「探る(さぐる)」「穿つ(うがつ)」「赴く(おもむく)」といった“一字読みの漢字”。あなたはどのくらい知っていますか? そして、いくつ正しく読めているでしょうか。
この記事では、そんな“一字読みの漢字”の中でも、特に読み間違いやすい漢字をご紹介。ぜひ全問正解を目指してみてくださいね。
1.「抉る」
「突き回して、くり抜く」、また「弱点をつく」ことを「抉る」と言います。具体的には「胸を抉るような悲しみ」「心を抉る」などといったように使われる言葉です。
よく「快」や「決」など似た形の漢字と混同されやすく、「かいる」「けつる」などと読んでしまうケースもありますが、正しい読み方は……
「えぐる」です。また「抉る」と書いて「こじる」とも読みますが、「抉る(こじる)」は「穴など隙間に細長いものを差し入れ、ねじること」を意味します。
言葉の意味によって読み方が変わってくるため、「抉る」という漢字が出てきた場合は、前後の文章などからどちらの読み方をするのか推測すると良いでしょう。
2.「蠢く」
「春」に「虫」が二つで「蠢く」。漢字のとおり「虫が這う(はう)ように、絶え間なく動く」「全体がもぞもぞと動く」といった意味を表す言葉です。
たとえば「毛虫がもぞもぞと蠢く」「群衆が蠢く」などと用いられることがあります。言葉自体は、何となく聞いたことがあるかもしれませんね。
そんな「蠢く」の正しい読み方は……
「うごめく」です。また、「蠢く」と同じように「虫や物などがもぞもぞと動くこと」を「蠢動(しゅんどう)」とも言います。
3.「託つ」
「託す(たくす)」という言葉があることから、思わず「たくつ」と読んでしまいがちな「託つ」。
「託つ」とは、「仕事に託けて夜遊びばかりしている」のように「口実にする」、「何かにことよせて嘆く」、また「愚痴をこぼす」といった意味があります。主に「託けて」、あるいは「託ける」といった使い方をすることが多いでしょう。
そんな「託つ」の正しい読み方は……
「かこつ」です。本来「かこつけて」など平仮名表記されることが多いため、初見で「託つ」を正しく読むのはなかなか難しいかもしれません。そのぶん、迷わず読めれば周囲に知的な印象を与えられることでしょう。
いかがでしたか? 一字読みの漢字は、一見何となく読めそうだと感じるかもしれませんね。しかし、今回ご紹介した漢字のように、少し変わった読み方や難しい読み方をするものも少なくありません。
特に今回の漢字たちは、普段の生活や仕事において用いられることもあるでしょう。この機会にしっかりと正しい読み方を覚えておきましょうね。
参考文献/ことばの森編集室〔編〕「読めない漢字が読める本 分野別読み方便利帖」
文/大内千明 画像/Shutterstock(Pressmaster、shimbu saini、airdone)
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