お気に入りの家具を揃えているのに、写真を撮るとなんだかパッとしない…。それは壁の使い方が原因かも?そこで、センスのいい人の自宅から「壁」を起点にしたヒントを集めました。少し視点を変えるだけで、家はもっと素敵になる!
単体では絵になりづらいものも、
テーマを決めて壁際に飾れば
ギャラリーのように
家以外もインテリアの参考に
どこにでもヒントがある
30歳で離婚を経験し、英語をほとんど話せないまま一人旅へ。Google翻訳を頼りにAirbnbを転々とする中で訪れたノルウェーの森で、白い苔の上を素足で駆ける人々の姿に触れ、人と自然が地続きである感覚に強く心を打たれたんです。この体験をきっかけに人類学に興味を持ち、1年間日本で働きながら英語を猛勉強。その後、ロンドンへ渡りました。ロンドンでは家賃の高さからフラットシェア生活に。備え付けの家具や生活用品に囲まれる中で、自分で選んでいない空間がとにかくストレスで!空間を整えることが心の在り方と深く結びついていると実感し、「自分の場所が欲しい」と思うように。そんなときに出会ったのが、今の家です。
当初はかなり傷んでいたのですが、壁を塗り直すなど自分で手を入れました。最初から完璧な家よりも、自分の手で整えた家の方が“ホーム”だと感じられる。その感覚はこの家一番のお気に入りの壁の棚に並ぶものたちにも通じていて、色や高さ、リズムを意識して配置。ギャラリーのような心地よいバランスを大切にしています。日々訪れるカフェやホテルも、「どう家にヒントを持ち帰れるか」という視点で見ると、どんな場所にも発見がある。旅先の森や街のポスター、子どもが石を並べる風景まで、すべてがつながって今の家を形づくっています。
教えてくれたのは…
木本 梨絵さん(クリエイティブディレクター)
1992年生まれ。株式会社HARKEN代表。武蔵野美術大学を卒業後、現在University College London大学院に在籍中。学業と事業を両立しながらロンドンと東京を拠点に活動。エスノグラフィリサーチや執筆活動の他、旅・自然・日本文化に関わるさまざまな業態開発やブランド企画、アートディレクションを行う。
「有機×無機」ハイコントラストなもので壁を埋めるのが洒落見えのコツ
30歳で家を購入。
空間づくりの鍵は、余白を埋めること
賃貸の更新をきっかけに家探しを始めたのは、30歳のとき。最初は買うつもりはなかったものの、気に入る賃貸が見つからず、購入を決意。背景には、会社を辞める前に住宅ローンを組みたかったこと、「別居婚をしたい」という自分なりの理想がありました。当時すでに家を持っていた大親友に「家を買ったら告白する」と宣言し、鍵を受け取った日に想いを伝えたものの、結果的に“近所に住む親友”という関係に落ち着きました。
空間づくりで大切にしているのは、「無機質なものと有機的なものをあえて近づける」こと。私はこれを“ハイコントラスト”と呼んでいます。照明やスチールに植物や木、石といった自然物を合わせることで、互いの魅力が引き立つ気がして。壁の余白は埋めたい派。壁まわりはダクトレールを使い、照明や植物を吊るして余白を整えています。インテリアは、小物より大きなものを大胆に配置するのが好き。よく見せたいものにだけ光を当て、カーテンは壁いっぱいにかける。お金をかけなくても壁は飾れるし、空間はもっと自由に楽しめると思っています。
教えてくれたのは…
Rika Morikawaさん(インテリアスタイリスト)
広告会社で働きつつ、インテリアスタイリストとして空間づくりを手がけ、SNSでは住宅のスタイリングをメインに発信するインフルエンサーとしても活動。素材の魅力を引き出した家具や小物、光や質感を活かしたスタイリングを得意とする。2024年に独身で55平米の中古マンションを購入し、フルリノベーション。
憧れ女性クリエイターの壁は
やっぱり“アート”がポイント
◼︎佐藤涼実さん(Venica デザイナー)
吹き抜けのあるリビングに、BoConceptの大きなアートを配置。縦に広がる空間が間延びしないよう、サイズ感のある1枚でバランスを取っています。レザーやダークトーンが多いインテリアに合わせ、アートは淡い色味を選び、空間全体を明るい印象に。
◼︎大和 梓さん(Sea Room lynn 代表)
壁に飾っているのは、Kelly Beemanのアート。アートを主役にするため、壁には基本的にアート以外は掛けず、点数も増やしすぎないのがルール。余白を残すことで、1点の存在感を際立たせています。
◼︎三條場夏海さん(Gajess ディレクター)
以前はやわらかくほっこりした色味のアートを持っていたものの、空間にメリハリを出したくて、パキッとしたカラーの作品をセレクト。このアートは色が混ざり合うような少しラフな配色に惹かれ、GENERAL FURNISHINGS & CO.でお迎えしました。
取材/藤井由香里 編集/小林麻衣子 再構成/Bravoworks,Inc.
※写真はすべてご本人と店舗からの提供です。
※CLASSY.2026年4月号「私の家がなんだか絵にならないのは、壁のせいかもしれない」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。
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