私たちの生活に欠かせない“食”。そんな“食”にまつわる言葉にも、多くの漢字が存在します。たとえば、一般的にカタカナ表記をされることが多い食品であっても、漢字があるものです。
この記事では、そんな“食”にまつわる漢字の中でも、特に読み間違いやすいものをピックアップしてご紹介します。
身近なあの食品が漢字表記になると……? 何問正解できるのか、ぜひ試してみてくださいね。
1.「三鞭酒」
漢字で書かれると、何となく日本酒の一種のようにも思えるかもしれません。「三鞭酒」とは「フランス産、発泡性の葡萄酒」を意味する漢字です。
また「三鞭酒」は、イベントで用いられることも多くあります。たとえば大会の表彰式で優勝した選手らが「三鞭酒」をかけ合ったり、グラスをタワーのように積み重ねて、上から「三鞭酒」を注いだり。
その他にも「三鞭酒」は、日々のデートやディナー、お祝いのプレゼントなどさまざまなシーンで用いられています。あなた自身、これまでに「三鞭酒」を飲んだ経験があるかもしれませんね。
そんな「三鞭酒」の正しい読み方は……
「シャンパン」です。
ちなみに昔、日本ではシャンパンのことを「三変酒」とも呼んでいたそうですよ。
2.「雁擬」
思わず「がんぎ?」などと読んでしまいがちな「雁擬」。「雁擬」とは「豆腐に細かく切った野菜などを入れて油で揚げた料理」のことを言います。
主に煮物や味噌汁などで用いられることが多く、あなた自身もこうした料理で「雁擬」を食したことがあるかもしれませんね。また、寒い時期に食べたいおでんの具としても人気を集めています。
そんな「雁擬」の正しい読み方は……
「がんもどき」です。
ちなみに「がんもどき」の由来は、「がんもどき」の味が鳥の「雁(がん)」の肉に似ていることからきているとされています。
3.「雪花菜」
「雪花菜」という漢字だけを見ると、まるで「冬に咲く花」のようなイメージを抱く人もいるかもしれません。もちろんこの「雪花菜」も食にまつわる漢字の一つで、「豆腐を作ったあとの絞りかす」を意味しています。
食物繊維が豊富に含まれていることなどから、現在ではダイエットにも取り入れられるほどヘルシーな食品として人気です。
そんな「雪花菜」の正しい読み方は……
「おから」です。
この「おから」にはさまざまな呼び名があり、たとえば「雪花菜」と書いて「きらず(包丁を使わずに食べられることから)」と呼ばれることもあるそうですよ。
4.「麺麭」
「麺(めん)」という漢字が使われていることから、「麺料理の一種かな?」と感じる人もいるかもしれませんね。
「麺麭」とは「小麦粉などを発酵させて焼き上げた食品」のことで、世界の広い地域で主食となっています。日本においても広く親しまれている食品で、人によって「お米か麺麭か」で意見が分かれるところでしょう。
そんな「麺麭」の正しい読み方は……
「ぱん」です。変わった読み方のため、読み間違いがちな漢字です。つい「めんほう」などと読んでしまわないように気を付けましょう。
“食にまつわる漢字”ということで、日常的に食べている食品であったり、よく見聞きしているものも多かったのではないでしょうか。とはいえ、漢字表記だとまた別の食べ物のように見えてしまうから不思議ですよね。
もし今回、読み間違えてしまった漢字があれば、ぜひ一つの知識として頭に入れておくと良いでしょう。“ここぞ”という時に、役立つかもしれませんよ。
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参考文献/ことばの森編集室〔編〕「読めない漢字が読める本 分野別読み方便利帖」
文/大内千明 画像/Shutterstock(G-Stock Studio、ranmaru、haru、Pinkyone)