)