あなたの周りに「難しい言葉を知っているな」「知的な言い回しをする人だな」と感じる人はいませんか?
普段の会話やメール、電話などで使う言葉をちょっと変えるだけでも、周囲の人からの印象はグッと変わります。周囲の人たちに知的な印象を持ってもらえれば、仕事などがうまく進むことも多いでしょう。
そこで今回は、“意味とともに覚えたい知的な印象を与える言葉”をご紹介します。
1.「拘泥」
「拘泥」という漢字を見て、あなたはどのような印象を抱いたでしょうか。もしかすると「“泥”という漢字が使われているから、地面の状態に関する漢字かな?」と感じた人もいるかもしれませんね。
実は「拘泥」とは「こだわること」、特に「ほかの選択肢もあるのに、1つのことにとらわれる様子」を意味する言葉です。たとえば「勝負の内容はさておき、勝敗にばかり拘泥する」といったように、主にネガティブな意味合いの文章で用いられます。
そんな「拘泥」の正しい読み方は……
「こうでい」です。
「拘」は「く」とも読むために、思わず「くでい」と読んでしまわないよう注意しましょう。
2.「磊落」
「石」が三つで「磊」。「磊」という漢字自体、初めて見たという人もいるかもしれませんね。「磊落」とは「大まかで細かいことにこだわらないさま」を表す言葉です。
また、「磊落」という漢字を使った四字熟語に「豪放磊落」があり、こちらも「小さなことにはこだわらない、大らかで快活な様子」といった意味があります。
そんな「磊落」の正しい読み方は……
「らいらく」です。「磊」という漢字を知っているだけでも、じゅうぶん知的な印象を持たれそうですよね。さらに「磊落」の意味や四字熟語も知っておくと、より賢さをアピールできるでしょう。
3.「猜疑」
「相手を信用せずに疑ってかかること」を「猜疑」と言います。あなたも「猜疑心(人に嫉妬したり、相手のことを疑ったりする心のこと)」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんね。
聞いたことがあるようでも、漢字になるとなかなか正しく読めない……というのがこの漢字の特徴です。だからこそ、すっと迷わずに読めたら、それだけで知的な印象を与えられるかも!?
そんな「猜疑」の正しい読み方は……
「さいぎ」です。
ちなみに上記の「猜疑心」は「さいぎしん」と読みますよ。
4.「狷介」
「“狷介”という漢字を、今ここで初めて知った」という人もいるのではないでしょうか。「狷介」とは「偏屈で、簡単に人と打ち解けない様子」や「頑固で、自分の意見を決して曲げないこと」を意味する言葉です。
たとえば「彼は狷介な性格だ」「狷介孤高な人物」といったように用いられます。
「狷介」の正しい読み方は……
「けんかい」です。
上記の「狷介孤高(けんかいここう/自分の意思を守り、他人と強調しない様子)」のように、「狷介」を使った四字熟語は多数あります。
このほかにも「狷介固陋(けんかいころう/かたくなで頑固なこと)」や「狷介不屈(けんかいふくつ/どういった状況でも自分の考えを曲げないこと)」などがあるので、覚えておきましょう。
5.「奇譚」
「世にも珍しい話」「不思議で面白い話」を意味する「奇譚」。「奇譚」の「奇」には「珍しい」「不思議」といった意味が、また「譚」には「物語」「話」といった意味があります。
「何となく、この漢字を見たことがある気がする」と感じる人もいるでしょうか。「奇譚」は、映画や小説のタイトルに用いられることが少なくありません。知らない間に、身近なところでこの漢字を見かけているのかもしれませんね。
そんな「奇譚」の正しい読み方は……
「きたん」です。ちなみに、同じ「きたん」という読み方で「忌憚」がありますが、「忌憚」と「奇譚」はまったく別の言葉。混同しないよう注意しましょう。
いかがでしたか? もし、すべて正しく読めたというのなら、それはかなり漢字に詳しい人と言えるかも! また、もし今回誤って読んでしまった漢字があれば、ここでしっかり覚えておけば大丈夫。次こそは正しく読めるはずですよ。
ぜひ今回ご紹介した言い回しを覚えて、ビジネスシーンなどで用いてみてくださいね。
参考文献
一校舎漢字研究会〔編〕『きっと誰かに教えたくなる読めるようで読めない漢字2500』永岡書店
文/大内千明 画像/Shutterstock(Andrey_Popov、Dean Drobot、pathdoc、fizkes、Kuznetcov_Konstantin)