「どうしても漢字は苦手」という人でも、より多くの漢字を読めるのに越したことはないでしょう。むしろ、ビジネスシーンなど大事な場面で読み間違えてしまうと、思わぬ恥をかいてしまうことも……。
そこで今回は、“読めなかったら恥ずかしい……さらっと読みたい漢字”をご紹介します。
1.「絹布」
「絹布」とは、漢字のとおり「絹糸で織った布」、「絹織物」という意味の言葉です。
主に「きぬ」と訓読みで読まれることが多い「絹」ですが、「絹布」は「絹」を音読みするのがポイントですよ。では「絹」を音読みにすると、いったい何と読むのでしょうか。
正しくは……
「けんぷ」と読みます。また、「絹布」のほかに「絹糸(けんし/きぬいとのこと)」「正絹(しょうけん/混じりもののない絹のこと)」なども「絹」を「けん」と読みますよ。
2.「目途」
「目当て」や「見込み」のことを「目途」と言います。
「目途」はよく「めど」と読まれがちで、実際に「目途」を「めど」と読む場合もありますが、「目当て」や「見込み」という意味での「めど」は「目処」と書かれることが多いのです。
本来、「目途」は「めど」ではなく……
「もくと」と読むのが正解です。今は「目途」を「めど」と読む人が多く、「もくと」という読み方自体を初めて聞いたという人もいるかもしれませんね。
それだけ「めど」という読み方が浸透しているのでしょうが、あらためてここで正しい読み方を覚えておきましょう。
3.「伝馬船」
近世から近代にかけて、日本では「伝馬船」が用いられていました。この「伝馬船」とは「荷物を運ぶ小型の船」のことを言い、現在ではカッターボートが伝馬船と同じような役割を担っています。
「伝馬船」の読み方で、特に読み間違いやすいのが「伝」の読み方。つい「でん」と読んでしまいがちですが、正しくは……
「てんません」です。この場合の「伝」は“澄まし読み”をします。また、「伝」を「てん」と読む言葉には、「伝馬船」のほかに「伝奏(てんそう)」などがありますよ。
4.「下馬評」
「下馬評では人気が低かったが、実際には一番の売れ行きだった」など「当事者の知らないところで取りざたされること」や「世間の噂」のことを「下馬評」と言います。
よく「しもばひょう」と読んでしまいがちですが、「下」の読み方にはご注意を。「した」でも「しも」でもなく、正しくは……?
「げばひょう」です。ちなみに「下馬評」と似たような意味を持つ言葉としては「前評判」や「風評」などが挙げられます。
いかがでしたか? 今回ご紹介した漢字は、いずれも正しい読み方をぜひ覚えておきたいもの。もし読み間違えてしまった漢字があれば、この機会にあらためて正しい読み方を覚えておきましょう。
参考文献/加納喜光「読めそうで読めない漢字Q&A-もう間違わない!実例集」
文/大内千明 画像/Shutterstock(Shaposhnikova Anna、Song_about_summer、Anna Kraynova、Roman Samborskyi)