圧倒的な透明感と優しいオーラに包まれた鈴鹿央士さんが、ドラマ『リボーン〜最後のヒーロー〜』でIT企業のエリート役員役に挑戦。ある事件を機に、2012年へ転生してしまうカリスマIT社長の主人公・根尾光誠(高橋一生)を現代で慕う側近・友野達樹を演じます。イマドキの青年をリアルに演じる面白さについて、そして30代が見えてきた鈴鹿さんに、仕事や恋愛などの価値観で変化が起きたことについても聞きました。
Profile
2000年1月11日生まれ、岡山県出身。映画『先生! 、、、好きになってもいいですか?』にエキストラとして参加し、広瀬すずにスカウトをされたことがきっかけで芸能界入り。近年の出演作に、ドラマ『謎解きレトリック』、映画『花まんま』、舞台『リア王』など。5月28日よりNetflixシリーズ『喧嘩独学』が配信スタート。
リアルな若者を体現する難しさ
——高橋一生さんが2役を演じることでも話題の転生ヒューマンドラマです。鈴鹿さんが、この作品の面白いと思うポイントは?
転生するというだけでも面白いですが、高橋さん演じる根尾光誠の転生先が、自分の手で買収したあかり商店街というのが新しいなと思いました。買収する側とされる側、それぞれの立場から物事を見るとまったく違う発見があるし、その描き方が面白くて。それに、これは今僕たちの周りで起こっている出来事にも当てはまることだと思うので、そうした意味でも考えさせられる作品だと思います。
——光誠のもと、IT企業「NEOXIS」の創業メンバーとして共に歩んできた同志・友野達樹を演じます。
監督とお話をしていたとき、「友野は若さゆえに自分のやりたいことがわからない。でも、わからなくていいんだ」という言葉をいただいたんです。これまで僕は、演じる役が物語の中で「何がしたいのか」を考えて役作りをすることが多かったので、最初は驚いてしまって…。
——では、役作りは難しいですか?
すごく難しいけど、そのぶん楽しいしやりがいを感じています。友野はその時々で感情が変わるので、「誰かのために」という優しささえブレなければ、自由に演じていいんだと思っています。友野として、撮影現場で感じたものを受け入れて、変化していく姿を楽しめたらいいな、って。実際に、高橋さんの芝居や監督からの言葉を受けて変わることも多いし、新しい発見が常にある役柄です。
——そうした友野の“目標がない”“やりたいことがわからない”という姿は、リアルな若者像のような気がします。
そうですよね。考えてみると、僕もゴールを決めないタイプなので、そこは友野と似ているかもしれません。目標を決めて突き進むというよりは、目の前のことを1個1個という思いでここまでやってきましたから。
程よく楽しく生きていたい
——現在26歳ですが、30歳までの人生設計はしていますか?
それが、本当にないんです。昔から将来の夢を聞かれるのが苦手な子どもで、隣の人が「サッカー選手」と書いていたら、“僕もそうしようかな”って思っていたくらい。今日はおみそ汁を作りたい、新しい包丁を買いたい、のような日々の小さな目標はあるけど、大きな夢や目標は決めていません。
——あえて考えないようにしている?
そうかもしれません。ひとつ夢を決めると、そこしか見えなくなってしまいそうで。少し寄り道しながら進んでいくくらいが、僕にはちょうどいいんです。それに、人生はいつ何が起こるかわからないものだし、まず目の前の求めていただけているものに対して一生懸命向き合いたいです。寄せていただいた期待を超えられるくらいのもので返せたらいいなって。
——年齢もあまり気にされないんですね。
僕は22歳を過ぎたあたりから、ずっと気持ちは22歳のままなんですよ(笑)。だからあまり年齢は気にしていません。今の自分の状態を見て、そのときの自分が求めているものを学んでいたい。そのほうがプレッシャーにもならないし、程よく楽しく生きていられるコツなんじゃないかって。年齢にとらわれず、型にハマらないで生きていきたいなと思っています。
結婚は自分のタイミングで。すべての出会いを大切にしたい
——20代後半に入り、友人関係や恋愛観などに変化はありましたか?
小中高が一緒で、ずっと仲良い地元の友達が今年結婚するんです。さらに、兄もこの間婚姻届を出してきたそうで、“結婚ラッシュなのかな?”なんて思っていたところで。そういう波を受けて、僕もだんだん結婚が身近なものに感じるようにもなってきたけれど、周りに流されるのも違う気がしているし、タイミングは人それぞれだなと思っています。対人関係でいうと、20代に入ってから気の知れた友達としっぽりした時間を過ごすのがいいなと感じるようになって。
——狭く、深くですか?
そうです。極端な話でいうと、友達か他人かくらいハッキリしているかもしれません。人間関係を構築するのって、すごく大変だなと感じるようになって…。そこに労力を使うよりも別のところに力を注ぎたいと思い始めてしまいました。
——このドラマも、そうした人と人とのつながりの大切さを描いていますよね。
まさにそうです。手を広げて多くを求めず、今出会っている素敵な人たちと向き合って、深く付き合っていきたい。まさに「足るを知る」だなと感じているところです。仕事も対人関係もすべてはめぐり合わせだと思うので、今目の前にある出会いに全力で感謝しています。
Information
ドラマ『リボーン 〜最後のヒーロー〜』
4月14日よりテレビ朝日系にて、毎週火曜21:00〜放送。高橋一生が勝ち組IT社長と借金まみれの青年という2役に挑む。ある日、“時代のカリスマ”と称される新興IT企業の社長・根尾光誠が何者かに階段から突き落とされ、転落死。そのはずが、光誠は自身とうり二つの姿をした全くの別人・野本英人に転生していた。さらに、そこは2012年で…。
撮影/木村敦 取材/小林揚 編集/越知恭子
Magazine